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高橋真麻、フジ退社の理由とフリー転身後の苦悩明かす「打ちひしがれていた」
「コネ入社だろ?」相次ぐ2世批判にネガティブ悪化…変えてくれたのはやはり父の一言だった
【高橋】俳優・高橋英樹の娘ということで、物心ついたときから「うらやましい」と言われ、そのたびに「そんなことないです」って、大変で苦労したエピソードをアピールするようになってしまって。それに加えて、人の目を意識して、人の言っていることを気にするあまり、小さいことでウジウジ悩むようにもなって、自然とネガティブな人間が形成されてしまったんです。
━━そんな真麻さんが表舞台に立つアナウンサーになりたいと思ったのはなぜなのでしょうか?
【高橋】父の仕事を見ていて、人に何かを伝えたり、表現したりする仕事に興味を持ったのがきっかけでした。ライターやデザイナーなどいろいろある中で、私は新聞や本を読み聞かせたり、何かを食べたときに自分の言葉でリアクションしたりすることが楽しかったので、アナウンサーになりたいなと。もう1つ、父を見ていて、突然病気や事故に遭って明日から働けなくなったら収入がゼロになるという不安定さをずっと考えてきたので、大きな組織に属したいという気持ちがありました。その2つがうまく交わったのが局アナだったんです。
━━実際、フジテレビのアナウンサーになっていかがでしたか?
【高橋】いやー、もう、とにかくネガティブな要素しかありませんでした。まず、内定が決まった時点でネット上の掲示板に「高橋英樹の娘がフジテレビに内定したらしい」と出て、「コネだろう」から始まって悪口がいっぱい寄せられて。就職した後は、さらに大手サイトや新聞・雑誌に「コネ入社」とか「ブサイク」とかたくさん書かれて。私は大学2年の時からアナウンサースクールに通い、アナウンサーになるための努力を120%やってきた自負があったので、せっかく頑張って入社できたのに、“なぜ見ず知らずの人たちからこんなに叩かれなきゃいけないの?”って本当にショックで。加えて、今考えれば未熟だから仕方がないことなんですけど、夢と希望いっぱいで入社したのに、自分がやりたいことをやらせてもらえない、学生時代の比じゃないくらい人間関係に悩むなど、さらにネガティブな気持ちになることがいっぱいでした。
━━どうやって乗り越えたんですか?
【高橋】父に「誰がやってもいい仕事こそ本気でやりなさい。そうすれば次からは『真麻にお願いしたい』となるはずだから」と言われたことが力になりました。その言葉を信じて、手元しか映らない中継やナレーションのお手本用の声収録といった世の中に出ない仕事も一生懸命やるようにしていたら、本当に少しずつ仕事が増えていって。と同時に、世の中の反応も「ニュース読みがうまい」とか「バラエティー番組で体を張ってやっているのがおもしろい」と変わってきて、自分のキャリアとアイデンティティが確立されていくにしたがって、ようやく自信が持てるようになりました。