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「昔は”見守りの甘さ”があった」保護者と離れた瞬間、連れ去られそうに…子どもを守るためにできること

 幼稚園生の頃に、誘拐されかけた体験談を漫画エピソードとしてSNSに投稿したふくふくさん(@fukufuku_diary)。「自分が子どもの頃は、迷子が今よりもっと当たり前だった気がする」「幼稚園でなんとなく聞いていた、防犯の知識が役立った」と当時を振り返る。子どもの安全を守る術として、大人ができることを聞いた。

人気のない住宅街で独りぼっちに、とっさの対応で緊急事態を回避

 「幼稚園のお迎えは、働いている母の代わりに祖父がしてくれていた」という、ふくふくさん。「駄菓子屋に寄りたい!」と駄々をこねると必ず付き合って、寄り道をしてくれる。幼稚園の帰りに駄菓子屋へ行くことが、祖父とふくふくさんの日課となっていた。

 しかしある日、いつものように寄り道しようと声をかけても、祖父は「今日は買わないよ。おじいちゃん先に行っちゃうから」と頑なに駄菓子屋に行くことを拒否。ふくふくさんは意地を張って動こうとしなかったが、祖父はてくてくと先に歩き出した。子どもと保護者が離れてしまった瞬間だった。

 実際に祖父は「自分が先に行けば、諦めがつくだろう」と、少し先の角を曲がったところで待ってくれてはいたが、ふくふくさんは「どうせ角で待っているから、意地でも動かない!」と、人気のない住宅街で独りぼっちの状態に。

 そこへ一台の車が通りかかり、運転席の男性から「お嬢ちゃん、一人でどうしたの?」と声を掛けられた。独りになってから数秒後の出来事。祖父とはぐれた経緯や、周囲に保護者がいないことを確認され、「お家まで、車で送ってあげるよ」「さぁ、乗って!」と声を掛けられたという。

 幼稚園生だったふくふくさんは「乗ったらラクだなぁ…」と本気で誘惑されかけたが、幼稚園で先生から「知らない人の車には絶対乗らない!」と教わったことを思い出し、「もしかして今、幼稚園で教えてもらったことと同じことが起きている…?」「これ、乗ったらダメかもしれない」と考えることができた。

 「知らない人に連れて行かれそうになったら、大きな声を出して助けを求めようね」と言われていたが、怖すぎて声は出せなかったと当時を振り返る。腕をひっぱられ、体は車に引き込まれそうになっていたが、ふくふくさんは何でもいいからとにかく声を出そうと、とてもとても小さな声で「あ、おじいちゃん…」とつぶやいた。

 誰を見たわけでもなかったが、その”ハッタリ”が男性を焦らせた。遠くから別の高齢男性が偶然にも歩いてくるのが見えて、車の男性はそれを祖父だと勘違い。ふくふくさんを道に突き放して、急いで逃げてしまったという。まさに危機一髪、誘拐されかけた出来事だった。

昔と今、防犯意識の違い「”見守りの甘さ”もあった」

 漫画を投稿して、「子どもの頃に自分も同じような経験をした!」という反響が何件も届いたという、ふくふくさん。印象的だったのは、現役の保育士や保育士を目指す学生から、「自分達の指導が意味のある事なんだと知れて嬉しかった、今後も頑張りたい」とメッセージをもらったことだという。

「いただいて、描いて良かったと私も感動しちゃいました! 驚いたのは、1人で登降園するのが当たり前の幼稚園に通っていた、という方のコメントです。時代はもちろん、地域差も感じて衝撃的でした。私はアラフォーなのですが、自分が子どもの頃は、迷子が今よりもっと当たり前だった気がします」

 「私も迷子センターの常連でしたが、当時『一大事!』という感じで迎えにきている親御さんはほぼ見かけませんでしたし、むしろ、勝手に親から離れた事を怒られてゲンコツされている子すらいました」と昔と今の時代の変化について話してくれたふくふくさん。

「昔は、そんな”見守りの甘さ”もあった。それによって取り返しのつかない不幸に見舞われた子どもは結構いたんじゃないかと私は思っていて、今は親の負担は増えたかもしれないですが、子どもの安全度は上がったように感じています」

 ふくふくさんは、家庭で子どもたちにできる防犯教育として「《イカのおすし》の歌」を一緒に歌っているという。

「子どもたちが幼稚園で歌っているので、家で私も一緒に歌っています。『知らない人についていかない』『他人の車にのらない』といったな内容の歌です。子どもたちへの問いかけもしています。例えば『知らない人に、お菓子あげるからついておいで、って言われたらどうするのかな?』と私が質問すると、子どもが『ついていかなーい!』と答えるようなやりとりです。自分自身が、幼稚園でなんとなく聞いていた防犯の内容をとっさに思い出して行動できたという体験をしているので、日々聞かせて刷り込ませることに意味はあるなと思い、言い続けていきたいと思っています」
Instagram:https://www.instagram.com/fukufuku_diary/(外部サイト)
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