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東京ばな奈、お土産なのに全国コンビニ販売 コロナ禍で変わる“東京土産”の新たな可能性
時代とともに変わる東京土産の形「流行しているものが、すべてお土産になり得る」
ありがたいことに、そういったことはありませんでした。ただ、ずっと同じものを出し続けて古びないかどうかという心配はあったので、どうすれば常に新しい目線で見てもらえるかは意識しています。ルイ・ヴィトンなどのラグジュアリ―ブランドが、変わらない定番の柄も持ちつつ、最新のデザインを出していくように、東京ばな奈も新たなものを生み出せるよう努力しています。
――これまで100種類以上の商品を発売されていますが、新商品やコラボ商品を開発される際、気をつけていることはありますか?
本物のバナナを使っておいしさを守ることと、形のかわいらしさですね。カーブしたバナナのかわいい形もあって受け入れていただいているので、シリーズ商品のカステラやチーズケーキも、バナナの形にして作っています。
確かに最初は、外国産の原料であるバナナで東京みやげを作っていいのかという思いもありました。でも最近の土産トレンドを見ていると、普段から東京のカフェやプレゼントで流行しているものが全てお土産になり得るんですよね。例えば、弊社で展開している、ラングドシャの中にバラの形のチョコレートが咲いている『東京チューリップローズ』というお菓子も普段から人気なのですが、お土産としても使っていただいています。
――普段東京で人気のお菓子が、おみやげになり得るということですよね。
そうですね。お土産として使う物のボーダーラインがなくなってきていると思います。ライバルが多くて大変ではありますが、自由にチャレンジできておもしろいです。
――確かに自由さも感じますし、“何でもあり”な印象を受ける時もあります(笑)。
まさに、東京ばな奈のコンセプトは“何でもあり”なんです(笑)。『東京ばな奈』という柱があって、それをお客様に認識していただけたことで、いろいろな遊びもできるのかなと。
『ポケモン東京ばな奈』で身近な存在に 期間限定の全国販売で“バーチャル東京旅行”を
基本的には東京土産なので、全国展開したという意識はなく、あくまで限定企画の出張販売というイメージです。あとは、『ポケモン東京ばな奈』のように、従来と違った別シリーズをお届けすることで、この先も続いていける新たな商品も作っていきたいと思っています。
――『ポケモン東京ばな奈』は、“お土産”という認識ではない?
もちろんお土産として使っていただけるように東京にも専用ショップができますが、毎日側にいてくれるようなお菓子としても考えています。もともとポケモンも思わぬところに出現する面白さや、パートナーとして側にいてくれる優しさもありますよね。そんな側面が、みなさんのお側に行きたいという『東京ばな奈』の思いとマッチすると思ったんです。
全然なかったです(笑)。もともとは東京旅行の思い出の味として使って頂きたかったので、やる必要性を感じていなかったんです。でも、お客様の事情が変わってしまったのに、こちらが今までと同じことをやるのは不親切なので。今求められているのは通販でも買えることだろうと思って、期間限定で取り組んでいます。
――実際にやってみて、反響はいかがですか?
すごく喜んでいただいて、出張販売の時も日本全国どこに行っても歓迎していただけるので、思い切ってやってよかったと思っています。
東京に行けない代わりに、バーチャル東京旅行というか、気持ちだけでも東京に行った気分で楽しんでいただければという思いです。また、『ポケモン東京ばな奈』のように、毎日の生活の中でもかわいいと思ってもらえる存在になれたらうれしいです。