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(更新: ORICON NEWS

“渋谷ハロ”の対極“地味ハロウィン”、「ぼっちもOK」参加者の声

 ハロウィンを楽しむ人があふれた27日の東京・渋谷。一部の若者らが軽トラックを取り囲んで横転させるなど混乱を招いた。同日、同じく渋谷で開催されたにも関わらず、その対極ともいえる“地味ハロウィン”なるイベントが話題を呼んだ。“魔女やカボチャ”などのメジャーな仮装が禁止で、日常的な衣装にマニアックな設定で“地味”を競い合う。開催中にニコニコ生放送が放映されたこともあり、Twitterのトレンドランキングで「地味ハロウィン」が日本1位を獲得するなどネットを騒がせた。そこで、このイベントの主催者、ウェブサイト・デイリーポータルZの林雄司氏と参加者たちに話を聞いた。

“あるある”に共感しまくり、参加者がもたらすオチとフリ

 4回目を迎えた今年は、『地味な仮装限定ハロウィン2018』と題して東京・渋谷のイベントスペース・東京カルチャーカルチャーで10月27日に開催された。来場したのは『バスタ新宿で夜行バスに乗り込む大学生』『つまみとまちがえて犬のエサを買った外国人』『自分の番でシュレッダーのクズがいっぱいになった人』(原文ママ)など“地味すぎる”仮装に身を包んだ参加者たち。さらには『やよい軒のおかわりの場所がわからずウロウロする人』『ラーメン屋の本棚係』『デモに関係ないプラカードを掲げる人』などマニアックな設定が相次いだ。

『救護係』『行列はここまでの人』など、この場に“本当にいそうな”職種の仮装も続出し、随所で取材するマスコミも本物かどうか疑われる“カオス空間”が発生していた。

 そんな仮装には“あるある”と共感しつつも、日常の「そこを切り取るか!」と思わずツッコミたくなる人ばかり。一見しただけでは何の仮装か分からないが、彼らが壇上に上がって「こういう仮装です」と話して、ドッと笑いが漏れる姿は、順序は逆だが『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の名企画“細かすぎて伝わらないモノマネ選手権”を彷彿とさせた。「仮装がフリとなり、何の衣装かを宣言することで、オチがつく」という形式は、お笑い界の方程式“緊張の緩和”を踏襲しており、ことごとく爆笑を誘っていた。

常連も初参加の人も一体に 「“地味ハロ”で人生が豊かになった」

 過去にピエトロドレッシングをテーマに仮装してネットで話題となり、株式会社ピエトロから「感謝の気持ち」としてドレッシングをもらった男性も再び参加。今回は『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)の『ドーバー海峡横断部』という20年前のネタで参加。「『ピエトロさん!』と声かけていただくことが多くて嬉しいです。社内でも友人からも「ピエトロ」という呼び方をされるようになりました」と“ピエトロ呼び”が定着。今回のポイントは「今年はウッチャンナンチャンの番組の衣装を再現しています」と自信たっぷりと語っていた。

 また、夫婦で仮装した『水道工事のマグネットの人』。「家にあるもので、手間をかけない、雑なところを残すことがポイント。身近なものでちょっとずらした仮装を目指しています」とこだわりを告白。夫は3回目で「“地味ハロ”のおかげで人生が豊かになった気がしています」と感激。今年初参加となった妻も楽しそうだった。

 初参加では、『逃げた猫を探している飼い主』の女性は「初回からネットでイベントを見ていて、ついに来ました」と感激。だが「夫に同行を断られて一人の参加ですが、皆さん、話しかけてくださって楽しいです」と明るく交流して、一人でも楽しめるイベントだと強調した。

前回の約2.6倍の参加者に、主催者の野望は「さいたまスーパーアリーナ」

 19時から22時までの長丁場の中、途中で入場制限が発生するほどの盛況ぶりを見せ、最終的に前回の約2.6倍となる874人が来場した。過去最高の来場者を迎えた今回、主催者であるデイリーポータルZの林雄司氏は「こんなにたくさんの方が来て下さるとは思いませんでした」と驚きの声。「次回からはやり方を変えていくかもしれないです。来年は渋谷のBunkamura(オーチャードホール)か、さいたまスーパーアリーナでやりたいです」と夢のプランをブチ上げた。
同じくデイリーポータルZのべつやく れい氏は「例年入場に並ぶことはなかったので、ビルの一階まで並んだ盛況ぶりは“まさか”という感じです。『富士登山を舐めてる人』と『2番目のお客様』が私にはツボでした」と語った。
 
 時代を先駆けて面白いものをとらえる林氏に、巷のハロウィンに対する見方を聞くと「2018年のハロウィンは、家族イベントになってきています。渋谷の若者の(お祭り風な)感じがひと段落しているように感じました」(林氏)とのこと。

 また地味ハロウィンにハマると、日常的に何気ない街の人たちに注目するようになるという。「近所のコンビニの店員が頭にかぼちゃの被り物をして、仮装しているものの黙々と働いていて、“地味ハロウィン”ではないかと思いました。“やらされている”感が最高に面白いな、と」(林氏)地味ハロウィンにハマると普通に働いている人を見ても「これ仮装したら面白いんじゃないか」「あの制服売ってないかな」などとついついシチュエーションを考えるようになるという。
 
 10月31日のハロウィン本番を前に大いに盛り上がった「地味ハロウィン」。有名映画やゲームのキャラの仮装に飽き飽きした人々が“自分だけの個性”を発揮できる年に一度の祭りとして定着していきそうだ。

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