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矢作穂香、体を張った熱演に「半沢並みの顔芸…」と反響 ドラマ『おしゃ家ソムリエ』Pが語る、テレビの行き過ぎた忖度とは

実在する企業や商品を「イジる」勇気、テレビの行き過ぎた忖度とは?

──「おしゃれインテリア」でモテようとする男性を、次々と切っていく痛快さも本作の魅力です。

太田Pそこは丁寧に描くように気をつけています。おしゃ子は決してインテリア自体をけなしません。ディスっているのはターンテーブルそのものではなく、「ターンテーブルをモテの道具に利用するためだけに部屋に置いている男性」なんです。

──無印良品など実在の企業名や商品名も出して「切って」いく。地上波ドラマとしては非常に勇気のある作りだと思います。

太田Pたしかに、似たような企業名でお茶を濁すのが、近年のドラマのセオリーみたいになっていました。ただ、実際の名前を出さないことには本作の面白さが半減しますので、すべて「こういう内容で商品名を使いたい」と説明して許可をいただいています。

──企業側の反応は?

太田P気を悪くされる企業さんはほぼなかったです。なかでも、ある企業の広報の方には「名前を出すことを止める権利は、私たちにはないですから」と言われました。それはまさに正論で、このところ“テレビの忖度”が行きすぎていたのかもしれないな、とも感じました。

──全方位に忖度すれば、叩かれることもない代わりに、番組作りの自由度も失われる。そうした自己批評に向き合ったドラマだったんですね。

太田Pそんな大げさなことを言うつもりはないんですけど…(苦笑)。だけど、本作で言えば、怒られるのを覚悟で企業さんにきちんと説明にうかがうとか、そういう細かなところも頑張りましたね。

テレ東が「ワンテーマ」を得意とする理由

──テレ東ドラマのファンも増えていますが、ウケている理由をどう分析されますか?

太田P深夜ドラマに関して言えば、ワンテーマものが得意ですね。グルメとか銭湯とか。本作もインテリアのワンテーマものですが、こうした狭いテーマを深く突けば突くほど視聴者の方が喜んでくださってるのかな、というイメージがあります。

──ワンテーマものが多くなっていった背景は?

太田P単純に予算が少ないからですよ(笑)。それとおそらく他局さんは、テレ東に比べて視聴率の合格点のハードルが高いんじゃないかと思います。医療ものや刑事もののように間口が広いものが増えているのも、そこが理由なのかなと。

──ある程度の広い視聴層が取り込めるテーマですね。

太田Pテレ東の深夜ドラマに関しては、SNSで話題になったり、配信サイトでよく観られたりすれば合格、という視聴率以外の指標でも評価されることもあります。だからわりと攻めた内容やワンテーマを深く追求するドラマができる、というのが特徴ですかね。

──本作もエンドロールの「おしゃれ協力」クレジットが膨大な数ですね。

太田Pやはりおしゃ子がおしゃれじゃなかったら、罵倒にも説得力がないですから。ドラマのシーンのシチュエーションが少ないぶん、予算のかなりの部分を「おしゃれ」に投下してます。

──今後の見どころを教えてください。

太田P第7話までは1話完結。おしゃ子が勘違いおしゃれ男子のインテリアをバッサリ切っていきます。そして最終話では全話を通して語られてきた「なぜおしゃ子は25歳までに運命の人と出会わなければいけないのか」、そして「ボディーガード役の市原隼人さんの謎と、おしゃ子とのまさかの展開」が明かされます。感動の要素もありますが、最後はおしゃ子らしく爆笑で終わりますので楽しみにしていてください。
(文/児玉澄子)

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