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『全裸監督』“ラグビー後藤”役からオファー続々 肉体派俳優・後藤剛範が歩んできた道とは

予想以上の反響 知らない人からもLINE

 Netflixが発表した、2019年にもっとも国内で見られた作品が『全裸監督』だった。主演の山田孝之も「今まで20年俳優をやってきて、知り合いからのメッセージがこれまでの作品の中で一番多かった」と語るほどの反響の大きさ。後藤もそれをひしひしと実感している。

「ここまでとは思っていなかったです。全然知らない人からLINEが来たり。あと、これ別に暗い話じゃないんですけど、いま自宅で介護してるんですよ。毎日在宅ケアの先生や助手の女の子が来るんですけど、ちょっと恥ずかしがりながら『全裸監督見ました』とか言ってくれて。自分が一番頼ってる人たちが喜んでくれるのはすごく嬉しくて、改めてこの作品の恩恵だなと思いますね」

 大きな影響力のある作品に出て、周囲の目は変わった。では、自身はどうだろうか。

「自分自身の目線はあんまり変わってないんですよ。たぶん、周りの見方が変わったのを目の当たりにしているからかな……。自分は今までと同じ行動をしていても『やっぱり態度変わっちゃうんだね』って必要以上に敏感に受け止められたり。でも、今後もそれは続いていくと思うんで気にしてないです。変えたと言ったら、趣味の筋トレの仕方を変えたぐらいじゃないですかね」

 と本人は笑う。学生時代から続けてきた「筋トレ」は、キャラ付けにも一役買っているが、メンタルも支えてくれた重要なルーティンの一つだ。

「見た目と違って中身が女々しいっていうか、ナヨっとしたころが結構あるんですよ。でも筋トレをしていると前向きでいられるし、ストレスが溜まっても解消できる。スポーツマンは精神が清まっているじゃないですけど、筋トレのおかげで全然売れていない時代も乗り越えられている気はしています」

舞台俳優にもっとスポットを

 『全裸監督』のキャスティングでは、後藤剛範の他にも、舞台、インディペンデント映画を中心に活動してきた俳優が多く起用されているのも特筆すべき点。「容姿」と「所属事務所」に偏りがちな国内作品の風潮に一石を投じている。

「俳優業って、大半の人が何年も売れてない時期を過ごして、なんなら辞めていくのが普通で。劇団には技術がある人がたくさんいるので、もっとスポットが当てるような仕組みができればなあっていうのは常に考えていますね。でも、それってずっと言われ続けていることじゃないですか。それでも変わらないのは『もっと作品に出て、演技経験を積んでいかないと』っていう目先の考えの人が多くて、仕組みを作るっていう大きなことに頭がまわらないのが理由としてあるんじゃないですかね」

 そうした仕組みを作ってみては…?と問いを投げかけると、含みをもたせながらもこう答えた。

「『全裸監督』がたまたま大きな作品だっただけで、まだまだ下積み段階だと思ってるし、自分自身一人前の俳優として思えてないないので一歩ずつ進んで考えたいと思います。山田(孝之)くんからは『やりたいことあるならすぐやれよ』って言われますけど(笑)」

(取材・文/東田俊介 撮影/山口真由子)

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