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私服は衣装? 意外なところでタレントを悩ませるコンテンツとしての“私服”
スターのプライベートを覗き見、番組企画としても重宝される「私服コンテンツ」
もちろんインスタグラムでも、タレントやモデルによる私服投稿は定番。ファストファッションを何気なく着こなしていたりすると、手の届くセンスのいいオシャレだとフォロワーたちに好感度が高かったりする。一般の人たちに「自分でもマネできる」「同じものを着られるうれしさ」として響けば、「○○さん着用(愛用)!」のキャッチとともに大ヒットアイテムにもつながり、思わぬ“経済効果”までが見込めるわけだ。まさに「芸能人の私服」がコンテンツ化されている証しであろう。
アイドルは私服も衣装!? 「私服」はキャラ作り、ブランディングも兼ねる
ちなみにAKB系グループでは、先輩がお下がりの服を後輩に渡すという伝統も存在しているようで、前田敦子の卒業公演(2012年)では後輩の指原が「これからも…服をください」とコメントしたこともあるとか。実際、メンバーにとっても忙しい合間にオシャレできるチャンスでもあるし、ファンはファンでレアな“推しメンの私服”を見るチャンスにもなる。握手会はそういう意味でも“ウインウイン”の関係になっているのかもしれない。
一方、「ももち」の愛称で親しまれた嗣永桃子さん(2017年に芸能界引退)は、アイドルとして活動している間はいっさい私服姿を見せなかったという。どんなときでもTVに出ている間はアイドルのイメージを守り続けるというプロ意識の高さを持ち、その徹底ぶりはオードリー・若林正恭が、「ももちの私服って見たこと記憶にないだろ。見せなかったんだよ」、「マジで尊敬してたから」とまで言わしめているほど(『オードリーのオールナイトニッポン』 ニッポン放送/2017年6月24日)。
また、基本的にSNSによる自己発信が許されていないジャニーズ事務所だが、『紅白歌合戦』(NHK総合)のリハーサルなどではタレントたちが私服で会場入りする。いわばジャニーズのタレントたちの私服を“生”で見られる貴重なチャンスでもあることから、その姿をひと目見たいと出待ちするファンが殺到するという。
ももちにしてもジャニーズにしても、それはそれでプライベートを神秘のヴェールで包むという“プロ”のあるべき姿なのかもしれない。
プライベート感を出すか否か? 自分のブランディングにも影響が
ひょっとしたら芸能人にとっては、プライベートの写真にすら気を遣わなければならない“苦しみ”があり、メイクやコーディネーターのつかない日常生活では、人知れず自分のセンスを磨く努力を続けているのかもしれない。