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(更新: ORICON NEWS

ISSAの“天性の人たらし力” 「U.S.A.」をバズでなく継続したムーブメントに

 夏の音楽特番などの歌番組からバラエティまで、引っ張りだこのDA PUMP。“ダサかっこいい”ブレイクから4ヶ月経ってもその勢いは衰えることはない。2018年も後半戦の今、年末の歌番組での活躍も視野に入ってきた。もはや単なる“バズ”ではなく“ムーブメント”として継続させるのは、やはりグループをけん引するリーダー・ISSAによる“天性の人たらし力”が寄与しているのではないだろうか。

“ダサかっこいい”から4ヶ月、今もヒットが続く「U.S.A.」で証明した“確固たる実力”

 「U.S.A.」のダサいジャケット写真、ダサかっこいいミュージックビデオがネット上でバズったのが今年の5月。ミュージックビデオがYoutubeで公開されてから10日で200万回再生されるなど、瞬間風速のすごさから「6月のシングル発売まで勢いが持つのか」と心配するファンの声がSNSに上がっていたが、その勢いは衰えるどころか今も加速し続けている。

 その後も再生回数を伸ばし、7700万回(9月現在)を超えている。さらに、オリコン週間デジタルシングル(単曲)では7月23日付に1位に輝いており、最新ランキング9月24日付でもトップ5に位置している。すでに“いいねダンス”は子どもたちにまで浸透し、『SONGS』(NHK)や『スカっとジャパン』(フジテレビ系)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、などでも特集を組まれており、DA PUMP、そしてISSAのブレイクの炎はまだまだ熱い。

 「昨年“バブリーダンス”で話題を集めた荻野目洋子の『ダンシング・ヒーロー』などユーロビートの再評価が来ている時代にマッチしていたこともありますが、この人気の基盤にあるのは彼らの“実力”」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「ISSAさんの歌声もダンスも当時から芸能界屈指と折り紙つきです。初めて見た若者にとっては“に実力のあるパフォーマー”でしょうし、デビュー当時を知っている我々から見ても劣化はまるで感じられない。所属事務所・ライジングが大事にしているパフォーマンスの高さ、生歌の完成度を体現してきたのがDA PUMPであり、けん引してきたのがISSAさん。また、表舞台に姿を見せない間、無料ライブなどで地道に頑張っていたことなどもファンには刺さっています。単なる“バズ”ではなく“ムーブメント”にまでなったのは、そんな彼らの“本物”感によるところも大きい」(同氏)

 事務所の後輩であるw-inds.の橘慶太も「(『U.S.A.』のヒットは)仕掛けだけじゃなく、実力ありきなんですよね。実力のある人たちがやるからカッコイイわけだし、バズったんです」と、ORICON NEWSのインタビューで語っている。

モテ男ならではの“盛り上げ上手さ”や、遊び心の効いた無言のエールも話題に

 時を経ても錆びつかない実力の持ち主・ISSA。「さらにいえば、ISSAさんの“盛り上げ上手さ”や、モテ男ならではの時折さりげなく見せる優しさにも、勢いが絶えない要因があると考えます」と衣輪氏は続ける。

 安室奈美恵が引退した翌日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)の『ウルトラFES 2018』では、「U.S.A.」のラストを、安室奈美恵の楽曲「a walk in the park」の振り付けに変更してサプライズ披露した。ISSAのアクターズスクール時代の“元先輩”へ向けての無言のエールとリスペクトだったのだろう。遊び心の効いた粋な計らいにSNSでは「感動」「安室ちゃんを入れてくれて本当にありがとう!」「DA PUMP最後すぎる」など多数の称賛が上がった。

 それ以前も同じ個所を「ダンシング・ヒーロー」「世界に一つだけの花」「ラブレボリューション21」などの振り付けに変更し、常に観客を盛り上げるパフォーマンスを魅せてきたDA PUMP。観る人を楽しませることに長けているため、SNSなどネットへの話題提供も上手いと言える。だが重要なのは、これが作為的には感じられないことだ。「これやろうよ、絶対お客さん喜んでくれるよ!」――そんなISSAの声が聞こえてくるようだ。その様相はまるで“近所で人気者のお調子者のお兄ちゃん”のよう。

 「今年7月、ブロードウェイ・ミュージカル『ピーターパン』の会見にフック船長役で参加したISSAさんは、ピーターパンを務める吉柳咲良さんを『一言で言うと頑張り屋さん』とコメントしました。若くして不朽の名作の座長という大役を任された吉柳さんの姿を見ていたからでしょう。『自分がやらなきゃと考えている。常にどの場面でも一生懸命』『責任感の強い子。みんなが頼れるように僕らもフォローしたい』と優しく語りかけた。この話に吉柳さんは目頭に涙を浮かべていましたが、ここにも作為的なものは感じられませんでした。ただ純粋に、仲間を思う――。それが人たらし的なお調子者ゆえでも、その場の咄嗟の機転だったとしても、その瞬間の彼の心は、真剣に彼女をねぎらう“本物”だったはずです。これがナチュラルにできてしまうのだから、“モテ男”と言われるのも分かります」(衣輪氏)

ヤンチャなイメージを経て、チャーミングな大人に 自然体なトーク力も魅力

 かつてのISSAといえば女性との噂が絶えなかったことや、ヤンチャで生意気なイメージがあったことから、デビュー当時は本来の実力よりもスキャンダルに注目されがちで、バッシングやアンチの数も少なくなかった。業界政治的な部分でも苦労したかもしれない。そんな苦難もあってか、年齢を重ねた今はいい感じの丸みが出ており、チャーミングなオジサン(??)になっている。

 メディアへの露出が少なかった時のことを語るときも、「女性問題で…」「嫌で隠れていた」など、こちらも隠すことなく自然体。「彼女いない」発言のあとの“結婚発覚”も「すでに結婚していたので」などの返しに、SNSでは「一本取られた」「大喜利かよ」などの声で賑わった。

 「中には不遇の時代を“黒歴史”とタブー視するタレントもいますが、ISSAさんは隠すことなく話します。ISSAさんはDA PUMPの看板をおろそうと悩んだこともあるそうですが、事務所社長さんから『ISSAがいるうちはDA PUMPでいいんじゃない』と言われ『ふっきれた』と語っています。また『DA PUMPってまだやってたんだ』と言われても、『“はい!”って言うだけですね。僕は歌って踊ることしかできないんで。これしかやりたいことがなかったんです』と真っすぐでアツい発言。今でも放課後の中学生のようなヤンチャさは残っており、アピールも積極的、歌への情熱もアツい。無料ライブにも誇りを持ってやってきたことが伝わります」(衣輪氏)

 「行けるところまで『U.S.A.』で、とことん楽しませる」――そんな気概すら感じるパフォーマンスを見せるDA PUMP。「U.S.A.」一辺倒では飽きられてもおかしくないはずだが、そうでないのは過去に積み上げてきた確固たる実力、今の素晴らしいメンバーたちはもちろんのこと、ISSAの“天性の人たらし”ともいえるほどの人間性も大きいのではないだろうか。年末の歌番組でもおそらく引っ張りだこ。彼らがどんなパフォーマンスを見せてくれるか今から楽しみだ。

(文/中野ナガ)

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