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パパになって気づく“Eテレ”の絶妙な攻めの姿勢 出演を熱望する俳優&歌手多数

  • 「カマキリ先生」が子どもから人気の香川照之 (C)ORICON NewS inc.

    「カマキリ先生」が子どもから人気の香川照之 (C)ORICON NewS inc.

 最近、香川照之、西島秀俊、浜野健太など、錚々たる俳優やタレントがEテレの子ども向け番組に出演するケースが増えている。特に香川は、2016年に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ!』が大反響を呼び、不定期ながら9回放送され(2019年1月現在)、再放送は数十回も放送。また、小栗旬や賀来賢人ら“子持ち”俳優たちがバラエティ番組などへの出演時、Eテレ番組にハマっているエピソードを披露する場面もよく見かける。子どもやママのみならず、パパ芸能人をも虜にするEテレの“攻めの姿勢”を分析してみよう。

朝の神がかった番組編成に脱帽 他局にはできないユニークな実験的内容も

 Eテレの“平日朝”のタイムスケジュールをざっと見ると、6:35〜小学生向けの『にほんごであそぼ』、『シャキーン!』で幕を開け、7:00すぎ〜幼稚園、保育園児向けの『はなかっぱ』、『コレナンデ商会』、8:00〜『おかあさんといっしょ』と続き、0〜2歳児向けの『いないないばあっ!』へとリレーしている。親としても、子どもが何に興味があり、どの番組を観て喜んでいるのかがわかる時間帯になっており、子どもの成長に合わせて番組の好みも変わるなど、なかなか感慨深い“裏ゴールデンタイム”とも言える。

 一方、最近ではEテレらしい実験的な番組も目立つ。今年の元旦に放送された『Eテレ60特番「Eうた♪ココロの大冒険」』では、寺田心、三浦大知、木村カエラ、Perfume、藤井隆など、豪華出演陣が登場して話題になった。また、定番かつ懐かし系でもある『みんなのうた』を、今の若手アーティストたちが童謡にアレンジを加えて歌うなど、大人が観ても新鮮で楽しめる要素が盛り込まれていた。

 さらに『おしりたんてい』、『天才てれびくん』などでは、ゲーム感覚でも楽しめるデータ放送を活用。特に『おしりたんてい』は、大ベストセラーの絵本が原作だが、キメゼリフの「失礼こかせていただきます」→おならブーで事件解決…という小学生低学年男子の大好物な下ネタ全開で、(昔の教育テレビではありえない…)と大人を絶句・驚嘆させる内容だ。こうした“攻め”の姿勢が評価されたのか、昨年末の『紅白歌合戦』では「キッズショー」が初めて企画・放送された。

民放でのアピールがきっかけ 誰もが出演に衝撃を受けた「カマキリ先生」

 そんな“攻めのEテレ”を代表する番組と言えば、やはり『香川照之の昆虫すごいぜ!』が挙げられるだろう。番組制作のきっかけは、TBS系の『櫻井・有吉 THE夜会』で香川が「カマキリ先生」に扮し、昆虫について熱く解説したこと。その際、香川が「教育テレビでの番組制作を希望する」とコメントしたのが、NHKのプロデューサーの目に留まり、2016年10月に第1弾が放送されることになった。

 日本を代表する俳優でありながらカマキリの被り物をし、草むらで虫捕りに興じる香川の姿に視聴者は度肝を抜かれたわけだが、番組内では「本当にやりたい仕事にめぐりあえました」「これが僕の代表作です」と自身で豪語するほど。民放で“本音”をアピールした香川と、Eテレの“攻めの姿勢”が合致した一番の成功例かもしれない。

人気俳優たちが出演を懇願、その理由の多くは…子どもに自慢できる?

 そして最近では、人気俳優たちがEテレ番組への出演を希望するケースも多い。昨年の『しゃべくり007』(日本テレビ系)では、賀来賢人が「子どもが生まれまして、1歳半。ギャーギャーいう時期なんですけど。Eテレの力がすごくて。本当に今出て、『あ!パパなんじゃない!』って言われたい。でもマネージャーに確認したら、一番ハードルが高いんですって、出るには」と熱弁。また、『火曜サプライズ』(日本テレビ系)で“Eテレ好き”を公言した小栗旬も、「(親が)死ぬほどEテレに強くなる。うたのおにいさん、うたのおねえさんへの感情移入もけっこう強くなっている」とMCのウエンツ瑛二に語り、放送後は同じ親世代からの共感の声がSNSにあふれたのだ。

 実際、西島秀俊などは、パパになってからEテレデビューを果たしている(2016年第一子、2018年第二子誕生)。昨年6月の『オトッペ』へのゲスト声優出演決定時には、「ある映画の撮影現場で、『Eテレの“オトッペ”というアニメが面白くて好きなんです』という話をしていたんです。すると偶然、オトッペの制作チームとつながりがあるスタッフさんがその場にいらっしゃって。その方が、僕が番組のファンということをオトッペの制作チームの皆様に伝えて下さったんですね」と出演が決まるまでのエピソードを明かした。念願かなっての出演に、「一視聴者としてファンだったので、非常にうれしかったです!」と、まるで子どものように喜びを語っていた。

 また、オダギリジョーも2016年から音楽教育番組『ムジカ・ピッコリーノ』に出演中。“謎の男”を演じているオダギリだが、「子ども向け番組でありながら、音楽の難しい面や仕組みだったりを楽しく教えているという質の高さに驚いて、僕から出たいとお願いしたんです」と作品に惚れ込み自ら逆オファーをかけたという。演じ方に戸惑いを感じながらも「他の現場とは違う従順さっていうんですかね(笑)。生徒のような気持ちでお仕事をしています」と、新人になったかのように話していた。

 こうしてみると、いずれも民放テレビや映画などではすでに主役を張るほどの俳優陣。それでもEテレへの出演を熱望し、実現させている。その動機には、自分の子どもに喜ばれたい、「パパすごい」と言われたいという気持ちがあるようだ。しかし、役者としても大人向けのドラマや映画にはない新鮮な演じ方や見せ方の発見があり、またそうしたことへの期待や魅力を感じているのかもしれない。“攻めるEテレ”と、Eテレに出演することで“攻めたい俳優”との「いい関係」は、今後も続いていくことだろう。

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