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中村優一、休業そして芸能界復帰から5年「満たされすぎず、いつも崖っぷちの気持ちで」

芸能界を離れ「みんなから自分の記憶が消えていく淋しさがあった」

――改めて、『仮面ライダー』は中村さんにとってどんな意味を持つ作品ですか?
中村優一 まだお仕事を始めて間もない頃に出演させていただいた『響鬼』では、ゼロからいろんなことを学ばせてもらいました。『電王』のゼロノスでは多くの方に認知して頂くこともでき、両作品を通して現場で学んだことは今でも自分の中に生きていると思います。それに、1度休業した後に復帰できたのも、仮面ライダーに支えられた部分が大きいんです。

――俳優としての復帰作も、映画『スーパーヒーロー対戦GP 仮面ライダー3号』(2015年)でしたよね。
中村優一 はい。自分の人生の分岐点に、いつも仮面ライダーがあるんです。俳優をやっていく上で、僕を支えて後押ししてくれた。ヒーローとして出させていただいていますが、仮面ライダーは僕の人生にとってのヒーローでもあるんです。『電王』当時は「お父さん」と呼んでいたのですが、いつも声をかけてくださるプロデューサーの方にもすごく感謝しています。今はもう僕も32歳になったので「お父さん」は失礼だなって呼べなくなりましたが(笑)。

――(笑)。そして、俳優に復帰された際はファンの方から「おかえり」や「待ってたよ!」などたくさんのコメントが寄せられていましたね。
中村優一 覚えていていただいて本当に嬉しかったですし、感謝の気持ちでいっぱいです。僕が『電王』で演じた桜井侑斗は、変身するたびにみんなの記憶からそれまでの自分が消えていく役だったんです。芸能界を一度辞めた時、それと同じように僕の記憶がみんなからなくなっていくのを感じて。時がたっているから仕方がないんだけど、淋しい気持ちもあったんです。
――では、復帰するときは不安もあった?
中村優一 ありました。「復帰したところで仕事があるんだろうか?」とか、「やっていけるのかな」と。当時もう27歳だったので、「今から復帰して大丈夫だろうか」とも思いました。でも、覚えていてくれた方たちがいたから今でもお仕事ができていて。応援してくれる方がいるからこそ、今も頑張れています。

――復帰してからお仕事のペースはすぐにつかめましたか?
中村優一 1度やっていたとはいえ、最初はまたゼロからというか、0.5からのスタートという感じで。全然、頭と体が追いついていきませんでした。「今までどうやってお仕事していたんだろう?」って思ったりもして…。でも、戻ってきたからには、見てくださる方に今まで以上のものを届けたいと思って、日々のお仕事に向き合っています。

俳優だけじゃなくてどんな仕事もキツイし、生きるってしんどい(笑)

――そして最近は、映像や舞台など様々なジャンルで活動されていますね。
中村優一 復帰して舞台をやらせてもらった時に、自分より若い子たちの方が経験を積んでいるのを実感したんです。役者として、さらに年を重ねる前にもっと舞台を経験したいという思いから、最近は舞台でも勉強させて頂いています。

――やはりお芝居は楽しいですか?
中村優一 役を演じるのも楽しいし、脚本や演出から人間を学べることがたくさんあって。僕自身は、“無”なところが多いんです(笑)。だから、いろんなキャラクターを演じることによって、「人はこういう時、こんな感情が芽生えるんだ」って人間について勉強できるのもすごくおもしろい部分だと思います。

――仕事への向き合い方は変わりましたか?
中村優一 やっぱり年齢の違いはあります。前はそんなに重く自分の人生を考えていなかったのですが、歳を重ねて自分の生活もちゃんと考えながら仕事と向き合うようになりましたね。頑張る気持ちを忘れないようにしないと仕事はなくなっていくので。だから、心が潤って満たされすぎるよりも、いつも崖っぷちの気持ちでやらないと、とは思っています。キツイですけど、これは俳優だけじゃなくてどんな仕事もそうですよね。みんなキツイし、生きるってしんどい(笑)。昔も今も頑張る気持ちはあるのですが、そうやって頑張る深さは変化したと思います。
――最後に、今後の夢や目標はありますか?
中村優一 自分に需要があるだけで幸せだと思うから、頂いた仕事を一生懸命やっていきたいです。実は『仮面ライダー』でもまだまだ夢があって(笑)。『響鬼』で、変身した細川茂樹さんと一緒に戦いたい! 響鬼は襲名制で、認めてもらえたら変身できるというルールがあるのですが、まだ京介として変身した状態で師匠と一緒に戦ったことがないんです。

――『仮面ライダー』での夢は尽きないですね(笑)。
中村優一 あと、『電王』ではミュージカルもやってみたいです! 僕自身ミュージカルはまだやったことがないので、初めてが仮面ライダーなら素敵だなと。その日が来ることを信じて、ボイトレをしておきます(笑)。

(インタビュー・文/辻内史佳、写真:TAKU KATAYAMA)

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