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「オラザク」大賞受賞者がSNSでガンプラ指南「技術は共有資産。ガンプラを始める人が増えてくれたら」

mat氏が考える「オラザク選手権」攻略の糸口とは?

――SNSにアップされているものを見ると、実際のガンプラの画像に、手書きでわかりやすくアドバイスが書かれており、ガンプラ初心者から上級者まで、簡単に作り方を学ぶことができます。この指南には、ご自身の苦労や経験が反映されているのでしょうか?
mat「ガンプラのオススメHow to」の内容は自分でやってみて、効果があったり楽しかったものを紹介するもの。「皆もよかったらやってみて」というくらいのもので、指南ってほどのことはやってないですよ(笑)。
 手書きの説明は昔の模型誌の雰囲気が出せれば、と考えて近年始めました。昔の模型誌には、作例記事内にライターさんが改修箇所などを手書きのイラストで説明していたんです。それがわかりやすく、しかもなんとも言えない味があって、すごく好きだったんです。「オラザク」受賞作【※】といい、当時の模型誌の影響受けすぎですよね(笑)。仕事でもこういった説明を手書きで書くことがあるので、すっと取り入れることができましたが、いつも「汚い字で読みにくいだろうなあ」「外国の方には(翻訳できないので)不親切だよなあ」、とちょっと心苦しくもあるんです。
【※】matさんの「オラザク選手権」大賞受賞作は、かつて大ヒットしたガンプラの指南本『ホビージャパン別冊 HOW TO BUILD GUNDAM 2』をオマージュしたもの。
――模型誌からインスパイアされていたんですね。指導用画像を作る際に、気を付けていること、こだわっていることがありましたら、それぞれお教えください。
mat当時の模型誌のように、なるべく写真や手書きのイラストや文字を組み合わせて説明することです。構成も描きながら、アイデアを足しながらアドリブで進んでいくので、いつも想定外の出来上がりになります。これも手書きならではでしょうか。

――正直なところ、このような形で「ガンプラ指南」をすることは、ご自身の作品を作る時間も減り、とても時間がかかり面倒なことだと思います。そこには、どんな思いがあって、この活動を続けられているのですか?
mat私はこれまで模型誌や、周囲の皆さんから技術やセンスを与えられてきました。そうして新しいことにチャレンジしていくことが楽しくて仕方がなかったんです。そのように活動してきたので、自分も技術やセンスを溜め込むのではなく、かたっぱしから出していこうと自然に思いました。「ガンプラのオススメHow to」で100近くの記事を書きましたが、「書き尽くしてもう何も残ってないかも」と思いつつ、次の制作中にひらめいて、「やってみたらうまくいった、これは皆に紹介せねば」の繰り返しです。
――モデラーとして、ガンプラを制作するうえで一番気を付けていること、大切にしていることは?
mat新しい技術やセンスはひらめいたといっても、これまで誰かに教えてもらってきたこと、影響を受けてきたことあっての成果物だと思っています。そもそもすでに誰かが自然にやっていることがほとんどです。技術やセンスは誰かのパテント(特許)ではなく、皆の共有資産として取り入れることができ、いつも自然発生的に「思いついたんだけど、これはどう?」と言い合える寛容な風土になればと思います。そうしてガンプラの界隈は楽しそうだから、やってみたいと思って始める人が増えるといいなと思います。

――すばらしいお考えですね。matさんが大事にしているモデラーとしての信念は?
mat「楽しむこと」ですね。これからも楽しんでこの趣味を続けていければと思います。

――最後に、matさんが考える、「オラザク選手権」の攻略法はどのようなものでしょうか?
mat普段の制作の延長としてではなく、コンテスト作品として特別にしっかり企画を練ること。あと、これを書くのは迷うところですが、オラザクは現物ではなく、画像によるコンテストなので、プレゼンを超頑張ることです。良い作品を現物ではない、何かで審査員に伝えるためにできることは、まだまだあると感じます。

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