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『鬼滅の刃』は本当に「怖いから観ちゃダメ」? カウンセラーが教える、子どもへの影響とは

「怖いシーンは見ちゃダメ」とシャットアウトするのはよくない

 「良くないのは、『怖いから見なくていい』とシャットアウトしてしまうこと。これは『鬼滅の刃』に限らず、普段の生活でも同じです。たとえば、道端で猫が死んでいたとします。そういうときに親は『怖いから、汚いから触っちゃだめ、見ちゃだめ』と、子どもを引き離そうとする。すると、子どもは『死は怖くて、汚いものなんだ』と思ってしまうんです。逆に、猫を車にひかれない場所に置いてあげたり、役所に連絡してきちんと葬ってあげれば、子どもは『亡くなったものには、敬意を持って接するべきなんだ』という気持ちになるので。

――一概にシャットアウトしてしまうことが、子どものためになるとは限らないんですね。

 「そうですね。それに『鬼滅の刃』のアニメや映画では、音楽も効果的に使われているんです。激しいシーン、無残なシーンで、観る人を包み込むような美しい音楽が流れますが、それはおそらく、心のダメージをやわらげる配慮。怖さを煽るのではなく、登場人物たちの死を受け止め、しっかりと考えられる精神状態に持っていってくれる楽曲には、音楽療法的な効果もありますね」

『鬼滅の刃』をカウンセリングにも活用、「“推しキャラ”の話で自己理解が深まる」

――浮世先生は、普段のカウンセリングでも、『鬼滅の刃』の話をしているそうですね。

 「はい。相手と“推しキャラ”のどこが好きかを話すことで、自己理解が深まるんですよね。先日も、冨岡義勇(“柱”の一人)が好きだという子に対して、『どこが好きなの?』と聞くと、『普段は口数が多くなくて自己アピールしないけど、本当はいちばん優しい』という答えが返ってきて。『それって、君に似てるよね』と言うと、その子は『自分もあんなふうになれるってこと?』と表情が変わったんです」

――それならば、子どもも心を開きやすそうですね。

 「そうなんです。ほかにも、『猗窩座(あかざ。“上弦の鬼”と呼ばれる最強の鬼の1人)が好き』という子がいたとしたら、『猗窩座はひたすら鍛錬した強い鬼だよね。君も同じようにがんばれるタイプなんじゃない?』と声をかけてもいい。今の子どもたちは、自己肯定力が弱く、自分の良いところをわかっていない子が多いので、推しキャラの話をきっかけに、その子の良いところを見つけていくことはとても大事だと思います。心理学、カウンセリングというと難しいと思われがちですが、アニメを通して話すことで、メンタルヘルスにつながる。『鬼滅の刃』をはじめ、名作と呼ばれるマンガやアニメには、必ず深い内面が描かれているので、ぜひ活用してみてください」

(文:森朋之)
【プロフィール】
浮世満理子(うきよ・まりこ)
全心連公認上級プロフェッショナルカウンセラー/メンタルトレーナー。大阪府出身。『全国心理業連合会』代表理事。『全国SNSカウンセリング協議会』常務理事。トップアスリート、芸能人、企業経営者などのメンタルトレーニングを手掛ける。『子どもの可能性を120%引き出す! メンタル強化メソッド 50』、『チームを120%強くする! メンタル強化メソッド 50』(実業之日本社)、『LINE上手 ビジネス・私生活で相手の心理をつかむ!』(徳間書店)など、著書多数。『週刊まるわかりニュース』(NHK総合)、『関ジャニ∞のジャニ勉』レギュラー出演(関西テレビ)、『newsZERO』(日本テレビ系)などメディア出演多数。

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