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実写映画『銀魂』大特集! キャスト&原作者インタビューにキャラ紹介もまとめ読み!!

 累計発行部数5100万部を超える大人気漫画『銀魂』の原作者・空知英秋氏にインタビュー。 今回、実写映画化に踏み切った心境から、キャストたちへの思いも語る。そして、いよいよクライマックスが近づく原作漫画の行方とは…!? 『銀魂』ファン必見!

あまりイメージを壊したくないというのが正直な気持ち

――『銀魂』の原作漫画は2003年から『週刊少年ジャンプ』で連載を開始して、いまや単行本も69巻まで刊行。テレビアニメ、劇場版アニメを経て、ついに実写映画化の運びとなりました。実写化のオファーを受けたとき、どのように感じられましたか?
空知英秋 最初はそんなに乗り気ではなかったんですよ。漫画は、読者が登場人物へと感情移入するものじゃないですか。そうなっているところに、「実は銀さん(主人公・坂田銀時)は小栗旬くんです」と言われても、中には反対する人も出てくるでしょう。読者にもそれぞれの銀さん像があるだろうから、あまりイメージを壊したくないというのが正直な気持ちでした。この気持ちは、ほかの漫画家さんも同じだと思います。難しいですよね、実写化される作家のスタンスって。

――そこで実写映画化に踏み切った決め手は?
空知英秋 やっぱり、監督の福田(雄一)さんですね。実は以前にも実写映画の話はあったんです。でも、脚本が出来上がらなくて自然消滅した形になった。そんなとき、福田さんの『アオイホノオ』(テレビ東京系)や『勇者ヨシヒコ』シリーズ(同系)を観て、この方ならイケるんじゃないかと思ったんです。『勇者ヨシヒコ』が始まるときは、エラいドラマが始まるなぁと思っていたのに、実際に観たらすごく面白かった。あえてコスプレ感を出しながら、違うところに面白さを求めるやり方をしていたんですよね。そんなことがあったので、担当編集者から「福田監督で提案がきている」と聞いたときは、福田さんなら実現するかもと思いました。

僕は自分の作品を見直すのが実はすごく苦手

――今回の映画には、空知先生はどのように関わっているのでしょうか?
空知英秋 いや、全然関わっていません。変に関わっても、ダメ出ししたくなるし…(笑)。やりたいように楽しく作っていただいたほうが、いいものが出来ると思うので、僕は完全にノータッチ。

――実際に出来上がった実写版『銀魂』をご覧になった感想は?
空知英秋 面白かったです。福田さんが実写流のアレンジをたくさん加えてくださったので、そこはすごく楽しめました。でも、僕は自分の作品を見直すのが実はすごく苦手で。アニメでも、自分が適当に考えたことをプロの方がしっかり映像化しているのを観ると、“ああ、ゴメン”って、顔が真っ赤になっちゃいます(笑)。

――小栗旬さん、菅田将暉さん、橋本環奈さんによる“万事屋(よろずや)”のメンバーはいかがでしたか。
空知英秋 皆さん再現度が高くて、ホントに良かったと思います。菅田将暉くんの新八も、環奈ちゃんの神楽も可愛かった。試写を観た後に自分で神楽を描いていたら、“あれ、可愛くない…。環奈ちゃんの方が可愛いじゃん”と思ったくらいです(笑)。

――本当にみなさん、忠実に演じるキャラクターを再現されていましたね。
空知英秋 まったく忠実にやっていない佐藤二朗さん(武市変平太役)さんもいましたけどね(笑)。マジメにやってくださっているほかの役者さんに申し訳ないくらいですけど、見終わった後には、佐藤二朗さんしか(頭に)残っていなくて…。全部持っていくんだもん、あのおっさん(笑)。

銀さんのイメージは『ケイゾク』の渡部篤郎さん

――では、原作の『銀魂』についてお伺いします。まず、空知先生は連載を始めるとき、どのようなイメージで坂田銀時を描かれたんですか?
空知英秋 読者の先を走っている先輩キャラ、ですかね。僕の中では、『探偵物語』(日本テレビ系)の松田優作さんや、『ケイゾク』(TBS系)の渡部篤郎さんのイメージ。『ケイゾク』での渡部さんの芝居は、だるい雰囲気がすごくカッコ良くて、何を考えているかわからない怖さもあって。そんな感じにしたいと思い、銀さんを描き始めました。

――『銀魂』といえば、原作でも時事ネタや様々な作品のパロディを取り入れてることでも有名ですね。
空知英秋 意識的に入れているわけではないんですけどね。普通に、人と冗談を言い合うノリで描いているだけなんです。おしゃべりをするときって、例えば『ドラゴンボール』の何かにたとえたり、引用したりするじゃないですか。そのノリでやっているだけなので、罪の意識がないぶんタチが悪いかもしれません(笑)。

――今回の実写版でも、福田監督による多種多様な作品のパロディのオンパレードでした。
空知英秋 僕は、あんな無茶はしないですけどね。もう少し常識をわきまえています(笑)。

――単行本には、読者の質問に空知先生が手書きで答える「質問コーナー」があります。これも人気の理由のひとつだと思いますが。
空知英秋 あれは実は、胃が痛くなるくらいめちゃくちゃ考えて、時間をかけて書いています。もう、なんでこんなもの始めちゃったんだろう、と思うけど。やめたいけど、やめたら読者から文句を言われるんですよ(笑)。コメントを書く筆ペンを変えただけで怒られるくらい。いや、そこ大事じゃねぇだろ、と(笑)。

――コメントに影響を受けた読者も多いのでは?
空知英秋 僕が考えているのは笑いをとることだけで、マジメなことは何も考えていません。もっともらしいことを書いていても、落とすためのフリだから。感激している人には申し訳ないとは思いますけど(笑)。

最初から決めていたゴールに向かって描いてます

――ちなみに、空知先生にとって『銀魂』のキャラクターはどんな存在ですか?
空知英秋 全員、どこかしらに自分の要素は入っていますが、僕はあんな変態じゃないです(笑)。ただ、自分のエキスを何も入れないと、単なる創作上のキャラクターになってしまうので、そこは地に足の着いた何かが必要。でもそうやって自分を反映しているうちに、“この作家、絶対に変態だよな”と、全部がバレちゃうんですよね。逆にそれくらい自分を出さないと、漫画家としてはダメだと思っています。

――原作では最終章に入ってかなり経ちますが、いよいよ佳境に。
空知英秋 なんとなく終わりの時期は決めてるんだけど、どんどん伸びていて。最終話も、細かいところ以外は、もやっと決まっているんです。今まで横道にそれてきましたが、最初から決めていたゴールに向かって描いてますね。

――いずれ連載が終わったら、何がしたいですか?
空知英秋 終わってすぐは遊ぶでしょうけど、漫画家なんて漫画を描いてないと、社会の役にひとつも立たないゴミですから(笑)。唯一、社会と接点を持てるのが漫画。たとえ遊んでいても、どんどん孤立感が深まり、すぐに次の漫画を描き始めると思います。
(文:今 泉)
映画『銀魂』
原作:空知英秋『銀魂』(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督・脚本:福田雄一
出演:小栗旬 菅田将暉 橋本環奈 柳楽優弥 新井浩文 吉沢亮 早見あかり ムロツヨシ 長澤まさみ 岡田将生 佐藤二朗 菜々緒 安田顕 中村勘九郎 堂本剛
2017年7月14日公開
【公式サイト】(外部サイト)
(C)空知英秋/集英社 (C)2017映画「銀魂」製作委員会

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