ORICON NEWS
ムキムキ美魔女(!?)西川貴教の“愛され全包囲網” セルフパロディで開眼
浅倉大介プロデュース、90年代を代表するヒット歌手に
当時の状況は「正直、覚えていないんです。全く忘れているわけじゃないけど、周りを取り巻く環境の変化が大きくて、僕自身はあまり劇的に変わらなかった気がする」「僕自身の気持ちの変化よりも周りの変化についていくことに精一杯でした」(ORICON NEWS/2016年5月11日)と振り返っており、その人気ぶりが伺えるだろう。
楽曲はキャッチーなメロディでカラオケでも熱唱しやすいし、美白でクールなルックス、それでいて突き抜けまくった歌唱力と衣装で、どこか他のアーティストとは一線を画す存在としてお茶の間でも認識されていった。
「喋れるアーティスト」でプロデューサーとしても活躍するオールラウンドプレーヤー
また、声優としての出演や主題歌として関わりが深いアニメ分野では(『機動戦士ガンダムSEED』など)、アニメファンにも一目置かれほどの知識量を誇り、サブカル方面への強さも。さらに故郷では、滋賀ふるさと観光大使として『イナズマロックフェス』を2009年から開催しており、西日本では最大の野外ロックフェスのプロデューサーとしてもリーダーシップを発揮しているのだ。
そして、2016年には「株式會社突風」を立ち上げ、実業家としての片鱗も見せるほか、ここ数年は『天才てれびくんYOU』(NHK Eテレ)から生まれたキャラクター、マーヴェラス西川としても活躍し、子どもからも人気を得ている。また、SNSでは「#マーヴェラス西川」のタグが“肉体美”と“顔面美”のギャップで盛り上がり、ネットユーザーとの親和性も高い。TwitterとInstagram合わせて約160万人のフォロワーがいることからも、幅広い層からの支持があることがわかる。
このような多岐にわたる活動について、T.M.Revolutionはどんなアーティストなのか? という問いに、「良くも悪くも音楽性なんてありゃしないんだけど、お題を与えると、いろんな風に形や色を変えられる人かな。そういう意味ではひとつのキャラクターとして存在している感じがするし、アーティストとかミュージシャンっていうカテゴリーにはいない気がする」(同上)と語っており、そこにはファンや視聴者が求める姿にいつまでも応え続けようとする気概が感じられるし、自分自身の実力や努力を“信頼”していることも見て取れる。
20年以上のキャリアなのに弄れる、文字通りの“風通しのいい人望”
また、2016年には18年ぶりとは思えない仕上がりで「HOT LIMIT」の衣装を着こなしたことが、後に公式でコスプレ衣装として売り出すほど話題に。さらにはSNSにアップしてはたびたび話題になっていた筋肉は、『マーヴェラスTVジム』の出演へとつながっていく。“美魔女”と言えるほどデビュー当時とほぼ変わらない顔立ちと、進化し続けるムキムキな筋肉は、並大抵の努力では維持できるものではない。
そして、これらはすべて自己発信というよりは、そもそも周りがネタにしてきたことでもある。アーティストはキャリアを積めば積むほど周囲は弄りにくくなるものだが、西川は何事にも全力でやりきる姿勢を見せるから、尊敬を込めてネタ化できる。だからこそ、セルフパロディにしても“サマ”になり、視聴者にも好意的に受け入れられているのだろう。
ソロ歌手として、ここまで多方面にアプローチして成功している西川は稀有な存在ではないだろうか。西川が数多くの事業で成功していく理由も、こうした西川の各方面からのニーズに応えていく、文字通り“風通しのいい人望”にあるはずだ。