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認知症の“おばあちゃん犬”を介護する猫…種を超えた愛に「癒される」「感動した」と反響

 犬や猫を飼う人が多い昨今、避けては通れないのがペットの高齢化。そんななか、認知症のおばあちゃん犬「しの」と、それを支え介護する猫「くぅ」の物語が、話題を呼んでいる。彼らの様子を綴ったインスタグラムは7万7千人がフォローし、フォトブック『くぅとしの 認知症の犬しのと介護猫くぅ』(辰巳出版)として書籍化。種を超えた愛情に癒されつつ、ペットの高齢化にどう対応すべきか? 飼い主であり著者である晴(はる)さんに話を聞いた。

認知症の「しの」を 全身で踏ん張りながら支え歩く、「くぅ」の深い愛情

 犬の「しの」は、晴さんが2011年に保護した推定10歳超えのおばあちゃん犬。晴さんによると、「穏やかな性格のクールビューティ」な犬だ。「くぅ」も保護猫で、推定8歳の男の子。「元々は天真爛漫で明るく優しい性格。我が家のムードメーカー」だったそう。晴さんの自宅で別々に飼われていた「くぅ」と「しの」は2013年夏に出会い、「くぅ」の熱烈なアタックにより、猫嫌いだった「しの」が根負け。仲良し生活が始まった。ところが、そんな穏やかな暮らしの中で、「しの」が認知症を発症。歩行や食事にも支障が出る「しの」を晴さんが介護していると、いつしか「くぅ」も「しの」を支えるように。てんかんの発作後にぐるぐる歩き回る「しの」に付き添ったり、下向きになる顔を背中で支えたり。「しの」を寝かしつけるのも、いつしか「くぅ」の仕事になった。

―― 「くぅ」が「しの」の介護を始めたとき、どのように感じられましたか?

晴さん すごいな、本当に「しの」のことが大好きなんだなと感じました。

――彼らを見守っていて、とくに印象に残ったエピソードは?

晴さん 「しの」がもう自力でほとんど歩けなくなり、歩行時の介助に力が必要になった頃、サークル(介護用に作った囲い)に入ってくる「くぅ」には、「くぅの力じゃ難しいから、介助はもういいよ」と言っていました。でも、何度サークルから出しても戻ってきて「しの」のそばに立ち、全体重で寄りかかってくる「しの」を 全身で踏ん張りながら支えて歩いていました。その姿に「くぅ」の深い愛情を感じました。

「しの」のアゴを頭でささえる「くぅ」

「しの」のアゴを頭でささえる「くぅ」

「ついに来た」発症時に感じた気持ち、お世話は試行錯誤の連続

  • 認知症を発症し、座ると斜めになってしまう「しの」

    認知症を発症し、座ると斜めになってしまう「しの」

  • 「しの」を寝かしつける「くぅ」

    「しの」を寝かしつける「くぅ」

――ペットの認知症について語られる機会は、あまり多くないように思います。晴さんが「しの」の認知症に気づいたときのお気持ち、どう向き合い、お世話をしていったかを教えてください。

晴さん 「しの」は保護当時から老犬だったので、近い将来、介護や看護が必要になることは覚悟していました。なので、認知症に気づいたときは「ああ、ついに来たんだな」という気持ちでした。犬や老犬関係の本をたくさん読み、どう対応したらよいか、知恵や工夫を日々勉強しました。食事やトイレ、散歩などの日常生活の変化にとまどいましたが、どうすれば「しの」が快適なのかを常に考え、試行錯誤を繰り返しながらお世話をしました。

――「くぅ」と共に「しの」の介護をしたことで、感じたことは?

晴さん 介護はとても大変ですが、介護される立場になった動物たちも、人と同じで不安や恐怖を感じていることに気づきました。撫でて触れて、声をかけて愛情を伝えること。できる時はそばに寄り添うことがとても大切だと「くぅ」に教えてもらいました。

――「 しの」は昨年春に永眠しましたが、現在の「くぅ」の様子は?

晴さん 時々、「しの」の温もりが恋しそうな時がありますが、同居ネコたちに甘えながら毎日を穏やかに過ごしています。

――犬と猫がここまで仲良くなることに驚きました。

晴さん 実家にいた頃は猫と鳥も仲良く暮らしていましたし、犬を飼ったのは「しの」が初めてだったので、普通のことだと思っていました。

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