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「大阪で生まれた女」のBORO、67年間の病との闘い「地獄を受け入れたら希望の扉は開ける」

BORO

病気にコロナ、乗り越えるべきものはたくさん「何回でも、再スタートしていけばいい」

──BOROさんは、難病の少女と出会い、AYAKA基金という活動も行っています。これはどういった経緯で?

BORO 1991年にバイクで事故って病院通いをしてたときに、タクシーの運転手さんから「娘のために歌を作ってくれ」と言われたのがきっかけでした。よくよく話を聞いたら、5歳の娘・綾佳ちゃんが先天性の筋ジストロフィー症だと言います。綾佳ちゃんは残念ながら9歳で亡くなってしまったんですが、この病気をもっと知ってもらうために募金活動をしたり、後援会を行うようになりました。活動を始めてから28年続いていて、小池百合子都知事らもすごく応援してくれています。今でもAYAKA基金は、病気と闘う人や精神疾患をはじめとする弱者を守るため、いろんなことに使われています。

──ご自身も病気と闘いながらこのような活動を行い、長い年月をかけてすごくたくさんの『OVERCOME』(克服)を迎えてきたんでしょうね。

BORO そうですね。自分自身、いろんなものを克服してきた。僕は25歳でデビューしたんですけど、最近、そのときの感覚に近いんですよ。今年の8月に白内障の手術をしたときに…あ、これ、自分の中では闘病のうちに入ってないんですけど(笑)。手術のおかげで譜面もよく見えるようになって、今まで見えなかったものが全部見えるようになった。本当に少年みたいに感動して。

――それは良かったですね!

BORO でも、鏡をパッと見たときに、ものすごい白髪としわだらけの自分に気づいたんですよ。今まで見えていなかったけど、「ああ、自分は老人だったんだ!」と初めて気が付いて。ちょっとショックでね、「見えなきゃよかったのに!」と(笑)。でも、そんな中でこのアルバムができて、スタッフとの会議でこのタイトルが浮上してきたときに、涙が出ました。僕もいろんなことを克服してきたからこそ、今がある。まだ克服していない人も、これから一緒に克服を目指したいなと思うんです。自分の病気と闘っていたり、大切な人を失ったり、乗り越えなきゃいけないものはこれからもある。そうやって何回でも、再スタートしていけばいいと思うんですよね。

──とても説得力のあるメッセージだと思います。では、そのように闘う方々に伝えたいことは?

BORO とりあえず、不幸を受け入れる。自分がどん底にいることを否定しない。まずは、そこからだと思うんです。地獄を受け入れて、自分がどん底にいることを受け入れると、幸せ探しができるようになります。雲を見たり、星空を見上げたりするだけで幸せを感じられるようになる。人はそんな簡単に死なないから。少しでも楽しくなれることを見つけることが大事ですね。

(文:川上きくえ)
アルバム『OVERCOME』
12月22日発売

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