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「自分の人生を変えたい」“総勢39名のガールズバンド”ザ・コインロッカーズ 選抜メンバーが語る初期衝動

 秋元康プロデュースによって結成されたガールズバンド、ザ・コインロッカーズ。演奏レベルもバラバラな総勢39人のメンバーの中から、曲に合わせてバンドが組まれるという、これまで類を見ない手法が取られている。現在、ザ・コインロッカーズは2019年12月23日のZepp Tokyoを満員にすることを目標に、約150公演ものライヴハウス・ツアー中。先日19日に発売されたデビューシングル『憂鬱な空が好きなんだ』が、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)に起用されるなど、話題に事欠かない中、表題曲の選抜メンバー9名にインタビューを実施。応募したきっかけや、今後の抱負などを聞いた。

引きこもり少女に転機「自分の人生が変えられるなら応募しよう」

  • インタビューに答える絹本夏海(左)と松本璃奈(右)

    インタビューに答える絹本夏海(左)と松本璃奈(右)

  • Emily

    Emily

――プロジェクトが発足したのは2018年12月。そこから半年の間で『GirlsAward』幕張メッセでの初ステージ、下北ライブハウスデビュー、TVドラマの主題歌決定と激動でしたね。

【松本璃奈(Vo.)】道のりは長かったですが、色んなことがあったなあと。4月から放送されているコインロッカーズの番組(TOKYO MX『ロッカーに何、入れる?』)があるんですけど、そこで流れていた“担当パートの適性検査”とかすごい昔に感じます。

――そもそも皆さんがこのバンドに入ったきっかけを教えていただけますか。

【松本璃奈】私は親が教えてくれました。「こういうのあるよ」って。高校では軽音楽部に入っていたから、学生生活の最後のチャレンジとして受けてみようと。

【絹本夏海(Gt.)】原宿に出ていた広告で知りましたね。私の場合は、高校で部活に入っていなくて、家に帰ってゲームばかり。引きこもりのような生活を送っていました。そのまま高校も卒業して、自分は「これ!」という趣味が無いし、胸を張って頑張ってきたと言えることが無い焦りから、「自分の人生を変えられるなら応募しよう」と、自ら応募しました。

――ご両親にはいつ話したんですか。

【絹本夏海】3次審査の段階ですね。家を出るときに玄関で「今日は秋元さんが審査に来るんだけど……」って。

――家での姿を見ていたら驚きますね(笑)。Emilyさんは?

【Emily(A.Gt.&Cho.)】私はイタリアで育ったんですが、日本とは違って、学校に通う期間が短いから早めに仕事を選ばなければいけないんです。それまで音楽は趣味でやってたけど、仕事では違う職種を選んでいて。その後、たまたま日本に来ることになったんですが、母親がこのオーディションを見つけてくれて。そこで「趣味から仕事に変えていこうかなあ」と。色々な経験をしてみたいと思ったのもきっかけですね。

【有働優菜(Key.)】もともとクラシックピアノを10年以上やっていて、音楽の経験はありました。ピアノだけだと、一人で舞台に立って発表会をして終わりになるんですが、高校の軽音楽部で、“バンドで一つの曲を完成させる”楽しさを知ったんです。ちょうどそのタイミングで、オーディションを知って、「もっとバンドを極めたいな」と。

【HANNA(Gt.)】私も仲間とバンドを組んでいて、ギターを担当していたんですが、通っていたギター教室の先生が教えてくれました。「こういうのあるよ」って。それに、応募開始日が私の誕生日と一緒だったのもある種運命かなと思って応募しました。

【手塚愛乃(Gt.&Cho.)】私も同じく高校のときはバンドでギターボーカルを担当していました。通っていた高校が進学校で、早い時期に部活が引退になるんですが、大学に行きたい気持ちがあんまりなくて、音楽の道に進みたいってずっと考えていました。「最悪フリーターでもいいな」という思いで、路上弾き語りライブをやったり、音楽オーディションに出たりしている中でこの応募に出会いました。決まったとき、それまでのバンドメンバーはすごい喜んでくれましたね。

「経験者でも難しい」デビューシングルから四苦八苦

――鏡味さんもプロフィールには「ベース歴1年」と書いてありますね。バンド経験もあったんですか?

