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武田真治、引きこもりに引退決意も…紆余曲折経ての30年「40代は楽しいという所ジョージさんの言葉に助けられた」
事務所独立せず30年、良いことも悪いこともあったが確実にプラスだった
武田真治 夢というより、コロナが落ち着くことが何よりもの願いですね。誰にとってもそうですが、音楽活動をする上で「人が集まれない状況」ってのが、なによりも苦しいので。アルバムには、1曲歌入りの「Wonderland Tonight」という曲を収録しました。僕が共同作詞をしたんですが、「また楽しい時間を一緒に共有しようね、その日まで元気でいよう」というメッセージを図らずも込められたのはよかったなと思っています。
──コロナ禍は、どのように過ごしていましたか?
武田真治 何か発信できないかと思って、YouTubeチャンネルを立ち上げました。それで、周りから「絶対バズるから」と言われ、Fitz & The Tantrumsの「Hand Clap」を踊りながらサックスを吹くという動画をアップしたんです。
──ダイエット動画として世界中のいろんな方が「HandUp」を配信していますよね。
武田真治 でも結局、僕の動画はバズらなくて(笑)。“ダメかー”と思っていたら、Fitz & The Tantrumsから連絡が来たんですよ。「君のサックスを入れたバージョンで再リリースしたい」と。で、なんと海外リリースですよ!バラエティ番組では、よく「お前のサックスなんていらねえ」とか冗談で言われていましたが(笑)、地球の反対側で僕のサックスを必要としてくれる人がいたんです!嬉しかったなぁ。
──SNSなどで個人発信できる時代ということもあり、このところ芸能界では事務所からの独立が相次いでいます。30年、同じ事務所に所属している武田さんはこの現象をどのように見ていますか?
武田真治 こういう時代だから所属にこだわらなくても…というのは理解できます。僕もこの30年、事務所に所属して良いことも悪いこともあったと思います。でも先ほどお話した舞台やミュージカルも、ホリプロという舞台製作をしっかりやっている会社にいたからこそ出会えた分野だったし、先ほどお話しした『みんなで筋肉体操』も然りですよね。だから僕に関しては、この事務所にいることは確実にプラスだったと思っています。
──芸能界の激しい浮き沈みを経験したからこそ説得力がある言葉です。
武田真治 暗闇に陥ることは、芸能界に限らず誰にでもあることだと思うんです。そんな方には、僕が先が見えないときにずっと心の支えにしていた「一番暗いのは夜明け前」という言葉を贈りたいです。これはアメリカのR&Bシンガー、R・ケリーが『グラミー賞』を獲った頃に言っていた言葉です。最近は彼も問題があるようですが…。でも僕はこの言葉を信じて、自分の暗闇を夜明け前だと自分に言い聞かせ、なんなら、夜明けを少しでも早く迎えに行くように、来る日も来る日も、文字通り走っていたんですよ。ジョギング。単純でしょ(笑)。それが18年くらい続いたのかな。(笑)で、今があります!
──そんな日々も、現在の筋肉につながってるわけですね。
武田真治 はい。トータルで地球半周ちょっとくらいの距離は走ってますからね。最近は忙しくなってあまり走れなくなりましたが…。あのお、近頃あまり言う人がいなくなったからあえて言いますが、「努力は必ず報われますよ!」人生の闇になんて誰だって陥ります。そんな時、その暗闇の中で変に方向を変えようとしたら余計に迷うだけ。あと一歩先に、そのすぐ先にはきっと光があるから、そこにたどり着くまで歩みを止めないで!というのがオジさんになった僕が、若い方たちにお伝えしたいことですね。
(文/児玉澄子)