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「“100均”ではない」ダイソーの真意、「安物買いの銭失い」と言われた過去を経て新業態に受け継がれる品質への挑戦
「安物買いの銭失い」と言われた創業者、品質への挑戦の契機に
「最近はマグネット式の傘立てを、キッチン収納に活用するアイデアが話題になっていましたね。弊社の商品の新たな活用法をユーザーの方が発見し、SNSでその輪が広がっていくのはとてもうれしいです」(後藤氏)
ダイソーとStandard Productsでは業態は異なるが、共通するのは「品質の追求」であると後藤氏は語る。
「ダイソーの店舗展開が始まった80年代頃の100円ショップのイメージは決して良いものではありませんでした。当時、あるお客さまの『安物買いの銭失い』と言う言葉を耳にした創業者が『提供するべきものは何よりも品質』と奮起。各メーカーや物流会社など多くの企業さまにご協力いただき、『感動価格、感動品質』を追求することでお客さまと信頼関係を築いてきた歴史が弊社にはあります。その精神とノウハウはStandard Productsにも色濃く反映しています」(後藤氏)
競合多いベーシックデザインへの挑戦、『ダイソー』のノウハウ活かして差別化図る
「コンセプトは、『ちょっといいのが、ずっといい』。どこにでもありそうだけど『ちょっといい』。そして買い揃えたり、買い替えたりが気軽に楽しめる。ゆくゆくはそれが『ずっといい』に繋がっていけば、という思いを込めました。商品が個性を主張するのではなく、お使いいただく方が自分らしくいられるブランドを目指しています。ダイソーの商品がリメイクやDIYで無限の可能性を楽しんでいただけるのに対して、Standard Productsは『トータルコーディネートで生活を提案する』というコンセプトや提供する価値の違いがあります」(後藤氏)
暮らしに調和するベーシックなデザインで生活を提案するブランドといえば「無印良品」や「IKEA」など競合も多い。Standard Productsの最大の特長はどこにあるのだろうか。
「やはりダイソーのノウハウを生かした『感動品質、感動価格』をご提供できることですね。ただしStandard Productsは価格ではなく、コンセプトありきで商品開発をしています。たとえば食器やタオルといった材質が異なる商品のカラーのトーンを揃えるなど、個別の商品ではなくトータルでコーディネートしたときの生活空間を考えたものづくりをしています。その上で感動価格を追求した結果、7割の商品が300円という価格帯に落ち着きました」(後藤氏)
Standard Productsの商品はすべてオリジナルであり、現在は1号店でしか購入ができないが、ゆくゆくは「ECサイトも検討したい」とのこと。まずは渋谷という好立地のリアル店舗でユーザーのニーズを吸い上げ、さらに良い商品開発に繋げていく考えだ。