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難病抱えても「人生は続く」、クローン病の芸人・お侍ちゃんが実践する“その後”の生き方
病名がわからず「死ぬかもしれない」、命にかかわるほどの炎症も
――最初はどのような症状だったんでしょうか?
「だいぶ前から予兆はあったんです。ふくらはぎがいきなり筋肉痛になったり、38度くらいの熱が2週間くらい続いたり。いま思うと、それもクローン病の予兆でした。症状が強くなったのは、舞台の稽古が始まった頃。発熱と腹痛に襲われて、最初はインフルエンザかノロウイルスかと思ったんです。病院では胃腸炎と診断されたんですが、薬を飲んでも良くならず、病名もわからないし、正直『死ぬかもしれない』と思いました」
――病名がわからないのは怖いですね。その後は?
「入院が決まり、回復が見られないため大学病院に移りました。その時点で、炎症の程度を調べるCRPの数値は18くらい。通常は0.3くらいで、『20を超えたら命にかかわる』と言われたので、重症に近い状態だったと思います。精密検査をして病名がわかったときは、やっと治療ができると、ほっとしましたね」
増加する免疫疾患、「ちょっとお腹が弱い」と侮り、重症化する人も
「1ヵ月絶食状態で、約15キロ減りました。クローン病は、とにかく食事制限がきついんですよ。自分で調べたら、『食べられる肉は、鶏肉の白い部分が2週間に1回。白身魚が1週間に1回』と書いてあって、『何を食べればいいんだよ!』って(笑)。入院中に栄養指導もありました」
――なるほど。
「クローン病は、ここ数年で1.5倍くらいに増えているそうです。症状の似ている潰瘍性大腸炎の患者さんも、22万人以上。このような免疫疾患は増えていると言います。僕は早期発見できたし症状も落ちついているのですが、病気がわかるまで時間がかかって重症化してしまう人も多いとか。中高生の頃から症状が出ていたのに、『ちょっとお腹が弱いんだよね』くらいで病院に行かなかった人が、社会人になってから発症する場合もある。とくに若い女性だと、言い出しづらいですよね。でも、長期にわたる下痢や腹痛などのお腹の悩みも増えているので、一人で抱え込まず、ぜひ病院に行ってほしいと思います」