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役者と音楽家の“兼業女優”松下奈緒、相次ぐ出演作に見る“美しき現状維持“
音大卒、女優、どちらも一流 華麗な経歴
一方で、2004年にNHK大河ドラマ『義経』のエンディング解説「義経紀行」の音楽でピアノ演奏を担当したり、2006年にエピックレコードジャパンよりファーストアルバム『dolce』をリリースし、ピアニスト&作曲家としてもデビューする。以降、定期的にリサイタルを開催するかたわら、2007年にはNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』でテーマ音楽の演奏に起用されたり、2008年には映画『チェスト!』のヒロイン・主題歌・ピアノ演奏・劇音楽作曲を務めるなど(その後も多くのドラマに楽曲を提供)、女優業・音楽業ともども“超エリートコース”を歩んできているのだ。
エリート感じさせない無風感、自然体で嫌味の無いお嬢様像
そうやって“目立ちすぎず”に女優としての実績を積むことは、音楽活動をする上で相乗効果をも得ているはずだ。「女優1本でやっていく!」といった気負いを感じさせず、そのバランス感覚のよさはむしろ器用で聡明さを感じさせる。どちらも全うしてエリートコースを走りながら、女優業と音楽活動を軽やかに両立しているのは彼女特有のものだろう。
さらに、姉役のようなしっかりした女性のイメージが強い松下だが、バラエティ番組に出演したときは「家事が苦手」などと語り、自然体で飾らず嫌味が無い。特別、爪痕を残すような発言はないかもしれないが、彼女のイメージを崩さない範囲で絶妙なコメントを残している。
また、先述の新ドラマ『俺のスカート〜』主演の古田新太からは、以前『連続ドラマW 闇の伴走者』(WOWOW)で共演したときに、「撮影初日から(おっさんみたいに)ゲラゲラ笑っていた」と明かされていた。そのように、お嬢様のような気品を漂わせながらも、どこか親しみのある素顔が垣間見えるあたり、視聴者に好かれる理由なのだろう。
続く起用は“好きでも嫌いでもない”好感度? 現状維持が築いた唯一無二の存在感
また、『JAバンク 新キャラクター「よりぞう」発表会』に出席した際は、お披露目された同社の新キャラ・よりぞうと初対面し、「抱きつきたいようなふんわり感に女性は弱い。いい意味でくびれがなくて、癒やされました」と語った後、記者から「よりぞうのように“寄り添ってくれる方”は?」と恋愛について質問が。そんなときも「私、よりぞうでいいです」と笑って卒なくかわすなど、あくまでスポンサーを立てた控えめなところも、起用する側の安心感につながっているはずだ。NHK、民放、CM、音楽業界など全方位での出演が相次ぐことからも絶妙な立ち位置が頷ける。
何かあれば良くも悪くもすぐに一転する芸能界。松下のどれもきちんとこなして堅実であり、そのイメージを崩さない“現状維持”は、並大抵のことではなく、美しさすら感じられるものではないだろうか。