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(更新: ORICON NEWS

「世の中チョロいわー」不倫する妻のナメた態度に“サレ夫”が立ち上がる… 漫画作者語る「不倫の代償を疑似体験して」

「離婚して一緒に…」「家庭を壊す気はない」、不倫する男女の差

──読者の反響で男女差はありますか?

セモトさん男性は怯えながら読んでくださっているようですね。不倫をうまく隠し通す妻に「こんな女性がリアルにいたらコワい」みたいな。だけど、少なからず既婚者でありながら平気で女性を口説く「和正」の要素を持ってる男性もいるはずなんですけどね(苦笑)。

──読者コメントでは、不倫した妻へのバッシングが多いです。

セモトさんやはり、不倫妻を攻撃する声は多いです。ただ私としては、不倫ではありますが、作中の彼女は本気で上司の和正を愛してしまっている、という描き方をしてるんですよ。そのためにはいくらでも腹黒くなれると…。個人的には、妻子がいながらいろんな女性に手を出す和正が、この作品で一番の「悪」だと思っています。

──そこにも不倫に対するリアルな男女差が描かれているのですね。

セモトさん取材して感じたのは、女性は離婚してでも相手と一緒になりたいけど、男性は家庭を壊す気はないというケースが多いようですね。された側の男女差でいうと、結婚相手に不倫された場合、男性はとにかく落ち込むけれど、女性は一緒にいるのも気持ち悪いからさっさと離婚に向けて動き出すケースが多いとか。

──本作では、離婚に向けて自立する専業主婦・梢の奮闘も描かれます。

セモト先生そのせいか梢を応援する声は多いんですけど、不倫されてもなお、妻の藍子さんを心配する主人公の暢には、「女々しい、さっさと制裁を加えてほしい」という方が多くて。私としては、不倫のリアルな実態を描いているつもりなんですけど、世論は男の暢には厳しいなと思いますね。彼もいろんな葛藤を抱えながら、なんとか前向きに頑張っているんですけどね(笑)。

不倫を「美しく描く」ことはしない、とことんこだわった“リアル”

──本作で描かれているように、社内不倫が会社にリークされることはよくあるんでしょうか。

セモトさん会社に告発したというエピソードは、よく聞きますね。ただ、それはあまり効果がないようです。取材をしてみても、会社は基本的に民事不介入ですから。仕事をキチンとしていればプライべートには首を突っ込まないんですね。コメントでも「なんでクビにならないの?」「社会的に抹殺されろ」という声が多いんですが、残念ながらそれがリアルなようです。

──その一方で、莫大な慰謝料といった代償も伴います。

セモトさん慰謝料の相場や法的な面などについても、弁護士さんに相談しながら描いています。とくに不倫をしている女性には「この気持ち、止められないの」という方が多いようですが、まあそれぞれの事情もあるし、それはそれで人の気持ちなので仕方ないとしても、リアルな面で代償は重いということは伝えたいですね。

──不倫を描くにあたって留意しているポイントは?

セモトさん不倫された側の悲しみが本作のテーマなので、不倫している2人の行為や表情が美しく見えないように気をつけています。愛を貫く2人が美しく描かれている不倫ものは、わりと世の中に多いと思います。だけど、現実には慰謝料などの重い代償が待ってるわけですから。この作品では、そうした点をリアルに描こうと決めていました。

──とことんリアルにこだわりますね。

セモトさんはい。たまに「サレブル(本作)を読んで、怖くなって不倫をやめました」というご感想をいただいたりすると、「よっしゃ、社会貢献した」と思ったりしますね(笑)。この作品に関しては、された側の味方でありたいです。

──連載は大きな山場を迎えています。

セモトさんそれぞれが背負う苦しみをまだまだ掘り下げたいと考えています。「藍子への制裁が足りない」という読者さんも多いので、そこも楽しみにしていただきつつ…。担当編集さんとは、デビュー当時から「いつか私たちのマンガを実写ドラマ化したい」という夢を描いていて、本作も連載前から配役イメージをビシッと決めてスタートしました。ちなみに私は、千鳥のノブさんの大ファンで、主人公の名前もノブさんからいただいたんです。いつかノブさんが読んでくれて、「クセが強い漫画じゃ!」って突っ込んでくれたらうれしい、なんて密かに思ってます(笑)
(文/児玉澄子)
■インフォメーション
『サレタガワのブルー』
理想の妻・田川藍子と一見幸せそうな夫婦生活を送っていた主人公・田川暢に巻き起こる、不倫された側の不幸が描かれる。愛する妻の裏切りに悩み苦しむ暢と、平然と不倫を楽しむ藍子の歪な夫婦関係。「サレタ側 VS スル側」の視点が注目の作品。
(集英社が運営する漫画アプリ「マンガMee」で連載中)

斉藤壮馬、花澤香菜、鳥海浩輔、沼倉愛美ら、豪華声優陣を起用したPV動画も配信中
『サレタガワのブルー』(外部サイト)

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