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ネットで話題のキティちゃん世代交代説、真相を担当者に直撃

 先ごろ、サンリオのキャラクター「ぐでたま」のポップコーンマシンの画像がSNS上で話題となり「キティちゃんが世代交代か」との声が多数見受けられた。事実、サンリオキャラクター大賞などでも後進のキャラクターが育っており、ハローキティは2013年以降1位には上がっていない。本当に“世代交代”をしてしまったのだろうか。その真相を探るべく、サンリオを直撃。その真相とともに、知っているようで意外と知らなかったハローキティの“すごさ”が浮き彫りになってきた。

世代交代は本当? ネット上で悲しみの“バズり”

 子ども向けのポップコーンマシンといえば、アンパンマンとハローキティが定番。おもちゃ売り場などで何十年と続いてきた「出来立てのポップコーンはいかが? キティはみんなの人気者〜」と聞こえてくる、ノスタルジックな光景を思い浮かべる大人も多いはずだ。

 「ぐでたま」のポップコーンマシンの画像が投稿されると、「あの歌懐かしいな。もう聞けないのか」「うちの近所ではまだキティちゃん現役だよ!」「え!?やだ!(´;ω;`)」「嘘だろ」「キティにも先代がいたはず、交代はしかたない」「キティちゃん、激務だったからね…」「私の子供時代からあるのに。まさかキティちゃんじゃなくなる時代がくるなんて…」「ぐでたまの勢いがすごい…のか」などと、Twitterユーザーの間で悲しみの声が溢れた。現在までで約18万いいね、66000リツイートされ、いわゆる“バズ”っていたのだ。

 1986年から開催しているファン投票「サンリオキャラクター大賞」では、ハローキティは過去最多の14度も大賞に輝いている。中には12年連続1位という期間もあり、いわば殿堂入り的な人気を誇る。しかし、2013年を最後に、シナモロール、ポムポムプリン、マイメロディなどに大賞の座を明け渡している。さらに、話題になった「ぐでたま」は朝の情報番組『あさチャン!』(TBS系)でショートアニメコーナーを持っており。子どもだけでなく、主婦層、ビジネスマン層にも拾い認知度を誇る。“後進”のキャラクターが着実な成長を遂げていることもあり、世代交代説を信じたネットユーザーも多かったようだ。

公式が世代交代を否定、キティちゃんポップコーンマシンは全国1200箇所で稼働中

 この現象について、サンリオ広報課に取材し、見解を聞いた。「ポップコーン販売機はグループ会社の株式会社ココロが担当しており、ぐでたまのポップコーン販売機は現在全国で25台設置されています。東京都内はサンリオピューロランド、サンリオ直営店であるHello Kitty Japan ダイバーシティ東京店など、4ヵ所のみに設置しています。ハローキティのポップコーン販売機をぐでたまのポップコーン販売機に“入れ換えた”事例は愛知県のイオンモール大高の1件だけです。今後もハローキティのポップコーン販売機をぐでたまに入れ換えていく方針はありません」(サンリオ広報課)

 ぐでたまのポップコーン販売機は高速道路のサービスエリアなど、従来設置していなかった場所を中心に設置を進めていく予定で、当面50台程度の設置を目指しているとのこと。ハローキティのポップコーン販売機は、1987年にカップ式販売機が初登場。その後も改良を重ね、現在は第四形態となる販売機が全国1200箇所で稼働している。つまり、ぐでたまはレアなマシンであった。世代交代どころか、ハローキティは現在もバリバリ現役であり、ある意味“誤解”がネットで一人歩きをしてしまったという結果だった。

