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「お年玉渡す子に通じるかな…」高校の国語でおなじみの名作をネタにしたポチ袋に反響 寅年作者による『山月記』愛
寅年生まれの作者「2022年は『山月記』と中島敦ネタは絶対外せない!と思っていた」
「思ってもみないことでビックリしました。家族から『SNSで話題入りしてるよ』と聞かされて気づきました。まず投稿者さんと奥様に『面白がってくれてありがとう』と感謝の気持ちでいっぱいです。私自身寅年生まれで、2022年は『山月記』と中島敦ネタは絶対外せない!と思っていましたし、そして皆さんの心の中の『山月記』愛が疼いたことで、ご注目いただけたのかと思います。」
――『山月記』以外にもアインシュタインや渋沢栄一、坂本龍馬などがありますが、ご自身の中でお気に入りの作品を教えてください。
「前出の『山月記』はもちろんですし、虎の色をイメージさせる色の「黄ポチ袋」も2022年ぽくて気に入っています。あと「黒ポチ袋」の「秘宝在中」は、ツタンカーメンの顔を彫るのが大変でした。普段の彫り方ですと顔や目の輪郭線を残し肌の部分を削るのですが、ツタンカーメンの場合はその逆で、黄金の肌部分を残して細かい目鼻口の線を彫らなければならないため苦心しました。黒ポチ袋「ロマン代」は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の列車のイメージで癒されるので気に入っています。」
――ご自身がお年玉をもらっていた頃の印象的なエピソードがあれば教えてください。
「田舎暮らしの祖母からもらったお年玉です。小中学生のころ、おばあちゃんちに親戚が集まってお年玉をもらっていたのですが、おばあちゃんは人前ではくれず、母屋の一番奥にあるおばあちゃんの部屋で、そっとお年玉をくれました。高齢で出かけることもなかったおばあちゃんなので、カワイイなポチ袋とか買うこともなく、ティッシュや食べ終わった和菓子の袋にお金を入れていました。文が書いてあることもありました。今でもその袋は思い出にとっておいています。」
大好きな『水戸黄門』が消しゴムはんこの原点「ナンシー関さんのように的確な描写力を磨きたい」
「文具メーカーの株式会社オリエンタルベリーさんと相談して制作しています。文言はオリエンタルベリーさん、干支や歴史ドラマで注目されそうな人物のはんこ制作を私が担当しています。昔の真面目な人物像が、コミカルでありえないような一言を放つ姿が面白味を醸し出しているのかな〜と思います」
――実在した人物(歴史の偉人)の似顔絵を消しゴムはんこで表現するところ、まるで令和のナンシー関の再来かのようなイメージを受けますが、ご自身の創作の原点やインスピレーションはどういったものに受けることが多いですか。
「そう言っていただき恐れ多いですが、ナンシー関さんの大ファンなので嬉しいです! 人物+言葉の組み合わせがカッコいいと思っています。「水戸黄門」など往年のTV時代劇が大好きだったので、キリッとした決めポーズとセリフをはんこにしていました。それらが友人から好評を得て、どんどん作れと言われたことが消しゴムはんこにハマるきっかけになりました。この俳優さん素敵だな、この人みたいになりたい、近づきたい、という憧れが創作のキッカケになることが多いです。私は描くのに時間がかかるので、ナンシーさんのように的確な描写力を磨きたいです。」
――消しゴムはんこで偉人を制作するうえで大切にされていることは何でしょうか。
「彫りたいと思った人物の功績や人物像を人物事典やネットや調べたり、伝記や小説、映画を見てイメージを膨らませます。『この人、こんなことを成し遂げたんだな〜』と知ること自体が楽しいです。下書きや消しゴムを彫るときは、その人物と友達になったかのように心を通わせて(もちろん妄想ですけど)制作しています。あまり極端なデフォルメはせず、穏やかな表情を選ぶようにしています。」
――2022年に挑戦したいことを教えてください。
「歴史上の人物イラストを描いて物語や絵本を制作したいです。あとは、日本や世界の気になる人をはんこに彫って、みんなでスタンプして楽しむ機会を作れたらいいなと思います」