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“渡米芸人”の先駆者・野沢直子、還暦前に思う“戦友”への思いととコンプラ時代「松本人志の核は今も変わらない」

 80年代、『笑っていいとも!』や伝説の深夜バラエティ『夢で逢えたら』(共にフジテレビ系)、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日本テレビ系)などで活躍し、91年に突如、日本での芸能活動休止を宣言。単身渡米した女性ピン芸人・野沢直子。元気いっぱいのキャラや、今ではコンプライアンス上、到底放送できない言葉や素っ頓狂な言動で、バラエティー黄金期に大きな爪痕を残してきた。そんな彼女も来年、ついに還暦を迎える。自身の老いに向き合う、唯一無二の59歳。彼女は今、何を思うのか?

ダウンタウンらと伝説のバラエティーで共演、のちの女性芸人たちへ与えた“影響”

 ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子という、今考えるととんでもない豪華な布陣で放送されていた深夜バラエティー『夢で逢えたら』(1988年〜1991年)。コントでは、いつ怒りが爆発するかわからない彼氏(浜田雅功)に慎重な言葉選びをするも、結局怒りに触れて悲惨なお仕置きで泣き叫ぶ“元子”役などで活躍。『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(1988年〜1996年)では、マジメ一辺倒だったフリーアナウンサーの故・逸見政孝さんを、意味不明な回答や言動で振り回すなど、テレビが最大の娯楽だった時代に日本のバラエティ界を席巻していたのが野沢直子だ。

 アメリカで暮らす現在、そんな自分の半生を振り返り、老いに向き合うエッセイ『老いてきたけど、まぁ〜いっか。』(ダイヤモンド社刊)を発表。「私は世のためになったか、考えることもあった」という。

 「例えば、私は子どもの頃にドリフターズを見て、その影響で芸人になろうと決めたんです。この“影響”という言葉が引っかかっていて、自分はどうだったかを考えます。女芸人さんの中には、『見てました!』と言ってくれる方がいるので、私はその人たちの人生に影響を与えることができたのかもしれないと、勝手に思っていて(笑)。人としての役割は、これで果たしたことにしようと考えるようになりました」

人気絶頂の中で突然の渡米した先駆者、渡辺直美の背中を押した?

 当時、野沢直子の渡米は衝撃だった。人気絶頂であり、どのチャンネルでも野沢直子を見ない日はないという活躍の中での、突然のアメリカ進出の発表。今思えばそれは、渡辺直美やピース・綾部祐二の先駆けとも言える行動だった。

 「(渡辺)直美ちゃんはすごい格好いいですよね。私の場合は、とりあえずアメリカへ行ってコメディクラブにでも出てみるかと、決めてから3〜4ヵ月でバッと行っちゃった。すごく行きあたりばったりだったんです。でも直美ちゃんは、エージェントも立て、SNSでもとても人気があり、しっかり段階を踏んで取り組んでいる。私の時代はSNSもなかったので羨ましいと思う反面、SNSがあっても同じことができていたかどうか…(笑)」

 とはいえ、野沢は渡辺直美にも、ある“影響”を与えていたらしい。

 「2015年に直美ちゃんと一緒に舞台をやったんです。直美ちゃんがある番組で言ってくれたんですが、その時に私は渡米について相談され、『行ったほうが良いよ!』と言ったらしいんです。直美ちゃんは『あれで決心しました!』と感謝してくれたんですけど、でも私、全然覚えてなくて(笑)。後から、どうしよう、しまった〜って頭を抱えました(笑)」

 一方、2017年に渡米した綾部雄二からも連絡があったそうだが…。

 「渡米のちょっと前に、聞きたいことがあると言ってくれていたんですね。でも、実際質問されたことは『家の中では靴ですか?』で。『え、そこ?』みたいな(笑)」。

 その後、綾部からとくに質問は来ていないそうだ。

松本人志もビートたけしも核は変わらず、老いへの否定には「腹が立つ」

野沢直子

 そもそも、なぜの彼女は渡米の道を選んだのか。

 「『夢で逢えたら』の時、ダウンタウンさん、ウンナンさん、清水ミチコさんらと比べて、私は全然面白くないというか。『足を引っ張っちゃいけない』という気持ちでやっていて、その才能の差に結構キツくなっちゃったんです。それで、これはどこかで修行しなければ…と考えたんですけど、当時はドラマなどでも海外といえば『とりあえずニューヨーク!』だったので、ニューヨークに決めました。行ったことなかったけど(笑)」

 まさに、“行きあたりばったり”。現在はアメリカでバンド活動やパフォーマンスを行っているが、そんな野沢直子から見て、今の『夢で逢えたら』メンバーの活躍はどう見ているのだろう。

 「実は、今でも松本さんに会うと緊張してしまうんですよ(笑)。相変わらず面白いのがすごいなって…、でも会えたらやっぱりうれしい。あのメンバーは、自分の中では高校の同級生のように思っていて、愛着があるんです」

 昨今ではそれぞれが大御所となり、司会やMCで活躍するだけでなく、松本人志は『ワイドナショー』(フジテレビ系)やTwitterなどで、ある意味“ご意見番”のようなポジションともいえる。

 「それは予想はできたなかったですけど、誰がなんと言おうとすごい人だし、お笑いとして相変わらず面白いと感じます。“ご意見番”のように『変わっちゃった』と思う人もいるかもしれないけど、私はまったく変わったとは思わない」

 それは、野沢が高校生の頃から大好きだったという、ビートたけしも同じだ。

 「私は高校生の時にビートたけしさんが好きで、たけし軍団に入りたかったんですけど、たけしさんだって今も何も変わっていないと思います。世間的には『スピード感が落ちた』なんて見られるのかもしれませんが、それって当たり前じゃないかなって。だって、人間、誰でも老いるでしょ? 老いを責めてはいけないし、老いても核になるものはまるで変わってない。皆さんすごく影響力が強いですし、そんな中で老いを否定的に捉える言葉を見たら、私は腹が立ちます」

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