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瑛人を作る“3つの言葉”…ハンバーガー、仲間、音楽 「香水のヒモ」から、いつか「瑛人となら結婚OK」と言われたい
ネガティヴな思いも、最後にハッピーになればいい
瑛人おー、やったー! イエーイ! 嬉しい! よろしくおねがいします(笑)!
――(笑)。自分は『ハッピーになれよ』(3曲目)って曲が、すごく好きで。この曲って、両親の離婚を題材にすべてを飲み込んだ上で「幸せになれ」という祈りを捧げる楽曲じゃないですか。「香水」もそうだけど、瑛人さんの楽曲で扱われるテーマって「切なさ」や「悲しさ」に満ちていますよね。これってどうしてなんですか?
瑛人うーん、なんでだろうな。あんまりそういうことに自覚的じゃないし、考えたこともないんですけど……。『ハッピーになれよ』って曲に関して言うと、この曲は小学生の頃の自分とコラボレーションしているような感覚なんですよ。
――というのは?
瑛人子どもの頃に両親が離婚したんですけど、曲の歌詞通り、毎週日曜日に父ちゃんの家に野球のグローブを持って遊びに行ってたんですよ。で、ある時、父ちゃんに彼女がいるってことがわかって。それを母ちゃんに教えたいんだけど、普通に言葉にすると言いづらいから歌で伝えようと思って。〈ハッピーになれよ〉って、ずっと母ちゃんにお風呂場で歌ってあげていたんですよね。
全然メロディは今と違うんですけど。そういう実際の体験を歌にしていて。だけど言われてみれば、なんで〈ハッピー〉って言葉をあのとき使ったのかはわからないですね。勇気づけたり、慰めたかったのかな。
瑛人そうだなぁ……自分がそういう性格だから、としか言えないですね(笑)。楽しいだけの曲も全然作ってみたいんですけど、やっぱり悲しい思い出とか切ない記憶の方が歌の題材にはなりやすいんですよね。でも、その時その時の感じた気持ちを大切にそのまま歌にしたいなと思って曲は作ってますね。
――アルバムの本編ラストを飾る『俺は俺で生きてるよ』も素晴らしい楽曲で。〈俺は俺で生きてるよ/だから何も邪魔をするな/なんて言葉いわないからずっと隣にいてよ〉という歌詞は「いらだち」と「愛している」がどちらも含まれた、今の瑛人さんの気持ちの素直な現れなのかなって思いました。
瑛人あぁ、なるほど。でも、この曲は『香水』よりも前に作った曲なんですよ。だから、この一年のブレイクに対する思いとかっていうよりは、むしろ音楽活動がまだ軌道に乗っていない「どうすんだよ、これから」って悩んでる時の気持ちが反映されてるんです。みんなが大学行ったり、就職したりしていて、地に足を付けて生きている時に、僕は夢を追っていて。周りの人に割と好き勝手にいろんなことを言われたりしたんですよ。その時の「なんだよ!」って思いがこもってますね。
瑛人あんまりイライラしたり、ムカついたりしないんですよね(笑)。あ、でも、一瞬だけ思った時期はあって。その時の気持ちは『好きにすればいいさ』(10曲目)って曲になりました。〈I don’t give a shit〉っていう歌詞は、まさにそれで。「俺は気にしねえよ」というか「知らねえよ」って意味なんですけど。悪口とか好き勝手なことを言ってる人たちと同等にはなりたくないって常々思ってて。
でも、ただ悪口でその人たちに対するメッセージを終わらせるんじゃなくて、そういうことを言ってる人も、そうじゃない人もそれぞれの場所で輝いてほしいって意味を込めて〈Let your light shine〉って歌詞を入れてるんです。
瑛人でも、独りよがりな表現になってないかなぁ……って心配になったりもしますよ、正直(と、言いながら、傍らにあったギターをいじり始める)。
――いや、全然独りよがりじゃないと思いますけど……って、ギター弾いてくれるんですか?
瑛人こうやってただただ話してるのもアレなんで、一曲歌いましょうか?
――ええ〜!! いいんですか?
――わー! ありがとうございます!
なんと、即興で演奏してくださいました!(動画冒頭にその模様を一部収録しています)