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佐藤健、30代を迎える俳優として新たなステージへ「役者も自己発信が必要」

 18年7月クールで、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』とTBS系『義母と娘のブルース』というドラマ2作に出演。『半分、青い。』では、ヒロイン・鈴愛の幼なじみで、クールな理論派だが誰よりも優しく傷つきやすい好青年の律役。一方の『義母と娘のブルース』(TBS系)では、フーテンのダメ男・麦田章役と、相反するキャラクターを見事に演じ分けた佐藤健が、有識者と視聴者が共に支持する“質の高いドラマ”を表彰する『コンフィデスアワード・ドラマ賞 年間大賞 2018』で「助演男優賞」を受賞。今月21日に30歳となり、新たなステージに進む俳優・佐藤健が、役者として進むべき道について語った。

20代最後の年は、作品と役に運良く恵まれ、質も量も良い1年

――『コンフィデスアワード・ドラマ賞 年間大賞 2018』で助演男優賞を受賞しましたが、まずは率直なお気持ちをお聞かせ下さい。
佐藤 素晴らしい作品に出演できたと改めて思います。それと当時に、萩尾律と麦田章役に選んでいただき感謝しています。

――昨年は、同時期に2作品の連続ドラマにチャレンジしましたが、佐藤さんにとって俳優としてどのような時間を過ごしたのでしょうか?
佐藤 本当に充実した日々でした。20代最後の年は、仕事を頑張ると決め、単純に作品数を増やすだけでなく、ちゃんと評価していただける作品と役に運良く恵まれ、質も量も良い1年を過ごせました。

――たくさんの仕事に触れ、さまざまなキャストの方と共演し、そこから気持ちの変化や気づきはあったのでしょうか?
佐藤 もちろん、どの作品も勉強になり、俳優として成長することはあります。同時期に2作品の連続ドラマに出演しましたが、NHKとTBSでは撮影の進め方も違います。どちらも正解であって、どちらが良いということではなく、違ったスタイルの現場に身を置けたことで、ドラマに対する理解度も深まったと実感しています。

――それは、作品全体を俯瞰して見られるようになったということなのでしょうか?
佐藤 それは、今までと変わらないです。作品全体を意識して見るのではなく、演じるうちに見えてきます。もちろん、主演であるかないかにかかわらず、いつもそうです。

役者佐藤健は、2019年でひと区切り、年内に新たな幕を開ける

――今回受賞したNHK連続テレビ小説『半分、青い。』とTBSドラマ『義母と娘のブルース』は、それぞれ違ったタイプの役が視聴者にも印象深く残っています。それぞれの役について、改めてどのように捉えていますか?
佐藤 2つのキャラクターに共通して言えることは、愛おしく、人間として好きということです。僕にとってとても魅力的な人物でした。

――『第13回コンフィデスアワード・ドラマ賞』で助演男優賞を受賞した際には、今年3月21日に30歳を迎えるにあたり、「ギリギリまで20代を演じていきたい」と話していました。今月21日に30歳を迎え、今年はどんな1年にしたいと考えていますか?
佐藤 今年はノープランで、昨年のように明確なビジョンや強い意思はないです。もちろん、実際にやることは変わらない。いただいた役を一生懸命演じ、現場で最大のパフォーマンスをするというのは、基本的には変わらないことです。20代最後の年は、たくさんの作品に出演してがんばろうと決めていました。それがひと区切りしたのが、2019年だと思っています。第一章または第二章なのか、一旦幕を閉じて、2019年でひと区切りして、2019年内に新たな幕を開けると考えています。

――2月22日公開の主演映画『サムライマラソン』で幕を開けましたが、今年は映画とドラマどちらをがんばりたい、出演したいと思っていますか?
佐藤 もちろん、両方出演できることが理想です。でも、なぜかわからないのですが、これまでも映画出演の方が多かったです。映画が好きなので、嬉しいことなのですが、バランスよくできることが一番いいなと思っています。映画は、撮影期間も短く、作品全体が見えているので、決めやすいというのはあるかもしれません。

――確かに連続ドラマでは、最終話が見えてない状態で、撮影に入ることもありますよね。
佐藤 最後までストーリーが見えていないので、不安になるときもあります。『義母と娘のブルース』は最終回までストーリーがある程度見えていたのですが、『半分、青い。』は見えていなかったので、そういうこともありますね。

――20代でひと区切りを付けたことで、“ドラマで試してみたいことを現状ではやりきった”という思いはあるのでしょうか?
佐藤 やりきったということはないです。昨年1年で考えると良いドラマに出演させていただいということはあります。でも、だからといってもうドラマ出演をしなくていいのかというわけではないです。良い作品に出逢えたからこそ、ドラマでもできることがあるんだ、ということに気づけたし、もっとやりようがあるということもわかった。だからこそ、ドラマに出演したいという思いもあります。

役者たちが自発的に面白いと思うことを提案していくべき

――映画に対しては、今後どのように向き合っていきたいですか?
佐藤 作品に関しては、出会いだったりしますよね。映画は、すべて自分でコントロールできるものではなく、スケジュールなどの事情があるなか、興味のある役や企画に声をかけてもらえて成立する仕事です。タイミングや運といった、運命的なものに身を任せるというところもあります。そうしたなかで、30代はもう少し自分がやりたいと思うことを企画したり、ただ声を掛けてもらうのを待っているのではなく、自分からアクションを起こして、実現できたらいいなと思っています。

――例えば、監督やプロデュースなどを行う小栗旬さんや山田孝之さんは、戦略立てて物事を考えているように思いますが、そういうイメージなのでしょうか?
佐藤 そうなるべきというか、旬くんや孝之くんがすごく尖っているわけではなく、一番自然な形だと思います。すべてを一緒にするのも良くないことですが、ハリウッドでは俳優が、企画を考えたり、監督やプロデュースを手がけるのは、当然のことですよね。だから、日本でも役者たちが自然と自主的に何かをやっていくようになったらいいなと思います。

――もっと自由に表現していけばいいということですよね。
佐藤 はい。役者だからこそ面白いと思える企画や目線があるので、もっと自分たちが面白いと思うことを提案していけたらいいなと思っていますし、作品作りのアイデアを出していくべきだと考えています。とはいえ、いざ“何でもやってもいいよ”と言われると難しいところです。1つずつ発見して、考えていくのがこれからなのかなと思っています。そういう意味でも良い作品に出逢えたらどんどん挑戦していきたいです。

――では最後に、『半分、青い。』と『義母と娘のブルース』のドラマファンに向けてメッセージをお願いします。
佐藤 20代最後の年に、たくさんの作品を演じたいと思ったのは、30代になっても20代の自分を作品に残せると思ったからです。僕自身もこの2作をずっと大切にしていきたいですし、皆さんもずっと愛してくれたら嬉しいです。

(写真/西岡義弘)

提供元: コンフィデンス

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