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映画『ひとよ』佐藤健×鈴木亮平×松岡茉優 相性バッチリだった三兄妹

映画『ひとよ』三兄妹を演じた(左から)鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優 (C)ORICON NewS inc.

 『凶悪』(2013年)を世に送り出して以降、毎年のように作品・監督・俳優賞を中心に国内賞レースを席巻し、俳優たちが最も出演を熱望する映画監督のひとり、白石和彌監督の最新作『ひとよ』が11月8日より公開中だ。

 15年前のある夜、三兄妹が両親と暮らすタクシー会社の営業所で事件が起こる。その、たった“ひとよ”の出来事によって、稲村家の三兄妹の人生は大きく狂ってしまう。それぞれ別々の人生を歩んできた三兄妹が、15年ぶりの“家族”との再会を果たす時、三者三様に生まれた葛藤と戸惑いを、現在と過去とを交錯させながら描く。

 メインの三兄妹、フリーライターの次男・雄二を佐藤健、電気店勤務の長男・大樹を鈴木亮平、スナック勤務の長女・園子を松岡茉優が演じ、白石組に初参加したのも話題。ORICON NEWSでは、作品の魅力に迫るべく、三兄妹を演じた3人にインタビューを実施。共演した感想や、白石作品の魅力について話を聞いた。
――3人で三兄妹を演じた感想は?

佐藤亮平さん、松岡さんのお二人に引き出してもらった、という印象ですね。僕が演じた雄二は受動的なキャラクターでもあるので、特に園子とのシーンでは松岡さんが芝居のテンションを作ってくれて、役者としても助けてもらったなぁ、という印象です。

松岡ちゃんと兄妹に見えるだろうか、男と女に見えてしまわないか、そこが課題でした。でも今回、どんなに近づいても、相手に触れていても、ちゃんと兄妹に見えると思えたんですね。そこはうまくいったかな、と思っています。

鈴木3人の相性がよかったと思います。無理して兄妹っぽくしよう、というのもなかったくらい自然とシーンが成立していく感じがあった。お芝居がお芝居に感じられないくらい、健くんは雄二だったし、松岡さんは園子だったな、という気がします。

――佐藤さんと鈴木さんは、兄弟役で共演するのはドラマ『天皇の料理番』(2015年、TBS)に続いて2作目ですね。

佐藤安心でしたね。亮平さんとだったら問題なく、兄弟の絆が表現として出せるな、というのがわかっていたので。

鈴木兄弟役云々の前に、僕は健くんのことを俳優として絶対的に信頼しているので、また共演できてうれしかったです。体のデカさというか、骨格の違いが前回同様不安だったんですけど(笑)。

佐藤まったく問題ない(笑)。
  • 鈴木亮平(C)ORICON NewS inc.

  • 佐藤健(C)ORICON NewS inc.

  • 松岡茉優(C)ORICON NewS inc.

――そして、三兄妹の母・こはるを演じるのは田中裕子さんです。なにものにも揺らぐことのない品があって、それでいて…

佐藤今回、クスッと笑える要素を一手に引き受けてくださいました。白石監督の作品だし、予告編で切り取られた田中さんのシーンを観て、シリアスな田中裕子さんを想像された方がほとんどだと思いますが、シリアスとコメディーのバランスが絶妙ですね。暗そう、重そうじゃなくて、実は、面白いんですよ、この映画。サバサバして、肝が据わっていて、いつも前向きに振る舞う“肝っ玉母さん”のイメージを体現されていている一方で、ものすごく繊細でシリアスなお芝居で締めるところは締める。どちらの田中裕子さんも堪能できる贅沢な作品です。

松岡お母さんとふたりで一つの布団で寝るシーンが印象に残っています。テストでは普通に横になったままハグする感じだったのですが、本番でギューッと抱きしめてくれたんです。とっさに匂いをかいでいました。自分が子どもの頃に母親にギューッとしてもらった時にも母の匂いをかいでいたな、と思い出して。映画を観てくださった方も、自分の母親の匂いを思い出すような、そういうシーンになっていたらうれしいです。田中さんがギューッって、抱きしめてくれた感覚は忘れられないですね。

鈴木園子だけ、いいよなぁ(笑)。僕にとっても、田中さんは大先輩として尊敬している俳優のお一人だったので、共演を楽しみにしていました。大河ドラマ『西郷どん』の関連番組で、西田敏行さんと対談させてもらった時に、共演した女優さんの中で印象に残っているのは「やっぱ田中裕子ちゃんだね」とおっしゃっていたのを思い出しました。顔合わせで初めてお会いした時は、“わぁぁ、田中さんだぁ”という感動がありました。現場では、15年ぶりに再会した母親とどう接したらいいかわからない、という状況設定もあったので、緊張感を保つようにしていました。園子みたいに、甘えたかったなぁ。
(C)2019「ひとよ」製作委員会

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