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キンコン西野、バッシングが方向づけた現在「“2ちゃんねる化”したTwitterはもうやらない」

西野亮廣 キンコン西野 キングコング

 芸人としてだけでなく、絵本作家や国内最大のオンラインサロン主宰、ビジネス書作家など、多分野で活躍するお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣。そんな彼の最新著書『新・魔法のコンパス』が好調、大きな話題を呼んでいる。かつては、Twitterでもたびたび炎上していた西野だが、最近では世間の評価も変わりつつあり、叩かれることも少なくなってきた。西野にとって炎上、バッシングとは何か? そして、彼の考える「誰よりも芸人でいたい」という姿勢とは?

7年前のバッシングが、オンラインサロンを作るきっかけに

――『新・魔法のコンパス』は、3年前に発表した『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』の文庫版にもかかわらず、時代に合わせて内容を一新した作品。本作では、SNSをうまく活用すること、SNSのような“横槍”が入らないオンラインサロンの利点などにも触れています。とはいえ、西野さんといえばSNSでの炎上が話題になったことも多く、そういったバッシングが現在の西野さんを作ったようにも思いますが。

西野亮廣それはあると思います。例えば、僕が7年前にクラウドファンディングをしたときに、むちゃくちゃバッシングされたんですよ。宗教じみているとか、搾取じゃないか? とか。『新・魔法のコンパス』にも書いたんですが、「知らないもの」と「嫌い」という人間の感情は、非常に近くて、人は得体の知れないものを嫌ってしまう。いくら「こういうものだよ」と説明しても、嫌っているうちは聞く耳を持たないじゃないですか。

 ここ1、2年でクラウドファンディングは世に浸透してきたと思うんですけど、僕が説明したからではなくて、単にその時代が来たからだと思っています。とすると、僕が必死になって説明していた苦労と時間は、一体何だったんだろうっていう(笑)。そういう説明が面倒くさくなって、わかる人同士で活発に議論ができるオンラインサロンという鎖国空間を作った、っていうのはちょっとありますね。

――炎上やバッシングされたことによる悔しさがバネになることは?

西野亮廣悔しさは一切ありませんが、寂しさはあります。たとえば、僕の同業者である芸人やタレントも、当時クラウドファンディングをバッシングしていました。みんなスポンサーからのお金が番組の制作費になり、番組の制作費から芸人のギャラが支払われる…というお金の流れが染み付いているものですから、オンラインでお客さんからダイレクトでお金をもらう文化がなかったんですね。だからすごいアレルギー反応を示す。

 でも、いざクラウドファンディングが選択肢の一つとして当たり前の時代になった時、それまでクラウドファンディングを否定していた人は、否定した手前、その波に乗れないじゃないですか。クラウドファンディングをやればなんとかなった人が引退していく姿や実現しなかった企画もたくさん見てきました。その人たちが僕は大好きだから、従来の考えに囚われて消えていく姿を「寂しい」と思いながら見ていましたね。

――否定しすぎたせいで、自分の首を締めてしまったわけですね。

西野亮廣「知らないものを叩く」というのは自殺行為ですね。

「革命家」から「宗教家」へ? 服の色でメディアの扱い方が変わる

――ここ最近は時代が西野さんに追いついてきたせいか、炎上自体が少なくなりました。

西野亮廣炎上が少なくなったのは、自分が一番面白いと思うことを、世間に対して発信していないからだと思います。今一番面白いと思っていることは、オンラインサロンでやっているんです。世間一般に知られるのは、1、2年後くらいだと思うんですけど、今オンラインサロンで書いていることをそのまま世に出しちゃうと、たぶん炎上すると思います(笑)。

――最近では、近畿大学の卒業式に登壇した際のスピーチ(学生たちの拍手が少なく再度登場をやり直し、人生の報われるまでの時間を時計の短針と長針に例えたYoutube総再生回数360万回以上のメッセージ)が炎上していました。

西野亮廣ああ、確かに。実はまだ炎上してますね(笑)。

――著書でも「自分自身がニュースになれ」と書いていましたが、近大の件も戦略的に?

