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35周年「金曜ロードSHOW!」“テレビで観る映画”を守り続ける意味

 1985年10月の放送開始から今年で35周年となる日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』(放送開始時は『金曜ロードショー』)。洋邦問わず、過去作から最新作までがラインアップされ、「この番組で初めて映画作品に触れた」という人も多いだろう。そんな『金ロー』は、今や地上波ゴールデンで定期放送される唯一の映画番組。レンタルや映像パッケージ、そして配信と時代と共に映画に触れるメディアが多様化する中、さまざまな取り組みで新たな価値を見いだしている。他局の映画番組が次々と撤退していくなか、「テレビで観る映画」を守り続ける意味とは?プロデューサーの北條伸樹氏に話を聞いた。

観るつもりなかった映画作品との“偶然の出会い”

 アラフォー以上の世代とって『金曜ロードショー』と言えば、水野晴郎さんの名解説でも親しまれた映画番組。「私もその世代です(笑)」という北條氏が同番組のプロデューサーに就任した2017年は、各局が地上波での映画番組をなくした年だった。

「ちょうどテレビ朝日さんの『日曜洋画劇場』が終わり、『金曜ロードSHOW!』が最後の民放ゴールデンタイムの映画番組になった年でした。(映画番組の枠の減少は)やはり配信をはじめとするメディアの多様化が大きいでしょうね。テレビにおいても映画は録画やタイムシフト視聴されやすいコンテンツで、リアルタイム視聴の苦戦がさらに浮き彫りになった時期でした」
 テレビ番組の時間に合わせて生活するのではなく、観たいものを自分の都合のいい時に観る。メディアの多様化は、視聴者に利便性をもたらすと同時に、映画番組をテレビで観るというひとつの文化の灯を脅かす存在になった。だが、北條氏は「テレビで観る映画」にはもっと別の価値があるという。

「『配信』というのは基本的に自分から情報を取りに行くわけで、つまりコアな映画ファンだと思うんです。観たい作品を自分の意志で観る。劇場に映画を観に足を運ぶのと同じです。一方でテレビはもっとライトと言いますか、わざわざ観ようと思わなかった映画との偶然の出会いを提供できるのが『テレビで観る映画』の価値ではないかと考えているところです」

 映画館に気軽にアクセスできない層、特に子どもにとって、「テレビで観る映画」は貴重な機会。人生で初めて観た映画作品が『金曜ロードショー』だったという人や、これをきっかけに映画ファンになったという人など、「映画の原体験」として、『金曜ロードショー』が果たす役割は、昔も今も非常に大きい。

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