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ハブ化する『有吉の壁』 ブレイクスルーへと導く純度100%の“お笑い番組”の重要性

続々と誕生する名物キャラも“一人歩き” 企業コラボも多数生まれる絶大なシナジー効果

 『有吉の壁』では、これまで優に100組を超える芸人が登場。レギュラー出演ではシソンヌ、ジャングルポケット、パンサー、チョコレートプラネット、ハナコ、四千頭身、三四郎、タイムマシーン3号…などな、いわゆる第七世代に限らない幅広い年齢層の芸人が出演している。大ブレイク中のチョコプラもモノマネ以外のネタを披露していたり、テレビで見かける機会が減っていたとにかく明るい安村も、この番組でプチ再ブレイクを果たした。

 またパンサーにいたっては、以前は「空回りする尾形」「おしゃれな向井」「クールな菅」といったイメージもあったが、向井と菅も同番組で体を張ったお笑いに挑戦し、ベタなネタをチームワークよく披露し、「向井と菅ってこんなに面白かったんだ」と再評価された。

 さらに、番組内の「一般人の壁」から生まれたキャラクターも多数あり、他番組やCM等に起用された芸人も多い。チョコプラの「TT兄弟」や「Mr.パーカーJr.」、パンサー・菅の「パラパラおじさん」、きつねの「KOUGU維新」、タイムマシーン3号の「鬼ギャルゾンビ」といった具合に人気キャラを作り、YouTube等でも人気を集めている。

 特にジャンポケがどこにも効かないストレッチを披露する「ストレッチャーズ」は、日清食品の袋麺『お椀で食べるシリーズ』のCMに出演するまでの人気を獲得し、企業コラボの場も増えてきている。

有吉自身の経験も投影…“一発屋”を生むのではなく、強度の高い芸人を育成する場に

 子どもがマネするいわゆる一発屋枠からもう1ランクアップさせ、他局の番組への出演、さらには企業CMなどに起用されるまでの影響力をつけてきた『有吉の壁』発のキャラ。しかし、こうした番組発のキャラの確立は、過去の人気お笑い番組でもよくある流れだった。

 『俺たちひょうきん族』(フジテレビ系)をはじめ『だいじょうぶだぁ』(同)、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)、『ダウンタウンのごっつええ感じ』、『ワンナイR&R』、『はねるのトびら』、『ピカルの定理』(以上、フジテレビ系)など。同番組もそのマナーにのっとったブレイクスルーを作ったといえる。そしてキャラの人気確立が、番組とそれを演じる芸人たちを一回り大きくさせてきたのは、まぎれもない事実なのだ。

 しかし、『有吉の壁』にはこれまでとは明らかに違う点がある。その主役が「低空飛行しているた芸人たち」であること。彼らにチャンスを与え、またそのチャンスをものにした芸人たちが新たなキャラで仕事に結びつけ、マネタイズでも成功していく。

 最近では、YouTuberたちが地上波に進出しタレント化していることもあり、芸人たちは自分たちの存在意義として、タレントたちとの境目がわからなくなっている感もあるかもしれない。そんなお笑い業界、テレビ業界の中で、同番組は芸人本来のネタに焦点をあてている。さらにプライムタイム放送という信頼性の背景もある。視聴者も企業も安心して受け止める“純度100%のお笑い番組”が、他を寄せつけない地位と価値を築いている、といえるのではないだろうか。

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