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認知症の“おばあちゃん犬”を介護する猫…種を超えた愛に「癒される」「感動した」と反響
認知症の「しの」を 全身で踏ん張りながら支え歩く、「くぅ」の深い愛情
―― 「くぅ」が「しの」の介護を始めたとき、どのように感じられましたか?
晴さん すごいな、本当に「しの」のことが大好きなんだなと感じました。
――彼らを見守っていて、とくに印象に残ったエピソードは?
晴さん 「しの」がもう自力でほとんど歩けなくなり、歩行時の介助に力が必要になった頃、サークル(介護用に作った囲い)に入ってくる「くぅ」には、「くぅの力じゃ難しいから、介助はもういいよ」と言っていました。でも、何度サークルから出しても戻ってきて「しの」のそばに立ち、全体重で寄りかかってくる「しの」を 全身で踏ん張りながら支えて歩いていました。その姿に「くぅ」の深い愛情を感じました。
「ついに来た」発症時に感じた気持ち、お世話は試行錯誤の連続
晴さん 「しの」は保護当時から老犬だったので、近い将来、介護や看護が必要になることは覚悟していました。なので、認知症に気づいたときは「ああ、ついに来たんだな」という気持ちでした。犬や老犬関係の本をたくさん読み、どう対応したらよいか、知恵や工夫を日々勉強しました。食事やトイレ、散歩などの日常生活の変化にとまどいましたが、どうすれば「しの」が快適なのかを常に考え、試行錯誤を繰り返しながらお世話をしました。
――「くぅ」と共に「しの」の介護をしたことで、感じたことは?
晴さん 介護はとても大変ですが、介護される立場になった動物たちも、人と同じで不安や恐怖を感じていることに気づきました。撫でて触れて、声をかけて愛情を伝えること。できる時はそばに寄り添うことがとても大切だと「くぅ」に教えてもらいました。
――「 しの」は昨年春に永眠しましたが、現在の「くぅ」の様子は?
晴さん 時々、「しの」の温もりが恋しそうな時がありますが、同居ネコたちに甘えながら毎日を穏やかに過ごしています。
――犬と猫がここまで仲良くなることに驚きました。
晴さん 実家にいた頃は猫と鳥も仲良く暮らしていましたし、犬を飼ったのは「しの」が初めてだったので、普通のことだと思っていました。