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自治体のお金投入も大半が作り手の自己満足?「郷土かるた」の存在意義
確認できる古い「郷土かるた」は関東大震災が起きた大正末期頃の作品
「百人一首など、貴族とか武士など上層階級の人たちが遊んでいたものを、『庶民も遊べるものに』ということで、江戸時代頃に考えられたのが『いろはかるた』なんです。ことわざを詠んで絵と合わせていくというもの。その後、ことわざ以外にも広がっていき、身近な地域に存在しているものを取り上げてみようということでできたのが『郷土かるた』です」(NPO法人日本郷土かるた協会 理事長 山口幸男氏/以下同)
「郷土かるた」の成立時期は定かではないが、現在確認できる古い「郷土かるた」は、関東大震災が起きた大正末期頃のものである。
「『横浜歴史イロハカルタ』というものです。また、昭和初期には国が地域の活性化のために予算を出したこともあり、全国各地で郷土意識を高めるということでたくさんの『郷土かるた』がどんどん作られたようです」
今でこそ、インターネットをはじめ、テレビ、ラジオなどたくさんの娯楽があるが、当時はテレビもない時代。人々の遊びゴコロをくすぐりながら、郷土のへの愛着を持ってもらうきっかけとして、「郷土かるた」がうってつけだった。