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周囲から「ヤバい奴」のレッテルも 偏見乗り越え人気“女装男子レイヤー”に

 漫画やアニメ、ゲーム、ライトノベルなどと並び、いまや日本を代表するポップカルチャーの一角として、海外からも注目されているコスプレ。ほぼ毎週末、全国各地でさまざまなイベントも開催されるなど、その人気は過熱の一途をたどっている。そんな中、男性が女性キャラクターに扮する、いわゆる“女装男子コスプレイヤー”を見かける機会もここ数年で急増。一見すると女性にしか見えない美麗な女装レイヤーたちが、SNS上でも注目され始めている。そんな中、抜群のプロポーションと端正なルックスが話題となった人気“女装男子コスプレイヤー”の麗癒(れい)さんに、女装コスプレへの想いや、こだわりを語ってもらった。

“女装男子コスプレイヤー”の麗癒(れい)さん

胸とお尻に重さ10キロのシリコン 女性らしいフォルムを再現

――麗癒さんといえば、そのルックスに加え、スタイルの良さでも多くのファンから支持されていますが、、コスプレしているときに気を付けていることはありますか?
麗癒注目されるようになったのは、胸元を強調するようになってからなんですけど、じつは女装コスプレをするときは、全身にシリコンを入れているんです。胸まわりには4キロ、お尻まわりには6キロくらい入れるので、コスプレイベントに参加するときは、つねに10キロの重りをつけている感覚ですね。1個だけだと、理想とする女性の体型にならないので、3個、4個と付け足していくうちに、どんどん重くなっていって。

――そこまでシリコンを活用するレイヤーさんって、なかなかいないですよね?
麗癒そうですね。女装レイヤーの場合、胸元だけシリコンで盛る人は多いんですけど、そうなると下半身が貧相に見えて、逆三角形の体型になってしまうんですよ。胸を盛るからには、お尻も盛って全身を女性的なフォルムにしないと…というのが持論です。イベントでお会いしたら、全身にシリコンを入れているので、たぶん今よりひとまわり大きく見えると思います(笑)。

――麗癒さんが体のラインにこだわる理由とは?
麗癒男女を問わず、体のラインがバッチリ見えてしまうコスプレって難度が高いんですよ。とくにイベントでは、どの角度から見られるかわからないので、どのレイヤーさんも敬遠しがちなんですけど、だからこそやってみたい…という衝動に駆られて。誰もやっていないからこそ挑戦する価値があると思い、いろいろと試しているんです。

批判を恐れず投稿 否定的な意見も受け止めステップアップ

――そもそもの話になりますが、女装コスプレに取り組むようになったのは、いつ頃からですか?
麗癒高校の文化祭で、女装コンテストがあったんです。もともとアニメが好きで、コスプレの勉強もしていたので、これは出るしかないと思い申し込んだのですが、「お前は背が高いから女装をしても似合わないよ」と断られ、参加できなくて…。それが悔しくて、鬱憤を晴らすというわけではないのですが、女装姿でニコニコ生放送をやってみたところ、これがものすごく好評で。そこから、少しずつのめり込んでいった感じです。

――そのころから、きれいになりたい、有名になりたい…という思いはありましたか?
麗癒そういった考えは、当時も今もないですね。あくまでもエンターテイナーでいたいといいますか。もちろん元々興味はありましたが、女装に行きついたのも、「この格好なら、見てくれた人をより驚かせることができるはず」という狙いがあったからなので。

――麗癒さんほど大々的に活動されている女装レイヤーさんは、なかなかいないですよね?
麗癒活動の規模は関係なく、今まで誰もやっていないことに挑戦するのが好きなんですよ。女装をきれいに見せることは、すでに大勢のレイヤーがやっていますが、その格好で男の声のまましゃべったり、生放送をする人はいなかったので、そこが新しかったんだと思います。僕のことを女性だと思って見ていたら、最後に男だとわかってびっくりした…みたいな。そういった配信を、これからもどんどん実施したいですね。

――コスプレのクオリティを高めるために、こだわられていることはありますか?
麗癒コスプレイヤーって、自分の中で完璧だと思えるものしか世に出さない人が多いんですけど、僕はそのあたりは気にせず、新しいメイクやコスプレに挑戦したときは、すぐに発信するようにしています。そうすると、いい反応だけでなく、メイクに対するダメ出しなども届くのですが、それらの意見も参考にすることで、結果的にクオリティのアップにも繋がるんですよ。

“女装男子レイヤー”も、かなり開かれた環境に「始めたころは偏見が強かった」

――ちょっと聞きづらいのですが、麗癒さんの恋愛対象は男性ですか? 女性ですか?
麗癒僕はあくまでも、みなさんに興味を持って頂ける配信や投稿をするために女装をしているので、恋愛対象は女性です。女装レイヤーの友だちは何人もいますが、そのあたりはお互いに、あまり聞かないようにしています。

――レイヤーさん同士でも、触れてはいけない領域なんですね。
麗癒確かに触れにくいところですが、それでも一昔前と比べれば、かなりオープンになってきています。僕がコスプレを始めたころは、もっと偏見が強かったですからね。そんななかで女装コスプレをして、さらに配信までやっていたので、まわりからは相当ヤバい奴だと思われていたんじゃないでしょうか。そのころと比べれば、昨今はだいぶ、女装も市民権を得てきたと思います。

――女装、男装を問わず、これまでにやってきたコスプレの中で、特に印象に残っているものは?
麗癒僕自身も、体のラインを強調するコスプレが好きなので、『メトロイド』のサムスや、『GANTZ』のレイカがお気に入りです。その中でも、初めて体のラインを意識して衣装を作ったのは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の式波・アスカ・ラングレーだったので、アスカのコスプレには特に思い入れがありますね。

――それでは最後に、麗癒さんの今後の展望を教えてください。
麗癒展望というと、ちょっと違うかもしれないのですが、2020年の冬コミを最後に、コスプレを引退するつもりでいます。来年で25歳になるんですけど、活動に疲れたとか、楽しくなくなった…というわけではなく、あえて、いちばん楽しいタイミングで一区切りつけることで、また新しく、やりたいことを見つけられるんじゃないかと思っていて。年を重ねて活動力が落ちていって、だんだん見られなくなって引退する…というも寂しいじゃないですか。それならばゴールを決めて、そこに向かって全力で突っ走ったほうが、僕自身ももっと思いきったことができるので、コスプレ活動は2020年までということにしています。

――完全にコスプレから離れてしまうのですか?
麗癒自身ではコスプレはしませんが、イベントには変わらず参加するつもりでいます。女装レイヤー界隈が今後どうなっていくのかも気になるので、裏方としてサポートできることがあれば、そちらはいくらでも協力させていただきます。ここ数年で、女装レイヤーの人数が増えてきただけでなく、ひとりひとりのクオリティも上がってきているので、そうした環境を守っていく活動には、変わらず参加したいと思っています。

取材・文=ソムタム田井

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