「天井は高くなくていい、お風呂は2階」25坪の狭小住宅、常識にとらわれない斬新な間取りとは
狭いリビングには低い天井がマッチ、そのワケは?
――まずは、設計士のご主人が採用した“平均より低い天井”に驚きました!近年の住宅では2,400o前後が平均ですが、MONAさんのお宅は2,200oとのこと。
【MONA】 私も当初は、リビングが9.4帖と狭いうえに更に天井を下げたら圧迫感が出そうと思っていました。ところが、「狭いリビングは天井をあえて低くすることで全体のバランスが整い、トンネルのように奥行きが感じられて広く感じる事ができる」という夫のこだわりで低くなりました。ちなみに私は“吹き抜け”に憧れてた民です(笑)。でも低くしたおかげで部屋数もたくさんできたので、結果、よかったです。
【MONA】 圧迫感なく、快適に過ごせています。窓の高さを天井いっぱいまでとり、幅もワイドにしたことで“視界が庭に抜ける”というのもポイントだと思います。
――大開口による眺望性で、実際よりも“広々”感じられるんですね。その他にコンパクトハウスならではの工夫はどのようなところですか。
【MONA】 できるかぎりリビングを広くしたかったので、お風呂と洗面スペース、ランドリールームといった水回りを2階にしました。「水回りが2階」というと、不便そうに思われるかもしれませんが、洗濯やアイロンなどの片付け動線が楽で、1階に5畳の和室も作れました。
もちろん、デメリットも多少あります(笑)。子どもが小さいうちは水回りに用事があると一緒に上に上がらないと行けないので大変ですし、やはり階段の上り下りは多くなります!
【MONA】 リビング、寝室、仕事部屋、和室と“居場所”がたくさんあることも“狭さ”を感じさせない理由だと思います。
――ちなみに…最近は“和室不要”という方も多いようです。
【MONA】 意見が分かれると思いますが、私は作ってよかった派です。気分を変えたい時にここで仕事すると集中できますし、子どもが小さいのでお昼寝スペースにも活用しています。来客時のゲストルームにもなっています。なにより和モダンな雰囲気が好きですね。
“外とつながる暮らし”が実現できればコンパクトでも快適に
【MONA】 3階ワンフロアがすべて子ども部屋なので、1番広いんです。羨ましい(笑)。こだわりは、作り込まない空間。部屋にこもって欲しくなかったので、少し居心地が悪い部屋にしようくらいの気持ちで設計しましたが、想像以上にいい空間になりました。現在は私たちが考えたインテリアで設えをしていますが、将来的に子供たちがどのように変えて暮らしていくか見守るのが楽しみです。
――長女ちゃんと次女ちゃんの反応は?
【MONA】 姉は自分時間が好きなので子ども部屋が作れて大喜び。次女は家族がいる空間が大好きなので、それほどでもというです。それでも最近は2人ともインテリアに興味が出てきたようで、一緒にIKEAなどに行くのが楽しいみたいです。
【MONA】 絶対欲しいと決めていたワークスペースです。オンラインでの仕事が多く、以前、賃貸に住んでいた頃は週に3、4日スタバに行っていました。自宅でもカフェ気分になれるような空間が欲しかったんです。Instagramでは不人気の2階バルコニーも、植栽を置くため敢えて設置し、“緑を眺めながらゆっくりコーヒーを飲んで仕事をする”という念願が叶いました。
【MONAさんご主人】 リビングから見える庭です。毎日眺めています。利便性を考慮して住宅街に土地を購入したのですが、“外とつながる暮らし”も諦めたくなかったので、家の形状・配置・車の駐車台数を工夫し庭を確保しました。その結果、住宅地ながら緑を感じられる暮らしを実現できました。
――今後、コンパクトハウスの購入を予定している方にアドバイスをお願いします。
【MONA】 夫のお気に入りと重複しますが、“外とつながる暮らし”が出来ると部屋が狭いことは気になりません。我が家にとっては庭の存在はとても大きかったです。狭いと諦めることもあるかもしれませんが、工夫によりお気に入りだけを凝縮した家が出来ると思います!
▼岐阜県/5人家族(30代ご夫婦、長女小4、次女小3、三女1歳)/延床25坪
1階
・LDK14.4帖
・和室5畳
・トイレ
2階
・寝室6帖
・仕事部屋7帖
・バス&洗面スペース
3階
・ロフト(子ども部屋)12.2帖