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難病発症した女性ボーカル、活動休止の絶望から再起するまで「全力で病気ごと生きてやろう」

ぼくたちのいるところ。 人生ダメ子

 大阪発のバンド「ぼくたちのいるところ。」のボーカルを務める人生ダメ子さん。今年1月に難病指定された病気を患っていることが発覚し、バンドの活動休止を余儀なくされた。これまで行ってきたライブ活動もままならず、「アーティストとして死にかけた」と自棄になったこともあったという。そんな彼女が紆余曲折を経て、再び音楽に向き合うまでの心の軌跡とは?

難病指定の病気のためバンドが活動休止に、ライブ強硬で悪化したことも

  • ボーカルの人生ダメ子さん

    ボーカルの人生ダメ子さん

 バンド「ぼくたちのいるところ。」は2013年、大阪にて結成。ライブを中心に活動を続け、2018年にはメジャー流通でCD「大人ごっこ」を発表。独自の世界観や中毒性のあるメロディで“メンタルぶっ壊し系バンド”とも言われ、根強いファンをつかんでいる。

――バンドではどんな活動を行ってきたんですか?

【人生ダメ子さん】結成以来、ライブをメインに活動してきましたが、ここ2〜3年はYouTubeやSNSでも発信しています。音楽性というと形容しがたいんですが(笑)、タワーレコードならJパンクやJロックのジャンル、アンダーグラウンドのカテゴリに分けられることが多いですね。”メンタルぶっ壊し系”と言われることもありますが、ストレートに心にグサッと刺さる音楽をやりたいんです。その意味ではパンクですかね。

――そんなバンドが現在は休止中。人生ダメ子さんの病気が今年1月に発覚したと。

【人生ダメ子さん】血管の疾患で、腎臓に影響が大きい病気で、難病指定もされています。症状としては、激しい運動をすると内出血して湿疹が出たり、悪化すると関節に痛みが走るんですね。最初に異変に気づいたのも、そこでした。どこかで打ったわけでもないのに、足の薬指が痛くなって…。最初のうちは軽視していたんですが、痛みが長引くし、3ヵ月くらい微熱が続いたので「おかしいぞ」と思って。一度病院に行ったら尿管結石だと診断されたんです。でもその後、今年の年明けにまた異変が大きくなって。もう一度大きな病院で検査を受けたら、この病気がわかって入院しました。

――難病だとわかった時は、やはりショックでしたよね。

【人生ダメ子さん】そうですね。予想外な展開で、「やべーな」というのはありました。お医者さんにも「安静にして」と言われたんですが…。

――安静にしなかった?

【人生ダメ子さん】はい(笑)。予定していたライブをキャンセルできなくて、先生に「行っていいですか?」と聞いたら、ダメだと言われて。黙って名古屋に行って弾き語りのライブに出ちゃったんですが、そしたらまた具合が悪くなってしまい、さすがに反省しました。やっぱり、お医者さんの言うことはちゃんと聞くべきですね…。

襲った精神的ダメージ、「アーティストとして死にかけた」

ぼくたちのいるところ。 人生ダメ子

――具体的には、どんな治療をしているのですか?

【人生ダメ子さん】病気が発覚してからは、何度か投薬入院をしました。経過は良好なので、今はステロイドを飲んで自宅療養をしています。基本的に、激しく動かなければ大丈夫です。

――2月にTwitterを通じてバンドの活動休止を宣言しましたが、その頃の心境は?

【人生ダメ子さん】今思えば、精神的なダメージがデカかったですね。「僕はこのまま音楽ができなくなるんだ」と思って。発覚してから3ヵ月くらいは、ホンマに何も考えられない状態でした。ライブをやっていないから表現することも忘れていくし、アーティストとしての人生ダメ子は死にかけていたんじゃないかと思います。

――ファンの皆さんは、どんな反応でしたか?

【人生ダメ子さん】正直、僕は自己肯定感が弱くて、自信がないタイプなんです。だから、僕が「活動休止します」と言っても、そこまで反応はないんじゃないかと思っていました。僕のことを好きな人って、そんなにいるのかなって。でも病気のことを発表したら、たくさんの人たちが心配してくれたり、僕以上にショックを受けている人もいたんです。その時、「僕は誰かにとって大きな存在になれているのかな」と、感じることができました。一昔前はSNSなんてなかったけど、今はたくさん人の生の反応を知ることができるから、すごく良かったと思います。

――そんな励ましもあり、だんだんと気持ちも変わってきた。

【人生ダメ子さん】はい。しばらく時間が経って、ようやく重い腰を上げることができました。「新しい形で音楽をやります」と皆さんにお伝えして、配信ライブの企画を考えるようになったんです。

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