キャラクターグッズの概念を変えたキティちゃん 絶大な認知度ゆえのショック反応

 しかしながら、ネット上に悲しみの感情が溢れたのは事実。「ハローキティ」はそれだけ、日本人にとって広い世代で認知度の高いキャラクターであることの裏付けでもある。電通が公開している「ジャパンブランド調査2016の概要」によると、20カ国での認知度調査の内容では、「ポケットモンスター」についで「ハローキティ」が2位となっており(3位はドラゴンボールZ、4位はドラえもん)と、国民的アニメキャラクターにも勝る知名度を世界で誇っている。なぜここまで国際的な人気を得たのか、歴史を振り返ってみよう。
 ハローキティは1974年に開発し、翌1975年に最初の商品(第1弾は「がまぐち」)を発売。翌1976年に米国法人を設立し、海外初のサンリオショップをカリフォルニア州に直営でオープンするとともに海外事業を開始した。当時はハローキティの商品化を始めて間もない時期であり、ハローキティが人気になる以前より海外展開の準備をしていたことを意味する。同時期にデビューした「パティ&ジミー」、キキ&ララの愛称で知られる「リトルツインスターズ」などと一緒にショップに「ハローキティ」商品が並んだ。その後アジア、ヨーロッパ、南アメリカへと展開が広がっていった。
 そしてハローキティにとって大きな意味を持つ出来事が1996年前後に日本で起こったという。「それまで子ども中心だったファン層が大人へ広がりました。『キャラクターグッズは子どものもの』という既成概念が変わり『大人がキャラグッズを持つことは決して子どもっぽいことでない』という新しい価値観が生まれました。商品を供給する側である弊社も当時のトレンドセッターだった女子高校生のそういった動向を察知した段階から大人向け商品を増やしていく商品戦略をとっていたことがその動きを加速させました。その後2000年代に入る頃には欧米にもその変化が訪れ、有名モデルやファッションデザイナー、ミュージシャンの方々がハローキティのファンであることを公言するようになりました」(サンリオ広報課)

 現在でも、レディ・ガガやケイティ・ペリー、マライア・キャリーなどもキティちゃんのファンとして知られているほか、日本の“カワイイ”カルチャーの代表としても人気を博している。このように長い年月をかけて国内外で事業展開をして、ファン層を広げていったのだ。

愛されて45年、世界130ヵ国年間約5万種の商品数を誇る“国際的スター”

 「ハローキティ」は、全国のお土産ショップで販売する“ご当地キティ”をはじめ、ファッションブランドとのコラボ商品も多数展開。さらに、時にはゾンビになったり、人気アニメ『ラブライブ!』とコラボしたりと商品展開は多岐にわたっており、現在は親しみを込めて「仕事を選ばないキティさん」などと呼ばれることもある。

 「ハローキティは世界130の国と地域で年間約5万種類の商品が販売されております。ハローキティをはじめキャラクターのライセンスは商品化申請→許諾というような受け身的・事務的な流れではなく、弊社とライセンシー様が一緒に企画・デザインを考え共同作業で進めております。どのような商品化を行っていくかは、常に時代の変化を考えながら行っています。また、相手を傷つけるような暴力的表現は弊社のキャラクターには似つかわしくありません。殺傷力のあるカッターナイフ、包丁(子供用練習包丁を除く)、先の尖ったハサミ等は商品化を行っておりません」(サンリオ広報課)

 つまり、「仕事を選ばないキティさん」ではなく、時代に合わせて約45年間もの間変化し続けて“実は仕事を選んでいた”うえで、年間5万種という商品ラインナップになっていたのだ。事実、実は年代ごとにハローキティのデザインは少しずつ変化しており、その市場規模も計り知れない大きさだ。「ハローキティ」は、世代交代どころか、現在もサンリオの屋台骨を支える最重要キャラクターであるようだ。
 現在、第33回目となる『サンリオキャラクター大賞』の投票が実施中。中間発表ではシナモロールが1位で、ハローキティは5位につけている。その絶大なる認知度から、ファンの間でも「キティちゃんは別腹」といった心理が働いているのかもしれない。また、ほかのキャラクターたちからも「“キティさん”に早く楽をさせてあげなければ!」といった奮起の声が聞こえてくるようでもある。ハローキティは、世代交代どころか、現在も日本を代表する比類なき人気キャラクターであることが改めて分かったが、果たして世代交代の日は来るのだろうか。もし、その日が来るときがあれば、日本のキャラクタービジネスを一身に背負い、最前線を走り続けてきた労をねぎらってあげたいものである。

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