ネット時代だからこそ、その日その瞬間しか味わえない臨場感・一体感楽しんでほしい

　昨今は警備費高騰などの理由により、全国の花火大会の中止が相次いでいる。「隅田川花火大会は慰霊と悪病退散を祈り始まりましたが、いまも変わらず老若男女が“嫌なことを忘れられる”行事として、欠かせない大会」だと小高氏。

　「この伝統ある大会を見に行けない人にも見せてあげたい、という思いから、人の目線を意識して撮影を行ったり、固定ではなく動きを付けにくい場面でも少しでも動きをつけたりという工夫を現場も重ねています」（小高氏）

　しかし昨今はいつでもどこでも動画で花火が見られる時代。“花火大会をテレビで見る”ということも、単なる選択肢の一つに過ぎなくなっている。

　「とはいえ、その日その瞬間に同じ体験を共有できるのはその瞬間だけ。行っている人も行けない人も、“テレビ中継”という存在によって同じ花火を同じ瞬間で楽しめるということに意味を感じています。好きな物だけを好きな時に見られる個のネット時代だからこそ、生で“いま起こっていること”について、起こり得るハプニングにはらはらしながらも感じられる臨場感・一体感。テレビ中継にはまだまだ意義があります」（小高氏）

　外国ではイベントのオープニングや何かのおまけとして花火が打ち上げられることが多い。花火をメインにエンターテインメントが繰り広げられる花火大会は日本ならでは。様々な色が組み合わされ、どこから見ても丸く見える日本の花火技術は世界に誇れるという。

　「うちは“テレビ東京”ですから、“東京”の伝統的なものをサポートして一緒に成長していきたい。東京の文化を我々に出来る範囲で守っていけたら…と考えています。花火が上がっている約2時間。その時間だけは嫌なことを忘れて、ぜひお楽しみください」（小高氏）

【番組概要】
番組名　：「独占生中継！第42回隅田川花火大会」
放送日時：2019年7月27日（土）夜6時30分〜夜8時54分
※荒天時、番組変更の可能性あり
放送局　：テレビ東京

（文・衣輪晋一）