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コロナ禍での倒産、家なし貧困女子YouTuberの田舎一人暮らし、“やらせ”を疑われても…「心身を癒してくれた北海道に恩返ししたい」
倒産後は家なし車上生活、「食べ物が喉を通らなくなりました」
――コロナ禍の影響で、せっかく企業した会社が倒産してしまったと。大学を卒業して間もないのに、大変な目に遭われましたね。
「早く自立して一人で生きていきたくて、女性の役に立つ仕事もしたかったので美容のお店を開こうと決めたんです。そのために、全時間を使ってきました。理想のお店になるよう、できるすべてのことをしたつもりで、この先は自分が思い描いた通りの未来になるのだと信じきっていました。なので、お店を潰すと決めたときは、一言では言い表せない気持ちでした」
――しばらくは家もない貧困生活。車上で暮らしていたそうですが、なにか心身への影響は?
「食べ物が喉を通らなくなりました。食にお金をかけなくて済むのは良かったのですが、もともとは食べることが好きだったので、それは大きな変化でした。家はサロンと兼用だったので、お店を手放してからは車で生活。特にすることもないから、後ろで両膝を抱えてじっとしていると、嫌なことばかり考えてしまうんです」
――それは壮絶な体験ですね。
「何も考えないように眠ろうとするのですが、何もしていないから眠たくならない。今起こっていることはまやかしで、目を開けたらお店のあたたかいオレンジの灯りが見えるんじゃないかとパッと目を開けてみると真っ暗で、大きなため息を吐いてまた目を閉じる…。そんなことの繰り返しでした。でも北海道に来て、真っ暗だった世界に少しずつ色が戻ってきています」
夢破れ北海道で動画配信、「業者、事務所の企画では?」の声に「一人でやってきたことを証明したい」
「北海道への移住をサポートしてくださった方がYouTuberだったため、YouTubeに興味を持ちました。もともと趣味でショートムービーを作っていたので、夢がなくなった今、新しいことをやってみてもいいかなと思いスタートさせました」
――今や登録者数も26万人超え。ここまで人気になると思っていましたか?
「まったく想像していませんでした。自分のやりたかったことができなくなり、何でこんなことしているのだろうと思うことがしばしばあります。そんなときに、『りんさんの動画を見て明日から頑張ろうと思いました』『仕事の疲れが吹っ飛び癒されました』といったコメントをいただき、思い描いていた形ではないけれど誰かの役に立っているのかもと感じ救われました」
――とても美しい映像ですが、撮影は一人で行っているとのこと。どんな工夫をしていますか?
「行き当たりばったりです。メインで撮るものだけ決めて、細かいところはまったく考えずに撮影を始めるので、編集のときに苦労します。基本はカメラ1台で撮影しているので、画角を変えて何度も同じ動作を繰り返すのですが、途中で右手と左手が入れ替わっていたり、髪の毛を結び直して髪型が変わってしまっていたりします」
――応援の声が多いなか、有名になるにつれて「業者、事務所の企画ではないか?」と言われることもあったそうですね。そういった反応についてはどう考えていますか?
「投稿時間や頻度、クオリティなど、いろいろと問題がありすぎて、業者さんや事務所さんの仕事だなんて滅相もないです。このような声が増えてきてからは、事務所に入ってこれまで一人でやってきたことを証明したいと思うようになりました。年明けにUUUM所属になったと発表させていただいたので、これで今まで本当に一人でやってきたとわかってもらえたのではないでしょうか」