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芸人の不祥事 そのとき相方はどんな対応でコンビを守るのか?
今も語り継がれる狂犬・加藤の男泣き
その後、山本は被害者と和解し不起訴処分となったが、加藤の真摯な号泣会見は視聴者の心を揺さぶり、加藤自体の“株”を急激に上げることとなった。当時の加藤は『スッキリ!!』のMCに抜擢されてまだ3カ月目。ヘタすれば降板もあり得た状況だったが、加藤の“大人”の対応が好感度を上げ、今ではすっかり“朝の顔”にまでなったのである。そして10年間、相方を見放すことなく、いつかまたふたりで活動したいとの想いを公言し続け、ついに昨年にはライブを開催し、山本も事務所に復帰した。まさに加藤は、相方を救った芸人の代表格と言ってもいいだろう。
ポジティブでナルシストな相方を一番厳しい姿勢で叱咤
「ゼロからスタートします!」と力強く決意表明した石田は、世間から好感を得た。しかし、当事者の井上は謝罪会見で「イチからスタート…」と発言。石田は、ピンで登場した『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で「俺はゼロから(スタート)と言ってるのに…追い抜いて行ってるんですよ」とツッコミ、怒りを露に。さらには自身のブログで「(井上は)家族に対しても、相方の僕に対しても、劇場に対しても、お客さんに対しても、都合の悪いことにはフタをしてきたんです」と井上を痛烈に批判。芸能界のご意見番や世間から批判される前に、相方自らが井上を強く非難し、さらにそれを笑いに昇華することでNON STYLEの未来を救ったのである。
相方の不祥事を“美味しいネタ”に 芸人らしさに周囲もバカ負け
これもダウンタウンという超大物芸人だからできる対応とも言えるだろうが、一方では松本の父が死去した際、浜田が松本には言わずに松本の実家を訪ねて号泣した…というエピソードを同番組で披露し、一連の浜田の不倫報道も含めて丸ごとコンビ愛という“美談”にまで昇華させてしまったのは、さすがと言うべきか。
ただ、雨上がり決死隊・宮迫博之の不倫問題のように、先輩芸人らがここぞとばかりにイジり倒す中、相方の蛍原徹はいっさい関わらないという姿勢を貫く場合もあり、コンビの関係性やイメージによっては“なにもしない”ことがプラスに働くこともあるのかもしれない。
中には、相方の対応が結果的に失敗に終わりコンビで共倒れとなる場合もあるだろう。しかし、さらば青春の光などは東口宜隆の不倫が原因で事務所から契約を解除され、相方・森田哲矢がドン底に落ちたことを番組で嘆きながらも、解散することなく共に活動を続けているし、古くは横山やすし西川きよしの例もある。不祥事自体を起こさないのはもちろんのこととして、もし起こしたとしても、やはり相方の“支え”がコンビの危機を乗り越える最大のカギであることは間違いないようだ。相方の不祥事を笑いの糧にできるぐらいの技量が無ければ、“本物のコンビ”にはなれないのかもしれない。