西野亮廣いや違います、あれは勝手に炎上してました(笑)。以前、辛子色のワークジャケットを着ていたせいか、メディアからは「革命家」のように扱われていたんですが、この日は、たまたまラオスから帰国したばかりで、Tシャツ短パンにサンダルしかなくて。さすがにそれで行くことはマネージャーに止められまして、黒い服を買って登壇しました。すると今度は、「宗教家」と揶揄されるようになって、炎上しました(笑)。これはとても勉強になりました。服の色でキャラが変わるんです(笑)。

――これまでの炎上も、戦略ではなかったと。

西野亮廣戦略ではなく、天然ですね(笑)。もちろん何をしたら炎上するかはわかりますけど、「炎上するから」という理由でブレーキは踏みません。クラウドファンディングの炎上は「こういう選択肢があるよ」って話だし、人類にとってプラスでしかないから、それは炎上してもいいかなと思っていました。「おでんツンツン男」のような悪い炎上でなければ、アンチに叩かれたからといって応援してくれる人が減るわけでもありません。新しい文化は大多数に否定されるものからしか生まれないので、大多数に否定されることを避けるわけにはいきません。

現在の炎上芸人・ウーマン村本には興味なし、「今のTwitterは“2ちゃんねる化”した」

西野亮廣 キンコン西野 キングコング

――現在では、西野さんの同期でもあるウーマンラッシュアワー・村本大輔さんが炎上芸人と言われていますが、村本さんについてはどう思いますか?

西野亮廣興味がないです。

――え?(笑)。

西野亮廣いや、村本くんのことは大好きなんですよ(笑)。同期として本当に大好きなんですけど、村本くんがどういう発言をして、どんな炎上しているかを知らないです。どんなこと言ってるんですか?

――沖縄の基地問題などについてですね。

西野亮廣ああ、そういうことか。彼のように自分の意見を言うのは素晴らしいことだと思います。ただ、論破を目的とした議論ほど不毛なものはなくて、今のTwitterは「2ちゃんねる化」(現在は「5ちゃんねる」)して、論破を目的とした暇人がガマン汁をたらしながらウハウハ集まっている便所なので、表現される方は、そろそろTwitterとの付き合い方を考えた方がいいのかもしれません。Twitter村は「正義」「正解」「正論」の理屈で回っているので、間違った人が許されない。でも、表現者の魅力って「間違っていること」じゃないですか。「間違ってるけど、アイツだから、しょうがねぇな」というところに表現者の妙があって、そしてその姿が日常生活で追い込まれている人の駆け込み寺になる。

 「正義」にはブレーキが搭載されていないので、正義しか認めない世界の未来は戦争しか待ってないっすよ。「議論が無駄」と言っているわけではなくて、「正論しか認めない空間で議論することが無駄」で、反論自体が無意味なんです。人は論破されても、納得はしませんから。テロリストがいなくならない理由と同じです。

――不毛だと。

西野亮廣僕はもうやらないです。オンラインサロンだと論破を目的としない反対意見があるし、理路整然としている。そっちの方が勉強になって、面白いですね。

今、オンラインサロンでやっているのは「バーチャル西野」

――そうやって時代の先端を走ってきた西野さんですが、時代が追いついてきたことへの焦りは?

西野亮廣別に、ぶっちぎってやろうってことは全然なくて、本当なら一緒に進みたいです。なので「オンラインサロンで発表した2〜3年後に世間に発表する」ということをやっています。ちなみに今、オンラインサロンでやっているのは、「バーチャル西野」なんですけど…。

――(笑)すごいパワーワードですね。

西野亮廣ピッコロ大魔王とかフリーザとか、やたら「不老不死」になりたがっていたじゃないですか。あれ、今だと実現可能だなぁと思って、バーチャルヒューマンをやっているんですが、この詳細を表で言ってしまうと、どうせまた「なにそれ怪しい」「人道的に問題」と言われて面倒くさいので、4、5年後に発表します。

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