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90歳のおばあちゃんが作った“新聞ちぎり絵”、反響に驚き「近所の人が見に来てくれる」

90歳のおばあちゃんが作った“新聞ちぎり絵”、反響に驚き「近所の人が見に来てくれる」

 イラストレーターで漫画家の木村いこさんが、祖母の“ちぎり絵”をTwitterにUPしたところ、3万いいね、7千リツイートを記録、見事にバズった。木村さんの祖母は御年なんと90歳。作品は全て新聞紙だけで作られており、そのクオリティーにネット上では「センスがすごい」「素晴らしすぎて五度見しました」などと称賛の嵐。木村さん自身もその反響に驚いたそうだ。木村さんはちぎり絵専用のアカウントを作成し、祖母の作品をツイッターで公開している。今回の反響について、祖母・セツさんと、孫である木村いこさんに話を聞いた。

夢中になってご飯を食べることを忘れてしまうことも…

――ちぎり絵を始めたきっかけを教えてください。
セツ昨年の暮に介護をしていた夫が亡くなり、TVを観るか寝るかしかない生活をしていたところ、娘に「ちぎり絵をしてみないか」とすすめられたのがきっかけです。

――作品発表後、ご近所や友人から反響はありましたか?
セツ「なんやよう分からんけどスゴイなぁ」と言われました。完成したものを近所の人が見に来てくれるのでうれしいです。

――ネットで話題になる前後で生活に変化はありましたか?
セツ生活に張りが出ました。孫が完成作品を公開したあと「◯人評価してくれたよ」と連絡をくれるので、毎回圧倒されながらも感激しています。見てくださった方々の元気にも繋がっているそうで、それを聞いた私も元気をいただいております。

――ちぎり絵の製作工程を教えてください。
セツ毎朝目が覚めると、まずは新聞を取りに行き、写真や絵の部分を切り取っておきます。この作業が好きで毎朝わくわくします。夢中になっていると朝ごはんを食べるのを忘れてしまうこともあり、娘によく注意されています。制作中に使う紙を選んでいると、もたもたしてしまい集中できなくなってしまうので、題材が決まったら、使う色を最初に選び、手元に置いておきます。そして、娘が描いてくれたえんぴつ画の下絵を元に、自分で選んだ色や模様を選び、貼り付けていきます。

――制作時に気をつけていることはありますか?
セツできるだけ紙の白い部分をのりで汚さないこと。そこにのりがついてしまうと消しゴムでは消せないんです。糊を付けすぎると貼った時はみ出て汚くなるので、ヘラでうすく伸ばして貼り付けるようにしています。

――一番の自信作を教えてください。
セツブロッコリーです。アドバイスを受けず自分で作り上げたという意味でも自信作です。

――制作にかかる時間はどれくらいですか?
セツだいたい6時間です。疲れている時は2、3日かかることもありますが、ほとんどは1日で仕上げます。集中するとあっという間に時間が経ってしまいます。やる気が出たら深夜でも作業をします。先日も次の題材のため、色を選んでいた深夜1時をまわっていました。

孫は漫画家、娘はデザインの仕事、「祖母は普段から観察力があったように思います」

――ちぎり絵に対してこだわっていることはありますか?
セツ新聞紙ならではの味わいが出るようにしています。思い通りの形にならない時は何度も貼り直したりするので、その部分だけ厚みが出てしまうこともあります…(笑)。娘にアドバイスをもらうこともあるのですが、素人ならではの面白さがあると自覚しているので自分なりの作り方を意識しています。

――ちぎり絵の魅力を教えてください。 
セツたまたまできた色の組み合わせが、綺麗なものになった時は本当にうれしいです。あと頭や指を使いながら作業をするのでボケ防止に役立っていると思います。昨年骨折した手首のリハビリにもなっています。

――ちぎり絵以外にも挑戦してみたいことはありますか?
セツちぎり絵つながりでもありますが、もっと絵を描けるようになりたいです。そうしたら自分で一から制作することができるようになるので。あと、今ははがきサイズで作っていますが、いつかこれより大きなサイズにも挑戦したいです。

――おばあさまは、なぜここまでクオリティーの高い作品を制作出来ると思いますか?
木村いこ普段から観察力があったように思います。料理をおいしそうに盛り付ける力、仏壇の花の色や形の組み合わせ、普段着もそんな感じで、自然と本人にとって心地よい色を選んでいるようでした。デザインの仕事をしている母は制作途中、祖母にデザインの良し悪しをよく相談しているようで、その度に形や色味のアドバイスを貰っているそうです。一般的な見方とデザイン的な見方を同時に持っているので貴重な存在なのだろうと思います。

――おばあさまの作品制作についてどうお思いですか?
木村いこなにか夢中になれることが出来て本当によかったと思っています。寝る間も惜しんで作っているそうなので、新聞ちぎり絵はよっぽど祖母に合っていたんでしょうね。もちろん私がTwitter上で公開し”いいね”を貰うことがやる気に繋がっているのはありますが、それがなくても祖母は作り続ける人でしょう。祖母が言っていた言葉ですが「生きがいになっている」そうなので、このまま無理なく続けていって欲しいと思っています。

――ちぎり絵を始めてから、おばあさまの変化は感じますか?
木村いこ最近、電話での会話が作品制作メインとなっているので面白いです。今までの話題は“他者と自分”がほとんどでしたが、“作品と自分”に変わりました。もともと世話好きというのもあったんでしょうが、その対象(昨年亡くなった祖父)がなくなったことでようやく“自分”という1人の人間を活かすことができるようになったのだと思います。なんにしても良いクリエイター仲間ができたことに喜びを感じています(笑)。

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