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『逃げ恥』『愛の不時着』…コロナ禍でラブストーリーへの枯渇感 いつの時代も愛される普遍的な恋愛物語に高まるニーズ

恋愛ドラマを観たいのにテレビ界がそれを掘り起こしていない

 近年『大恋愛』などをヒットさせた脚本家の大石静氏は、「若い人が熱い恋をしない時代、ラブストーリーを観たい視聴者は多い。観たいという視聴者は多いのに、テレビ界がそれを掘り起こしていない気がします。ただ、恋愛ものは、書く人も撮る人も演じる人も照れるので、気恥ずかしくてやらない側面もある」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と社会派ドラマが全盛のなか、ラブストーリーへのニーズを説いていた。

 昨今は、テレビ局側の意識として、現代をリアルに映す社会派の人間ドラマなどが、視聴率を問わず意義のあるチャレンジとして捉えられるのに対して、ラブストーリーが安直な企画のように軽く見られる側面があることも否めない。

 『おっさんずラブ』を手がけたテレビ朝日の貴島彩理プロデューサーは、「おもしろい恋愛ドラマもたくさん作られていて、一時期、1話完結の刑事ものや医療ものが多く放送されていた頃もあった気がしますが、視聴ツールが増えたからなのか、次の展開をドキドキして待ち遠しくなる連続ドラマが、また増えてきている](2019年3月1日/ORICON NEWSより)と昨今のシーンについて語る。恋愛ドラマへの制作側の意識についても、一時期の社会派偏重から「空気が変わったようにも思う」とし、ラブストーリー最盛期の復興への期待を込めている。

 そうしたなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、4月期ドラマの放送が延期されるなか、その代打として過去の名作が“特別編”として再編集して放送され、『逃げ恥』や『初めて恋をした日に読む話』などが再び人気を得た。とくに『逃げ恥』は、3週連続で視聴率10%を超え、Twitterでは2週連続でトレンド世界一に浮上。視聴者を魅了するその恋物語は、時を経ても色褪せることなく、心に潤いと生きる糧のようなチカラを与えているようだ。

 前述の大石静氏は「そもそもドラマは、今を生きている私たちが現代劇を作るわけですから、時代性が反映されていないはずがない。本来ドラマの使命は、普遍的な人間の心の奥底を描くこと。人が人を愛する想いなどは普遍的な感情です」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と、名作恋愛ドラマがいつの時代でも人々の心に刺さる理由を語っている。

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