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「寂しくさせたアナタが悪い!」開き直った不倫妻の言い分に困惑 バカにされたサレ夫が怒りの復讐
決して珍しくない妻の不倫、「頭の中はロマンティック」
「今や3組に1組が離婚する時代ですが、妻の不倫が原因のケースも少なくないですよね」
そもそも、サレた側を主人公にした作品を描こうと思ったのは、世にあふれる不倫“スル側”を主人公にした映画やドラマへの反発からだった。
「不倫をする側が主人公の創作物は、主人公に感情移入できるように美しく描かれていますよね。エンターテインメントとしてはとても楽しめるのですが、現実で不倫をする人たちはきっと、こうしたエンタメ作品に少なからず影響を受けて、頭の中がロマンティックになってしまうのかな、などと思いながら観ていました」
本作では、「世の中チョロいわー」とばかりに夫を欺き、不倫を謳歌する妻のナメた態度に、サレ夫が立ち上がる姿が描かれていく。そこには、不倫の代償を疑似体験してほしい」という著者の思いが込められている。
「現実の不倫はパートナーを傷つけるだけでなく、社会的責任や金銭面などでも重い代償が伴います。既婚者と恋をしている方は、意外とそのことを把握していない人も多いので、ここで濃いエピソードを一発おみまいして、不倫をしたらどんな結末が訪れるか、読者に疑似体験してもらおうと思ったんです」
リアルなエピソードがふんだんに綴られ、今や、“不倫したくなくなるマンガ”としても注目を集めている。
言い訳する不倫妻、原因は夫婦のコミュニケーションロス?
「ネットなどで不倫に悩んでいる人の投稿を見ると、まず、だって夫にこういうことをされた、という前置きがあるんです。自分のしている不倫を正当化したい人や、自分が不倫に至ってしまった経験を共感してほしい人がすごく多いと感じました」
本作でも、夫の転勤で大阪に引っ越してきた主人公は、友人も知人もいない土地で、夫から家政婦のように扱われ、孤独を感じながらも、“養ってもらっている”という負い目から、夫に対して遠慮して不満を口にできずにいる。そんな結婚生活で、夫と心が離れてしまったことが、不倫に走る大きな原因となっているのだ。
「夫に不満を抱いたり、モヤモヤした時点で、まず話し合わないと、主人公夫婦のようにどんどんお互いが知らないところで事が進んでいくようになったりするよということを伝えたいと思いました。夫への不満をため込んでSNSで発信しても、かわいそうだねって共感してもらえるかもしれませんが、夫への憎悪はむしろ増える原因になってしまうでしょう」
本作では、主人公が夫にキスされて気持ち悪いと感じるシーンがある。
「そこまでいってしまったら、夫婦関係を戻すのは大変ですよね。こうなる前に、相手にちゃんと伝え、本人同士で話し合わないと。信頼関係や相手を思う気持ちがなかったら、ときめく相手に出会ったとき、抑えがきかなくなると思います」
夫のみならず、妻の浮気も珍しいことではなくなった今、ロマンティックな悲恋物語ではない、リアルで美しくない不倫を描いたエンタメ作品は、これからもますます増えていくのかもしれない。