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ウェブ発漫画『SPY×FAMILY』が100万部突破…『少年ジャンプ+』編集部に聞くヒットのワケ
玉石混交の漫画コンテンツのなかで編集者の目利き、作家との信頼関係がヒットのカギ
林氏は遠藤氏の連載デビュー作『TISTA』(『ジャンプSQ.』07年12月号〜08年8月号)から担当編集者に。その後、『月華美刃』(『ジャンプSQ.』10年6月号〜12年2月号)を終えて以降、なかなか連載に腰を上げない遠藤先生を根気よく口説き続けてきた。
「1〜2年に1本ペースで読み切りをご一緒しながら、お描きになってない間も連絡を取り続けてきました。ただしあまりプレッシャーをかけると良くないと思い、ほどほどに刺激する程度に、ですね」(林氏)
「遠藤先生の過去作はどこか尖ったダークさが持ち味で、コアな漫画ファンには厚く支持されていました。だけど長年お世話になってきた先生だからこそ商業的に成功してもらわなければ、編集者として寝覚めが悪い(笑)。コアを超える読者をつかむためにも打ち合わせを重ね、試行錯誤の結果、気楽に描けるコメディにたどり着きました。コメディなので、『暗いの禁止』と机に貼り紙をしていただいたようです(笑)」(林氏)
「ご自身のペースで執筆できるのも、遠藤先生が『少年ジャンプ+』での連載に踏み切ってくださった理由の1つでした。当初は週刊連載で打診したのですが、先生としてはそのペースはキツイとおっしゃられた。そこで『ジャンプSQ.』の月刊45ページと同じくらいの『隔週20ページではいかがですか?』と提案し、現在の隔週月曜更新という形に収まりました。ご無理を強いないことでクオリティを落とさず連載を続けられるという点では、先生はウェブ媒体向きの漫画家さんだったのかもしれません」(林氏)