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場内放送室から見た王、長嶋の素顔…45年目にして最後のシーズン開幕、読売巨人軍“レジェンドウグイス嬢”の仕事の流儀

後輩には自分たちが作り上げた形は押し付けない「思うようにやればいい」

 そんな自身の経験を踏まえ、今年42年ぶりに採用された新人たちには「自分たちがいいと思うようにやればいい」と未来を託す。さらに、現在、選手名の語尾を伸ばす千葉ロッテマリーンズの谷保恵美さん、北海道日本ハムファイターズの杉谷拳士選手の打撃練習を“いじる”アナウンスが印象的な埼玉西武ライオンズの鈴木あずささんなど、特徴的なアナウンスで注目を集める後輩たちが活躍。山中さんは、彼女たちを賞賛しつつ、新しい世代が歴史を作っていくことにも大きな期待を寄せている。

「谷保さんや鈴木さんのアナウンスが素晴らしいと思えるのは、それによってファンの方々がすごく喜んでくださっているから。私たちにとって一番大事なのはそこなんです。今研修などで基本的なことは教えていますが、新人3人に、自分や同僚で2年後輩の渡辺三保さんと全く同じようにやってほしいとは思っていません。私たちもよく他の球場のアナウンスを聞いて、そちらのほうがお客様に伝わりやすいと思ったらすぐに取り入れてきましたし、時代はどんどん変わっていますので、彼女たちにも自分たちがいいと思うことを遠慮なくやっていってほしいなって思います。それぞれの球場ごとにいろいろな特色があってもいいですよね。みんな同じだったらやっぱりつまらないですから」
 さらに新人たちに一番望んでいるのは、「一番のジャイアンツファンであること」だ。山中さん自身もそれを大切にし、“ジャイアンツ愛”が変わることはない。

「始めたばかりの頃、どのタイミングでアナウンスすればいいのかわからなくて、聞いたことがあったんです。先輩からは、『自分が聞きたいタイミングで言えばいい』と言われました。例えばチャンスの場面で4番バッターが打席に入るときなど、ファンは自分の気持ちが高揚するタイミングで場内アナウンスを待っています。同じようにどの場面においても、自分がファンの気持ちで『ここだ』というときにコールすることが大事。自分がファンであればそのタイミングはわかるし、何より好きな仕事は楽しく続けられますから」

「引退後は45年ぶりに、“いちジャイアンツファン”として巨人戦を楽しみたい」と山中さん。今シーズンは5月半ばまで、渡辺さんと2人でアナウンスを担当し、その後は新人3人を含めた5人交代制で、東京ドームに彩りを添えるという。45年かけて培った“レジェンドウグイス嬢”の場内アナウンスが聞けるのも今シーズン限り。野球好きもそうでない人も、この貴重な機会に東京ドームで、場内アナウンスに耳を傾けてみては?

取材・文/河上いつ子

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