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“ぬい撮り”する人の心理とは? 「大人だって“ぬいぐるみ”を愛でたい」自身のアイコン化も

 さまざまな場所でぬいぐるみを主役にした写真を撮る「ぬい撮り」のブームが続いている。かつては「撮影用のぬいぐるみを買う」ことは一般的ではなかったが、2017年にタカラトミーアーツからぬい撮り用のぬいぐるみ「ちょっこりさん」も登場し、InstagramやFacebookなどのSNSでは日記感覚でぬいぐるみメインの写真がアップされるように。 “大人”がぬいぐるみ楽しむ時代が到来している。そんな「ぬい撮り」の魅力とは? ぬいぐるみコラムニストのゆりりーぬさんに話を聞いた。

「ちょっこりさん」発売をきっかけに、世間にも「ぬい撮り」ブーム広がる

 「ぬい撮り」という言葉は、2004年に開設されたmixiのコミュニティ「ぬいぐるみを撮る人々」の掲示板の中で使われ始めたものだという。Twitter、InstagramなどSNSの流行りに変化があっても、「ぬい撮り」の言葉と“ぬいぐるみを主体にして写真を撮る”という文化は、ファンの間でずっと変わらず親しまれてきた。

――「ぬい撮り」が広く世間に知られるきっかけは何だったのでしょうか?
ゆりりーぬさん2017年の春、タカラトミーアーツさんから「ちょっこりさん」が発売されたことです。「ぬい撮りがしやすい、ぬい撮り専用のぬいぐるみ」という主旨の商品で、ディズニーやスヌーピーなどの人気キャラを起用した親しみやすさも相まってテレビやネットのニュースで大きく取り上げられました。これを機にメディアでも「ぬい撮り」の特集がたくさん組まれるようになり、広く知られるようになってきました。

――ブームが加速した一因として、商品が進化したこともあげられるのでしょうか?
ゆりりーぬさんはい、ちょっこりさんには「座れる」「物を持てる」「ひっかけられる」といった分かりやすい特性があります。「ちょっこりさん」は手足が固定されていて自由にポーズをとることはできませんでしたが、2018年に入って四肢にワイヤーが入った“手足を自由に曲げられる”スタイルのぬいぐるみも登場しました。自由にポーズがとれて、支えがなくても自立できる構造になっているものが多く、まるで生きているように撮影しやすい商品です。SNSでもぬい撮り用のぬいぐるみは積極的に活用されているようです。

「ぬいぐるみを通して自分自身が紡いできた思い出を感じられる」

――ぬい撮りの魅力はどんなところにあると思いますか?
ゆりりーぬさんお気に入りのぬいぐるみと一緒に出かけたり、何かを体験した様子を家族写真のように残せるところが魅力だと思います。ぬいぐるみを可愛がる人たちにとっては、ぬいぐるみも立派な家族の一員です。ぬい撮りのアルバムを見返すことで、「あの時はここに行ったな」など、ぬいぐるみと自分自身が紡いできた思い出を感じて温かい気持ちになれます。

――撮影の方法として、どのような楽しみ方がありますか?
ゆりりーぬさんよくSNSで見るのは、ぬいぐるみさんをお出かけに連れていって、観光地やカフェなどで撮影するスタイルです。クリスマスパーティーやお花見といった季節のイベントの写真や、観光地の名物と一緒に撮った写真など、ちょっと特別感のある場所でぬい撮り写真を投稿する人もいれば、毎日食べたものや学校、職場でのワンシーンなど、ぬいぐるみと過ごす日常をアップしている人もいます。

また、イベントなどで同じキャラクターのぬいぐるみを持っている人同士が集まると、ぬいぐるみだけの集合写真を撮る文化もあります。SNSでは自分の顔を出さず、ぬいぐるみを自分のアイコンにしている人もいるので、ぬいぐるみの集合写真を見て、「〇〇さんもこのイベント来てたんだ」とフォロワー同士で認識し合うこともあるようです。

マナー等でマイナスな意見あがるも、「多様性の一つとして認識されるようになれば」

――TVやメディアで取り上げられる際に、よく“闇が深そう”などとマイナスにとらえられてしまうこともありますが、それについてはどう感じますか?
ゆりりーぬさん正直、他者に迷惑をかけずに好きなことをやっているだけなので、無理に「理解してもらいたい」「見守ってもらいたい」とは思いません。ただ、一部の世間の声として「大人がぬいぐるみを可愛いがったり、ましてや旅先に持って歩くなんておかしい、恥ずかしい」と考える人もいるようです。また、こうした考え方が浸透していることで「外でぬい撮りをしたくても、する勇気がない」と悩んでいる声も耳にします。「大人が自宅以外の場所でぬいぐるみを可愛いがる」ことはまだまだ容認されない空気もありますが、ぬいぐるみ愛好家の大人は実は少なくありません。ぬい撮りブームや活動家さんたちの努力によって、これから世間の見方も少しずつ変化して、多様性の一つとして認識されるようになればと思います。

――最近売り物であるぬいぐるみ商品に対して、キス&ハグした写真をアップし炎上した高校生がいました。ぬいぐるみに関わる撮影をする人に対して、マナーや気を付けるべき点についてお聞かせください。
ゆりりーぬさん私はぬいぐるみ売り場をよく訪れるのですが、SNSが流行する前から「売り物だよ! ほおずりしないでね」といった張り紙がされているのを見かけていました。売り物のぬいぐるみへの過剰な接触で、お店や他のお客さんに迷惑をかけてしまう人は昔からいたのではないかと思います。ぬいぐるみ撮影にかかわらず、何に対しても人に迷惑をかけることは好ましくないですよね。私も一部のマナーの悪い人の影響で「ぬい撮り禁止」の施設が出てきたら悲しいので、ブログ記事などで、ぬい撮りをする上で気をつけたいマナーや迷惑をかけないようにする工夫を提案、発信しています。

――今後「ぬい撮り」がどのようになっていってほしいですか?
ゆりりーぬさん「ぬい撮り」はぬいぐるみをかわいいと思う心を、目に見える形に表現できる一つの方法だと私は考えています。これまで潜在的にぬいぐるみを可愛いがる心を持っていた人たちが、「ぬい撮り」の流行によって、これまでより一層つながっている実感があるので、これからもその良い傾向が続けばいいなと思います。

自身のブログで日々ぬい撮りに関する情報を発信しているゆりりーぬさん。「文化としてのぬい撮りはどんなものなのか、次世代につなげていけるようまとめる取り組みもしています」と話す。こうした取り組みもあり、引き続き盛り上がりを見せる「ぬい撮り」。ブームを超えて一つの”文化”として根付く過程をこれからも見守りたい。

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