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ORICON NEWS
インパルス・板倉、“腐り”と“自虐”で存在感 相方不在で世間に知らしめた才能
『はねトび』人気からの凋落 「かつて、こんなに穏やかな年末があっただろうか…」
はからずも“ダークサイド”に落ちた板倉にかすかな光が差したのが、毎年クリスマス恒例の『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系)への電話出演だった。同番組では毎回“不幸エピソード”を明石家サンタ(さんま)に話し、さんまが合格の鐘を鳴らすと商品がもらえるというシステムなのだが、板倉の場合は「インパルスの板倉です」と名乗った途端に合格の鐘が鳴り響く。さらに「学園祭や、テレビ番組などなくなって、こんなに穏やかな年末、過去にあっただろうかという…」と嘆き、「でも、いろいろ学びました。積み上げた努力はあまりにも脆いということを」とまで語ると、ネットでも「板倉かわいそう」、「何も悪いことしてないのに…」などと同情の声が噴出したのである。
新キャラ確立で笑いを量産 “知的なお笑い職人”が本領発揮
また、5月19日放送の『さんまのお笑い向上委員会』、板倉は品川庄司・品川祐に執拗に絡み、「品川さんは若手時代にADを虐げていたので干されている、今は反省してADに優しくしている、なので品川さんは62歳でブレイクする」と、ほめているのかけなしてるいのかわからない暴論を展開すると、「板倉おもしれえな、相方あんなだもんな、必死だよな」、「板倉が無理めの暴走するし それによってバンバン品川傷つける すると笑いが起こる 最高かよ」などと、大絶賛されたのである。
とは言え、ここにきての板倉の“プチブレイク”は、もちろん彼だからこそ果たせたもの。自虐ネタといっても、単なる貧乏自慢のような武勇伝とは一線を画し、地味めの板倉だからこそ出せるリアルな“味”が、一般層にも響くネタとなったようだ。その延長にある“腐りネタ”にしても、単なるひがみや妬みではなく、インパルスのすべてのネタ作りを担当し、知的なお笑い職人といった印象もある板倉だけに、ひとひねりある素直に“笑える”ネタとなっているのだ。
作家活動、サバゲー、ゲーム 多才ぶりが今後の仕事の幅にも!?
多才の中でも特筆すべきは執筆活動。今まで『トリガー』、『蟻地獄』、『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』『月の炎』と4冊の小説を上梓しており、マンガ化もされた処女作『トリガー』はAmazonのレビューでも「芸人と舐めている場合ではない。これは読むべき!」、「情景描写とか伏線の張り方とかも完璧に近く、下手なベストセラー小説よりも全然よくできている」など、評価は非常に高い。もともと「言葉の魔術師」とも自称しており、芸人としても「ことわざドリル」という『エンタの神様』で披露していたピンネタ本を出版、前述の自虐&腐りネタにしろ、知的な芸人としての実力があるからこその“笑い”なのである。
ネットでの好感度から同情の声は厚い 堤下復帰後の“新生インパルス”にも期待
今、グーグル検索では「インパルス 板倉」のサジェストキーワードには「かっこいい」、「かわいい」、「かわいそう」などが出てきて、ネットでの好感度、同情の声は厚く、板倉に対しては世間の目も温かい。自虐&腐りネタで新境地を開拓しつつ、やっぱり板倉は面白いと世間に再認識させると同時に、その成果をインパルスにも取り入れ、堤下復帰後の“新生インパルス”としてさらにパワーアップしたコントを見せてほしい。