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色が変化するのに…『ねるねるねるね』が“サイバー菓子”とは名乗らない理由をメーカーが語る

 1986年から発売がスタートしたカネボウフーズ(現・クラシエフーズ)の『ねるねるねるね』。魔女の姿をしたおばあさんが、商品を口に含んだ瞬間、「テーレッテレー!」と音が鳴り部屋も明転…その当時のCMは、一度見れば忘れられないインパクトを放っていた。当時は「サイバー菓子」「ケミカル菓子」などとジャンル分けされることもあったが、時を経て「知育菓子(R)」と名を変え、“ラーメン”や“たこ焼き”を再現できるなど、『ねるねるねるね』から進化した製品が次々と登場。誕生からの歴史を紐解くべく、クラシエフーズマーケティング室の宮迫さんに話を聞いた。

「サイバー菓子」から「知育菓子」と名を変えたきっかけとは

「『知育菓子(R)』と名付けたのは2006年からです。それまで『ねるねるねるね』は、作っている途中に紫や緑色といった明るい色へと変化し、膨らむ作用もあることから『サイバー菓子』『ケミカル菓子』という名前で表現されていました。子どもたちからは興味を持ってもらえていたのですが、親御さんには“体に悪い”というイメージを持たれていました。それを払拭するべく、“子どもたちの知的好奇心をくすぐる”という特徴を打ち出した『知育菓子(R)』という名称に変更しました」(宮迫さん)

 発売当初は「おどろおどろしい」「どんなお菓子かわからない」という怪しさがフックになり、売上を順調に伸ばしていたが、時代の変化ともにそれが通用しなくなり、「どんなものが出来るのか」「何が入っているのか」がわかるような、商品の“透明性”が求められるようになった。だが、売上が鈍化したのは他にも理由がある。

「単純にパッケージを見て『美味しくなさそうだから』という声があったのも事実です。そのため、2011年にパッケージを大きくリニューアルして、実際の商品の完成写真を載せるなど、『食べたい』と思ってもらえるような“シズル感”を演出しました。以前は『面白そう』から購買につながっていましたが、いまでは『美味しそう』というフックが重要となってきています」(宮迫さん)

 パッケージリニューアル後に“保存料・合成着色料ゼロ”とマーク表記するようになったのも、「体に悪いお菓子じゃないですよ」と親御さんにしっかりと伝えるためで、現代ならではの配慮表現と言える。ちなみに味の方も、パッケージリニューアルと時を同じくして、レギュラーの「ぶどう味」を現代の子どもの味覚に合わせて“甘め”に変更している。

本格的な味だったラーメンは“コーラ味”にしたところ人気に

 「美味しそう」と思わせることが重要。ということは、 “ラーメン”や“たこ焼き”、“ナンカレー”など実際の料理をベースにする際には、実際に“本物そっくりの味”が好ましい。だが、それが裏目に出たケースもあるという。

「現在販売している『たのしいラーメンやさん』は、当初しょうゆ味で作っており、大人が食べても『美味しい』と思うほど本格的な味だったのですが、あまり売れ行きが伸びませんでした。子どもたちは、パッケージには美味しそうなデザインを求めますが、味自体には本格的なものを求めておらず、どこかで“お菓子要素”が欲しいのだと思います」(宮迫さん)

 そこからリニューアルし、しょうゆスープの見た目に近い“コーラ味”に変更したところ、売上も回復。以降、商品によって本物に近づけるか否かを選んでいる。

駄菓子屋減少も…“出張授業”で子どもたちに啓蒙活動

 そもそも『ねるねるねるね』が生まれたのは、当時の開発担当者が、砂場で子どもがこねているのを見て「粉末から作るお菓子ができないか…」と思ったのがきっかけだ。数多あるクラシエフーズの知育菓子(R)シリーズには、そうした“子どもたちが好きな動作”がヒントになって生まれている。

「『くるくるたこやき』はレンジを使って作るのですが、料理に興味を持ち出したお子さんに、実際に料理体験してもらおうと開発しました。また7月2日に発売されたばかりの『つかめる!ふしぎ玉』は、『つかめる水』という自由研究キットが流行していたので、そこに“食べられる”という要素をプラスして発売したところ、思った以上の反響がありました」

 「知育菓子(R)」と名称を変えて早10年以上。今後の課題は「ブランド認知度」を上げていくことだ。駄菓子屋の数が減少していく中、子どもたちがこうしたお菓子に出会うには、店頭以外にCMしかない。クラシエフーズでは、仕事体験テーマパーク『カンドゥー』(千葉市)で「オリジナルねるねるねるね」が作れる「おかし魔法研究所」を常設するほか、震災が起きた東北地方の学校を中心に、『ねるねるねるね』の色が変わったり、膨らむヒミツを実験しながら伝える「出張授業(知育菓子(R)教室)」を行っている。

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