【鏡味のぞみ(Ba.)】実は、“はじめて触った時から1年”っていう意味で、空白期間のほうが長いんです(笑)。ずっと軽音楽部に入りたいと思っていたけど、そもそも前に出るタイプじゃないので結局入らず……それまで熱中したと言えることがなかったから、「自分が変わればいいな」って思って応募しました。

【森ふた葉(Dr.)】子どもの頃から和太鼓やパーカッション、そしてドラムに触れていたんですが、高校では新しいことをしようとダンス部に入って、しばらく離れていたんです。地元は兵庫県なんですが、周りにはドラムスクールもないし、家だとうるさいから練習しにくくて。そんな中、両親がコインロッカーズの応募を見つけてくれて、自信はなかったけど「未経験でもOK」と書いてあるから、思い切って応募しようと。
上京することに関しては複雑な気持ちではあったんですが、親とか友だちがみんな応援してくれているので嬉しいです。

――最後は田村さん。『ロッカーに何、入れる?』を見たんですが、個人面談では「何もかも自信がない」と心境を明かしていましたね。

【田村愛美鈴(Key.)】はい(苦笑)。面談のあとにキーボードをやることになったんですが、触ったこともないし、、コード自体も知りませんでした。これまで自分の元気がないときに、常に勇気づけてくれたのが「音楽」だったので、私も誰かを勇気づけることができればなあと。いま、先生に教えてもらいながら、ちょっとずつですが、前に進んでいます。

――本当に楽器初心者の方もいるわけですが、デビューシングルでは相当苦戦したのでは?

【絹本夏海】最初は専門用語もわからないし、コードなんて知らないし……でももう今ではギターを触らない日はないですね。

【有働優菜】経験者でも悩むことが多かったですね。それまで音符の並んだ楽譜を見てピアノを弾くということをやっていたので、今回もそういう楽譜がいただけると思っていたんです。でも来たのは、コード譜と音源と演奏の手元を映した動画だったのでスゴい焦りました。楽しみよりは不安のほうが大きくて、キーボードの先生と、一生懸命曲に合うフレーズを考えています。

【HANNA】正直、最初なのでもっと簡単なんじゃないかなと思っていたんですが、テンポも裏拍で入ったり、難しい技法が出てきたりして混乱しましたね。それにこのバンドはギターの数が4本と多くて、「音圧がある」という意味では長所なんですけど、ソロが聴こえにくくなるといった課題があるんです。早くライブで慣れていかないと。

コインロッカーズのためだけに来てくれる人で会場を埋め尽くしたい

――バンドをしていくとなると「結束力」も必要となりますが、9名集まったときはどんな雰囲気になるんですか。

【松本璃奈】めっちゃ話しますよ。最初はそこまで仲良いメンバーっていうわけではなかったんですけど、いまでは会うと家族並みに落ち着くきます。

【手塚愛乃】この9人が集まると、“この9人のグループ”ができるんです。少数で別れて仲良くするとかがない。変な気を使わないでいいから、疲れているときはシーンとしてます(笑)。

【松本璃奈】最年少のEmilyと、最年長の絹ちゃん(絹本)なんてしょっちゅう電話しているんですよ。

【絹本夏海】私のこと大好きなんですよ。(Emilyに向かって)同い年ぐらいに思ってるでしょ。

【Emily】思ってない。年下に思ってる。

【絹本夏海】はぁ(笑)?

【一同】(笑)

――今後、Zepp Tokyoワンマンという明確な目標がありますが、今後の抱負を教えてください。

【松本璃奈】私、はじめて行った大きなライブがZepp TokyoでのKEYTALKさんだったんです。もう下北沢のライブハウスでは演奏していますが、自分たちがそこに立つと考えると、もっともっと成長しないと。

【田村愛美鈴】コインロッカーズのためだけに来てくれる人で会場を埋め尽くしたいですね。「自信がない」ってずっと言っていたから、ここまでできるようになったんだと思って欲しいし、今後のグループの成長も見届けて欲しいと思います。

(写真/山口真由子)

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