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ヤクルトはなぜ“食べるヤクルト”を開発したのか? 実家を離れた若年層にこそ届けたかった想い

  • 発売開始からSNSで話題となった『カップdeヤクルト』(画像提供:ヤクルト本社)

    発売開始からSNSで話題となった『カップdeヤクルト』(画像提供:ヤクルト本社)

 “食べるヤクルト”というキャッチコピーで話題のデザート『カップ de ヤクルト』。2014年から秋冬の期間限定で発売されており、ヨーグルトやババロアのような食感でヤクルトの味を“食べて”味わえると年々人気に。スーパーやコンビニでは売り切れることもあり、「見かけたらすぐ確保!」、「おいしすぎてまとめ買い」と、SNSでも反響を呼んでいる。食べるヤクルトを開発した経緯と、近年の反響について発売元のヤクルト本社に聞いた。

子ども時代の思い出の味“ヤクルト” 1度離れてしまいがちな20代〜30代女性が主なターゲット

 昨年9月に販売が開始されると、SNS上で「今年もこの季節がやってきた!」「スーパーで見かけて即買い」と反響を呼んだ『カップ de ヤクルト』。“食べるヤクルト”というキャッチコピー通り、ヤクルトの味わいを新食感で味わえるデザートだ。「ババロアでもムースでもヨーグルトでもない」、「レアチーズとヨーグルトの合いの子のような食感」、「赤ワインと食べたらおいしかった!」など、様々な声が上がっている。

「フェイスブック、ツイッター、インスタグラムの3つを併用して商品の情報を発信していますが、色々な反響をいただいて嬉しく思っております。こちらからも食べ方を提案させていただいていますが、なかなかお酒と一緒に召し上がっていただくシーンまでは考えが及ばなかったので、大変おもしろいアイデアで是非試してみたいと思いました」(三つ星Factory・境氏)

 『カップ de ヤクルト』を開発したのは、ヤクルトの女性プロジェクト “三つ星Factory”。
「20〜30代の女性に向けて、女性ならではの視点でニーズに合った商品作りができないかと考えたことがきっかけです。ターゲットを考えた時に、デザートであれば手を伸ばしていただけるのではと考えました」(境氏)

 確かに20〜30代になって、子どもの頃よりヤクルトに触れる機会が減った人は多いのではないだろうか。ヤクルトと言えば実家の冷蔵庫に常備してあり、帰宅後のおやつや、お風呂上がりの楽しみだった人も多いだろう。しかし、親元を離れ上京して、就職をして…5本や10本パックのヤクルトを手に取る機会は少なくなっていく。結婚して家庭を持ち子どもが生まれたことで、再びヤクルトが冷蔵庫に戻ってくるパターンも多いはずだ。そんな状況の中、ごほうび感のあるデザートとしての『カップ de ヤクルト』は、スーパーやコンビニでも発売されているので手に取りやすい。結果として、ターゲット層の20代〜30代の女性を始め、多くの人の心に刺さる商品となった。

秋冬の期間限定発売の理由 味のバランスと食感、カロリーにこだわり

 開発にあたり、こだわったのは味のバランスと食感、そして多くの人が気にしがちなカロリーだ。

「ヤクルトの酸味と、クリームの濃厚さを掛け合わせるバランス、さらに口どけなど食感にもこだわりました。乳酸菌が生きていますので、時間の経過により酸味が少しずつ増していきますが、賞味期限の間おいしく召し上がっていただけるように仕上げました。また、デザートらしい満足感や幸福感を味わっていただきながら、食べた後の罪悪感を少しでも減らせるよう、1個あたり100kcalに抑えたのもこだわった点です」(境氏)

 独特の食感と絶妙な味のバランスにハマる人が多く、「通年で発売して欲しい」という声も相次いでいる。しかし、販売は毎年秋冬シーズンのみという期間限定。
「通年販売を希望されるお客さまの声は非常にありがたく思っております。『カップ de ヤクルト』は濃厚な味わいも特長のひとつであるため、一般的にデザートの需要が高まる秋冬に合わせて発売することで、『カップ de ヤクルト』のおいしさをより楽しんでいただきたいとの思いから、期間を限定して販売しております」(三つ星Factory・沼田氏)

 昨年9月に発売された『カップdeヤクルト』は、2021年4月下旬までの期間限定販売を予定。主なターゲット層の20〜30代女性のみならず、男性を含め、幅広い層から支持されている。

生きたまま腸に届く“乳酸菌 シロタ株” 人々の健康意識と共に盛り上がる市場

  • 乳酸菌シロタ株 (画像提供:ヤクルト本社)

    乳酸菌シロタ株 (画像提供:ヤクルト本社)

  • 『Yakult1000』 (画像提供:ヤクルト本社)

    『Yakult1000』 (画像提供:ヤクルト本社)

 2020年から続くコロナ禍で、人々の健康に対する意識は日に日に高まっている状況だ。運動や食生活の見直し、体にいいものを摂ろうという思いも強くなっていると言える。

 ヤクルト本社でも、2020年2月度の乳製品1日当たりの売り上げ数量合計は「Newヤクルト類」が前年同月比を108.0%と上回り、一時的に品薄の状態に。乳酸菌シロタ株を1000億個含んでおり、腸内環境の改善だけでなく、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレス緩和や睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を向上させる『Yakult(ヤクルト)1000』も、販売計画を上回って推移している。
「『Yakult1000』は、2019年の10月からエリア限定で販売されている商品です。売り上げは順調に伸びており、健康への意識の高まりとともに、乳酸菌に対する消費者の方の期待感が高まっているのを実感しています」(広報室・名和氏)

 近年、注目が集まっている乳酸菌。市場に出回る数々の乳酸菌の中で、ヤクルトの強みは1930年から約90年近く研究が続けられている“乳酸菌 シロタ株”だ。

「パッケージにも表示されていますが、乳酸菌 シロタ株は生きて腸まで届くのが最大の特長です。」(名和氏)
 
 ヤクルトでは、長年の実績を元に『Yakult1000』や、『カップ de ヤクルト』など、様々な角度から新たな商品を発売してきた。

「創業当時から、多くの方にご利用いただき、健康で楽しい生活づくりに貢献したいという思いは変わりません。今後もお客さまの期待に応えられるように研究開発から販売に至るまで、しっかりと取り組んでいきたいですね。1人でも多くの方に選んでいただけるように、努力していきます」(名和氏)

 スーパーやコンビニだけでなく、家やオフィスなどへお届けするヤクルトレディなど、様々な場所で目にするヤクルト。幼き日の思い出の味は、形を変えて1度離れてしまった世代にも。健康の大切さを強く実感する昨今を経て、今後も幅広い世代に愛され続けるはずだ。

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