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“乳がん”を告知されたらどうする? サバイバーが伝える本当に必要な情報「“死”に直結したがんのイメージを変えたい」

“死”に直結したがんのイメージを変えたい、“その後”を生きる人たちのために

  • 『乳癌日記』より

    『乳癌日記』より

 この本の特色は、「豊富な情報量」と「ポップな闘病記録」であること。がんをテーマにした映画やドラマとなると、シリアスかつドラマティックな悲劇として描かれるものが多い。だが実際は、がんになる人は非常に多く、治療をして完治、もしくは病気とうまくつき合いながら生きている人も山ほどいる。病は特別なドラマではなく、どこにでもある日常なのだ。

 「エンタテイメント作品や報道などの影響もあるとは思いますが、日本のがんのイメージは、“死”に直結しているように思います。もちろん、発見が遅かったり、進行によっては深刻な状況になってしまうこともある。ですが、治療がうまくいき、今までとそう変わらない生活を送る人だってたくさんいます。“その後”のための情報が少ないから、私はこのマンガを描いたんです」

 「そうして生きるために、検診はきちんと受けてほしいと思います。何もなければ安心を得られますし、何かあれば、すぐに治療を受けることができます。マンガにも出てきますが、友人が膵臓がんになって余命宣告も受けていましたが、今も元気に生きている。彼女もこの『乳癌日記』を読んで気持ちが落ち着いたと言ってくれたので、描いていてよかったなと思いました」

 マンガのテイスト同様、夢野さんの語り口は明るく、軽快だ。同じ病気をした人や、その家族からの反響が届くたびに、「描いていてよかった」と実感するのだそう。

 「『いろんなことがわかって安心した』という声が届くと、うれしく思います。がんになった方だけでなく、ご家族の方も読んでくださり、患者さんのことがよくわかったという声もいただきました。闘病マンガというと身構えてしまうかもしれないので、あえて、明るく楽しく。自分の記録として振り返ってみても、人生にはいろいろと大変なことが起こるもの。私は、そのうちの一つが乳がんだったんだと思っています。がんになったからといって、そこで終わりではない。その後を生きて生活していくことに、役立つものになっていればうれしいです」

(文:根岸聖子)

『乳癌日記 胸の小さな痛みから始まった乳癌闘病記』

夢野かつき 著
廣済堂出版 刊

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