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ネットで衝撃『サンリオ男子』 老舗キャラ企業が“萌え”に挑む理由
サンリオが仕掛ける“萌え” グッズ求めピューロランドを訪れるファンも
主なキャラクターは、「ポムポムプリン」が好きな長谷川康太、「マイメロディ」が好きな水野祐、「ハローキティ」が好きな吉野俊介、「リトルツインスターズ(キキ&ララ)」が好きな西宮諒、「シナモロール」が好きな源誠一郎の5人。少女漫画や恋愛シミュレーションゲームのようなイケメン揃いで、Twitterに投稿される日常を切り取った写メ風の画像では、可愛いサンリオキャラクターグッズと共演。「癒される」「可愛い」「アニメ化してほしい」と女性アニメファンにも好評で、3月10日発売予定の女性向けアニメ雑誌『オトメディア』(学研)にも登場予定だ。
サンリオのキャラクターと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、ハローキティ、マイメロディ、ポムポムプリンなど、動物や食べ物をモチーフとした“2頭身”のキャラクターだろう。しかし、『サンリオ男子』は普通の人間の頭身に近い。ついにサンリオもここまできたか……と考える人もいるかもしれないが、同社はすでにゲームやアニメに興味がある青年層に向けた“萌え”系の作品を成功させている。それがバンドをテーマにしたキャラクタープロジェクト『SHOW BY ROCK!!』。2013年にスマートフォン向けのゲームアプリとして登場し、2015年にはTVアニメ化された。個性豊かなキャラクター、単純な美少女・美少年アニメに留まらない作り込まれた世界観が面白いと話題になり、サンリオキャラクター大賞TOP10内には4組の音楽ユニットがランクイン。メディアでキャラクターグッズ目当てに「サンリオピューロランド」に出向くファンが紹介されるなど、従来の2頭身キャラクターにも劣らぬ人気を獲得するに至っている。
老舗企業の味はどう活かされる? 『サンリオ男子』のこだわり
とはいえ、サンリオがこれまで貫いてきたスタンスが変わったわけではない。「サンリオでは、世の中に“仲良しの輪”を広げようと、これまで450以上のキャラクターを開発してきました。これまでも時代に合わせて、新たなアプローチを模索し続けてきました。基本的な姿勢や考え方は変わりません」(同担当者)。つまり、『サンリオ男子』も、アプローチは違えど、あくまでも従来のキャラクターの一環、延長線上から生まれたものであるということだ。「『サンリオ男子』は社内の1事業部を飛び越えた全社的な取り組みで、クロスメディア企画として、複数のメディアに展開していく予定です。これまで培ってきたノウハウ、さらに新しいことにチャレンジしていく気持ちを強みとして活かせたら」と続ける。
キャラクタービジネスの先駆者で、キャラクターを軸に多角的な展開を図っていくノウハウを蓄積してきたサンリオだからこそ、自信を持って送り出す『サンリオ男子』。女性向けのオタク・コンテンツが注目を集め、安易にアニメ、ゲームなどが作られる風潮がある今だからこそ、老舗キャラクター企業の“本気度”が窺える。