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HIROが語る“リアルライブ”への想い 「当たり前のことができないという危機感に直面している」

 日本を代表するエンタテインメント企業・LDH。2020年は6年に一度の祭典『LDH PERFECT YEAR 2020』として、ライブや舞台、オーディションなど多くの企画が予定されていた。ところがこのコロナ禍でほとんどが中止に。一方、サイバーエージェントとの合弁会社『CyberLDH』を設立するなど、デジタル施策を進めている。岐路に立たされたエンタメの現状について、最前線を走り続けてきたEXILEのリーダーにして同社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるHIROが、真摯な想いを明かしてくれた。

「ライブを今、やるべきじゃない」厳しい判断が続く日々

──LDHは長らくアーティストもスタッフもリモートワークをされてたそうですね。

HIRO3〜6月までは全社的に自宅勤務でした。今でも引き続きリモートワークを推奨していますが、僕もこれまであんなに長く家にいたことはなかったですから、おかげで子どもとゆっくり過ごせましたね。あとは若い頃に観て感動した映画など、印象に残っている作品を見直したりもしました。今の自分の感覚で観ると当時とはまた違った視点で楽しむことができました。

──自宅時間を満喫されたんですね。たとえばどんな映画を?

HIROたくさん観ましたが、改めて『ゴッドファーザー』はいいなと。マフィア映画だけど、究極的にはファミリーの物語なんですよね。あとは韓国映画など、様々なジャンルをたくさん観ることによって、今後LDHで制作していく作品への創作意欲がさらに増していきました。

──結局は仕事に結びついてしまうんですね。

HIRO家でも1日中ほとんど仕事のことを考えていましたね。とくに3〜4月は、自分もLDHのメンバーも徹底的に“ウィズ・コロナ”の生活に向けて意識改革をした期間でした。これまで当たり前にやってきたことができなくなるという危機感に直面して、夢の描き方も考え直しましたね。

──2月の東京ドーム公演をいち早く中止にしたのは、今振り返ると非常に早い決断でした。

HIROあの頃は実際に何が起こっているかもわからなかったので、LDH独自に専門家の方々で構成した「LDH新型コロナウイルス感染症対策専門家チーム」を発足し、そこで専門家のみなさんに、たくさんの指摘を明確に言ってもらったことで、苦渋の決断ではありましたが、多くのプロジェクトを中止することへの覚悟が決まりましたね。

──リアルでのライブ興行は難しいということですね。

HIROエンタメ業界は良くも悪くも影響力が計り知れない。どうしてもイメージで語られるところが大きいですから、世の中全体が「今はやるべきじゃない」という雰囲気だったらやるべきじゃないんです。だけどライブが求められるときは必ず来る。そのときに一気に突っ走るために、丁寧に準備をしていこうと意識が切り替わった自粛期間でしたね。

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